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スペシャルインタビュー
ファイナンシャルプランナー・深野康彦さんにきく「格差の時代」を勝ち抜く資産運用

「自分の時間のコントロール」も運用の知恵

いまうかがったようなお話しは、深野さんの近著「金融機関にすすめられた商品の中身がわかる本」にも詳しく紹介されていますね。この本は書店に溢れている運用のハウ・ツー本や、夢のような成功話を紹介したものとはひと味もふた味も違い、いま私たちが選ぶことができる主な金融商品を網羅して、その特徴やチェックポイント、それと深野さんご自身の評価も星の数で採点した「金融商品のミシュラン」のような本です。

私がFP業界に入ったのは平成元年の4月なのですが、当時は金融商品の年鑑的なガイドブックが何冊かありました。その頃は金融商品といっても運用商品は少なく、預貯金、債券、株式、ローン、それと保険ぐらいでしょうか。そういった個人向けのガイドがバブルの崩壊と共にほとんどなくなってしまい、前々から自分で作りたいと思っていたんです。

金融ビッグバンの後に規制緩和が行われ、金融機関が取り扱う運用商品の数も種類もぐっと広がり、ワンストップ化も進みました。ソニーバンクさんもそうですよね。その一方で利用者の備えの部分は、まだまだ成熟していないんです。我々はいつも「運用する側もしっかり理論武装しなさい」とか「相手に勧められるままではダメ」というけれど、その力を養うためのツールがなかったんです。

それで、とりあえず自分が気になったり、金融機関にすすめられた商品について“あたり”がつけられる利用者の備えを提供しようとこの本を書きました。厚い本ではないですけれど、いきなり全部読まなくていいんですよ。運用を始める前にまず勉強して、ある程度知識を積んでいただいてもいいし、何か商品を勧められたら引っぱり出してそのぺージを読んでいただいてもありがたい。何か分からないことがあった時に、辞書がわりに活用していただきたいんです。

金融機関側には商品に関する説明責任がもちろんあるわけですが、ある商品と別の商品をさまざまな角度から比較する「応用力」や、課税方式の違いによる損得、金利トレンドの読みなどは利用者側の知恵の力が大きく関わってくるわけですね。

深野康彦氏

今後さらに大切になる運用の知恵に、自分の「時間」をコントロールすることがあります。でも、そうはいっても普通の人は、仕事をしたり、家族との暮らしを充実させたりと、資産運用のことばかり考えているわけにはいきまません。だったら知恵がある人を、味方につけるんですよ。それがこういった本だったり、資産運用の専門家だったりするわけです。つまり、今年さらに大切になる運用の知恵は、自分の「時間」をコントロールすること。1日は誰にも平等に24時間なのですから、効率的につかうことを考え、そのために必要と思えるコストは支払うべきなんです。

 

たとえば投資信託は、販売手数料とか信託報酬とか、要するに自分に代わって銘柄を選んで売り買いしている人に対して支払うコストがかかる金融商品です。自分で個別株や債券を選んで組み合わせれば確かにそのコストはかからないけれど、そのためにどれだけの時間を費やさなくてはいけないでしょうか。それよりも自分が好きなことに時間は使いたいじゃないですか。新しい金融商品や投資先が次々と登場して、一般の利用者のキャパシティを超えてしまった今は、そんな考え方を資産運用全体でもっていただきたいと思います。

 

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