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スペシャルインタビュー
ポッドキャスティング・インタビュー「フィスコ・ニューヨークレポート」片山氏編

プロは目に見える数字の裏を見ている

片山さんにとって、仕事に欠かせない「七つ道具」とは何でしょう。

具体的な道具で挙げれば、一番目は「金融情報端末」ですね。現在、ブルームバーグ端末という、現ニューヨーク市長のブルームバーグ氏が始めた会社の端末で、この世界のプロの多くが使っているものを使用しています。情報だけでなく、データも重要です。データを通じて過去にどのような事が起こったかということを知ることは、金融の世界やマーケットで働くものにとっては絶対欠かせません。

もうひとつ、「電卓」です。単純に数字が好きなこともあって、なぜか電卓が好きなんです。昔、簿記を勉強していた時に電卓が壊れて、新しく買い換える為に1週間くらいかけて「マイベスト電卓」を探した記憶があります(笑)。話は少し変わりますが、今思えば、株式市場への興味は、表示版にずらっと並んでいる数字がひっきりなしに変わる、ああいう世界に昔からひかれていたのかもしれませんね。

プロの投資家と、そうでないかたとの違いは、「人と違う数字を見ている」ことにあると考えています。世の中にある一般的な数字をひとつ違う角度で見ることで、そこにプレミアムが生まれます。たとえば、今は広く知られているPER(株価収益率)という株式指標ですが、「株価を1株あたり利益で割ることで、割安か割高を判断出来る」と最初に考えた人が他人とは違う角度から投資を行い、ある一定の成果があったから有名になったわけです。シャープ・レシオやペッグ・レシオという株式指標も同じように成果が認められて有名になりました。私も、「これは関連付けて考えられるかな?」と思った数字などを、電卓で掛けたり割ったりしています。

手を動かすというのは、頭に情報が入りやすくなる、数字という客観的なものが自分のものになるということもありますね。

それと、この業界に入って学んだことのひとつが、情報は人が持っているということです。巷に情報は溢れていますが、鍵になる情報をもつ人は当事者など、一部の人に限られています。そして、市場関係者内で話題になる、マーケットの手口情報やポジション情報、レポート情報などもすべて一部の人から広がったものがほとんどです。こういった情報を持つキーパーソンとの出会いですが、業界は狭いもので多くは友人の友人にそういう人物がいることが多いんです。「それなら1度その人に会わせてよ」との一言から出会いが始まるのですが、そういうことが出来るためには人柄も重要になってくるように思います。最初は何も分らなかったニューヨークに来て、色々な人に助けられて、そのことを実感しました。

最後に情報分析のプロから、投資判断力をどのようにつければいのか読者の方にアドバイスをお願いします。

大切なのは、どのようにして自分自身の相場観を積み上げるかということです。相場には絶対というものはありません。上がるか下がるかは50%対50%の確率です。それを65%に引き上げるためのプラス15%が情報の役目ですし、プロといわれる者の判断力だと考えています。プロというのは情報を肌で感じて「この情報が追加されたことで相場はこちらに動くな」といったことを判断します。では、このような相場観をどうやって鍛えるかといえば、いつも意識してマーケットを見るということと、特異な動きをしたケースを含めた過去のマーケットを記憶しようと心掛けることになるでしょう。

読者のかたへのアドバイスとしては、相場の動いた結果に対して“なぜ”の意識をいつも持っていただきたいです。そして、一般に聞かれる情報によって相場を理解することも重要ですが、その情報を加味したうえで自分なりの考えを持つことは更に重要だと考えます。また、少額でも良いので、外貨での投資を行うこともゆくゆくは投資判断能力を高めることに繋がると思います。自己資金での投資によって、無意識のうちに相場結果に対する“なぜ”を持つようになります。

為替のプロはテクニカル分析を好む人が多いと思います。為替相場というのは圧倒的に大きなマーケットですから、人為的に操作ができるというものではなく、ある程度の法則性というものがあります。この法則性を見つける助けとなる基本的なテクニカル分析の手法やチャートの見方は、知っておくと何かと役立つと思います。

片山 善博 氏
(略歴)

信州大学経済学部卒業後、大和証券グループを経て2002年フィスコへ入社、2004年よりニューヨーク特派員。金融マーケットを通じて人生を含めた物事全てにおいて「リスクの無い処にリターンは少ない」事を学び、リスクコントロールの重要さを知る。米国の地でバリュー投資に出会い、長い目でみる形でのローリスク・ハイリターンの存在を知り、懸命な賢明なる投資家を目指して先人の跡をたどる。テレビ東京「モーニングサテライト」にニューヨークから出演中。

片山善博氏

座右の銘
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も(上杉鷹山)」。
祖母が私によく言ってきかせてくれた言葉です。私は大手の証券会社を辞めて、フィスコに転職する時など、人生の岐路に直面した時には、いつもこの言葉が頭にありました。やらずに後悔するよりは、やってみて後悔した方がいいとの私の考えを後押ししてくれる言葉です。
座右の書
「プロ投資家のための外国為替取引」UBS銀行東京支店外国為替部編(日経BP出版)
社の先輩から為替市場を学び始めた時にいただいた本です。過去に為替相場が動いた出来事、その要因などが分りやすくまとめられており、非常に勉強になった私にとっての為替入門本です。また、この本のコラムでは、これまでの為替相場における歴史的な出来事の局面でディーラーがどう動いたかなどの経験談が取り上げられています。

 

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