事業内容
このページは株式会社岸本吉二商店から提供された情報を記載しています。
概要

1900年に創業以来、尼崎市の伝統産業である「菰樽(こもだる/酒樽)」の部材である「菰縄(こもなわ)」のつくり手として、古くからの文化を受け継ぎ、今も守り続ける株式会社岸本吉二商店。第二次世界大戦中には一時的な廃業状態に追い込まれるも、終戦後の1949年に兵庫県の蔵元から「菰縄」製作の依頼を受けて事業を復活。1959年の法人化以降は、全国約400の蔵元からオーダーを受け、国内シェアは50%以上となっています。また、蔵元からの受注以外に、『ミニ菰樽』、『ミニ鏡開きセット』など一般のお客さま用のオリジナル商品の開発と販売にも取り組んでいます。さらに、「菰樽」という日本文化を世界に広めるため海外の展示会に出展、英語版のWEBサイトを開設するなど海外展開も見据えた活動も展開しています。
伝統産業、伝統文化の継承者としての使命
江戸時代、日本を代表する酒どころとして知られる灘や伊丹(共に兵庫県)の日本酒を船で江戸に運ぶ際、荒波による樽の破損を防ぐための緩衝材として誕生したのが、わらを織った菰で杉の樽を巻いた「菰樽」。その部材であるわらを原材料とする「菰縄」の生産を一手に担っていたのが、現在の兵庫県尼崎市を中心に10軒ほどあった「菰縄」のつくり手企業です。日本酒需要の低迷に加え、阪神・淡路大震災による被災の影響から、今では尼崎市に2社が残るだけ。そのうちの1社が岸本吉二商店です。
昔は、農家が内職でつくったわら菰を買い集めそれに商標や酒名のしるしを入れていましたが、時代と共に素材は安定供給できる合成樹脂製へと代わり、稲わら製は全体の20%程度だといいます。そのため、岸本吉二商店では契約農家で自ら稲刈りをし、稲わらを調達し、社員が織機を使って昔ながらの手法で「菰縄」を作っています。これは、「菰樽」という日本文化を絶やさず後世に残す、という使命感による同社の取り組みのひとつです。
また、日本の伝統産業は職人の高齢化や後継者不足の課題を抱えていますが、同社には20代の若手職人が4人もおり、後継者を育成しながら伝統と技術を守り続けています。


鏡開きを体験するためのオリジナル商品開発と未来に向けた海外展開
同社の主力事業は、神事やお祝い事などで使用する大型の「菰樽」の製造ですが、後世に「菰樽」を残すためには、用途を広げて国内外の多くの人に認知してもらうことが大切だという想いから、新商品開発やWEBサイトでの情報発信に力を入れてきました。
1963年に発売開始した『ミニ菰樽』は、300ml、900ml、1,800mlと複数サイズを用意。最近では訪日外国人のお土産としても人気が高く、発売から60年が経った今もロングセラー商品となっています。また、「日本の伝統文化である鏡開きを、人生で一度は体験してほしい。」との想いから製作したのが、2003年に発売開始した卓上サイズの『ミニ鏡開きセット』です。自宅でのお祝い事や、結婚披露宴でのキャンドルサービスの代わりに使われることもあるのだとか。これらのオリジナル商品は、同社のECサイトで購入可能です。
近年では、海外からの問い合わせが増えてきたことを背景に、海外展開を見据えた活動も開始。2013年にはニューヨークで開催された見本市「NY NOW」に参加。翌2014年には中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」に選ばれ、「菰樽」をテーブルやイスにリノベーションするインテリアプロジェクトをスタート。同年、ニューヨークのギャラリースペース「RESOBOX」にて、その完成品のお披露目会を含む3週間の展示会を開催しました。


稲わら文化を後世に伝えるためのSDGsアクション
岸本吉二商店では、兵庫県神戸市をベースに活動する国際NPO法人「Peace&Nature」のパートナーとして、地域の里山や森林保全活動を実施するSDGsアクション ワークショップに参画しています。2023年は地域の子どもたちや外国人と共に、同社が契約している神戸市北区大沢町の農家の田んぼにて山田錦の稲刈り体験や菰樽の素材である菰織り体験を実施予定とか。
また、阪神間の各種イベントにて菰樽を巻く実演を披露したり、年に1回、尼崎市教育委員会の外部団体からの依頼で、授業の一環として小学校にて「菰樽」荷造りの実演と地場産業の歴史に関する講話を行っています。いずれの活動も「今、われわれが守らなければ、残らない未来がある」という強い信念が原動力となっています。


資金使途
調達資金は、株式会社岸本吉二商店の事業全般にかかる活動に使用します。
事業計画
事業計画売上高
200,000,000円
会計期間全体(6ヶ月)における合計です。
売上対象
本事業の売上は、株式会社岸本吉二商店の全売上が対象となります。
分配金の計算および支払いの対象となる売上は、事業計画売上高の200,000,000円を上限とします。