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「借り換え」という選択肢
上手なメンテナンスは定期的なモニタリングから
住宅ローンは20年も30年も付き合うものですから、メンテナンスのためのコストや手間を念頭に置いて定期的に吟味する必要があります。つまり、モニタリング。「来年は子供が進学するけれど、今の返済計画に無理はないか?」「来月は金利が上がりそうだから、金利タイプを変更すべきか?」「繰り上げ返済をしたくても、今のローンは簡単にできない。それならいっそのこと借り換えるべきか?」などをチェックすることは、現在のあなたに合った住宅ローンかどうかを確認する作業であるとも言えます。

モニタリングといっても日々の金利の動きに一喜一憂する必要はありません。長期間にわたって返済していくものですから、金利や月々の返済額、返済期間などから見た「経済性」、繰り上げ返済などメンテナンスの自由度から見た「利便性」において、全体のバランスがとれているかどうかを確認することが重要です。
住宅ローンだけで考えない、バランスシートで考える
現在のあなたに合った住宅ローンかそうでないかを考える際、ご自身の資産と負債を「バランスシート」に当てはめてみましょう。バランスシートとは、企業会計でいう「貸借対照表」のこと。「ある一定時点の資産や負債の残高がどれくらいあるか?」を示したものです。この考えかたを利用して、家計の全体を見渡してみましょう。
個人の負債もバランスシートで

「たとえば、預貯金や有価証券、不動産などの資産の額が負債の額(住宅ローンの残高)を上回っている場合、万が一のことが起きてもこれらの資産を処分することで負債を返済することができる」と考えられます。また、高金利のときに組んだ住宅ローンであれば、低金利のときにくらべて負債の額が相対的に大きい状況と言えるでしょう。このようなケースでは余裕資金(ここでは自己資本に相当)を使って繰り上げ返済をし、負債の額を少しでも小さくするよう対処するのが現実的かもしれません。
このように、住宅ローンの残高が家計の中でどれだけのウェイトを占め、月々の返済がどれだけ収入や支出に影響を及ぼしているのか。そしてこれらがご自身のライフプランとどう関連しているのかということを考えるのに、バランスシートの発想はとても役に立ちます。
住宅ローンの場合、金利が1%違うだけで返済額や返済期間などに大きな影響を与えます。しかし返済計画は過去に作られたものですから、もしかすると現在のあなたに合っていない部分をいくつか発見するかもしれません。たとえば「年収が上がって生活に余裕ができたのに、余ったお金は普通預金に眠ったまま」だとか、「ローンを組んだときのタイミングが悪くて現在の低金利のメリットを得られない」など。「何とかならないかな」と思ったら、その住宅ローンはメンテナンスが可能かどうか、つまり金利タイプの変更や繰り上げ返済などに対応しているかを確認してみましょう。
負債を入れ替える「借り換え」という選択肢
今借りている住宅ローンの仕組みがあまり柔軟でない場合、いっそのことまったく別の住宅ローンに借り換えるというのもひとつの手段です。返済計画の見直しやメンテナンスの自由度は返済額や返済期間に大きな影響を与えることから、借り換えは解決策として検討に値する選択肢でしょう。
借り換え先となる住宅ローンを選ぶ際のポイントは、
- 繰り上げ返済や金利タイプの変更など返済計画は自由に見直せるか
- 繰り上げ返済手数料など、返済計画の見直しにどのくらいコストがかかるのか
- 金利はどのように適用され、見直されているのか
- 借り換えの手続きにどのくらい手間と時間がかかるのか
といった点です。
バランスシートの発想でいえば、借り換えはまさに「負債を入れ換えること」。高金利のときにローンを組んだ人にメリットがあると思われがちですが、返済期間の途中で金利が上がったり、返済額が増額となる人にも関係があります。タイミングを見ながら上手に利用したいものです。

あなたの「住まい」と「時間」「記憶」のために
多くのかたにとって「住まい」とは、長い人生の大半を過ごす場所、記憶や思い出が集まるかけがえのない場所です。「価格」や「間取り」「立地」といった点だけを厳しくチェックして選ぶのではなく、ライフスタイルや価値観を投影する方向へ「住まい選び」が変わってきたのも当然のことといえるかもしれません。
住宅ローンも同様です。金利や返済額、返済計画だけの簡単なシミュレーションをして決めるには、あまりにも大きくシリアスなものです。「住まい選び」と同じくらいのエネルギーを「住宅ローン選び」にも注ぐ。実はこれこそが一番大切なことかもしれません。

