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為替・金利レポート
特別企画「雇用統計はソニー銀行の日」連動レポート 【フィスコ】熊男と牛子の米国雇用統計予測

米国1月非農業部門雇用者数、+17.0万人で好調堅持の見通し

経済指標の中で、最も注目を集める指標のひとつである米国雇用統計。
スペシャルレポートでは、米ドル安を予想する熊男さんと、米ドル高を予想する牛子さんが、米国雇用統計の解説を行います。

登場人物ご紹介

熊男さん

熊男さん
米国経済、ドルに弱気(ベアリッシュ)の見通しを語ります。
  • ※熊=Bear=ベア⇒ベアリッシュ
    相場が下落(値段が下がる)と考えること。熊(ベアBear)が立ちあがって腕を上から下へ振り下ろして攻撃することから、弱気派をベアと呼ぶ。

牛子さん

牛子さん
米国経済、ドルに強気(ブリッシュ)の見通しを語ります。
  • ※牛=Bull=ブル⇒ブリッシュ
    相場が上昇すると予想する相場観。ブル(Bull)雄牛が角を下から上へ突き上げるようにして攻撃することから、強気派をブルと呼ぶ。

12月雇用統計の結果で市場はどうなった?

  • ・失業率:8.5%(予想8.7%)
  • ・非農業部門雇用者数:+20.0万人(予想+15.5万人)
牛子:
1月6日(金)に発表されたアメリカの12月非農業部門雇用者数は+20.0万人となり、予想の+15.5万人を上回ったわね。2011年の雇用者数は164万人も増えたことになるわね。月平均13.67万人ね。民間部門の雇用者数も+21.2万人となり、過去12ヶ月では192万人も増えたことになるわ。ドル・円は、77円34銭までちょっとだけ上昇したわね。昨年の1月同様に、米国の雇用統計発表日の高値が、ドル・円の1月の高値になったのね。
熊男:
でも、政府関連では1.2万人減っており、2011年では28万人の減少になるね。失業率も、小数点第2位まで計算したら、11月の8.65%から12月の8.51%まで、0.14%改善しただけだよ。
牛子:
失業率が低下したのは、失業中の人達が職探しを諦めたからなのね。労働力人口は、11月の1億5,393.7万人から12月は1億5,388.7万人まで5万人減少しているわね。失業者は、11月は1,332.3万人だから、失業率は8.65%(=1,332.3万人÷1億5,393.7万人)、12月は1,309.7万人だから、失業率は8.51%(=1,309.7万人÷1億5,388.7万人)と、数字の見栄えがよくなっているだけね。
熊男:
12月は、年末商戦に絡んで小荷物配送・速配サービス関連が増えて、1月は減る傾向にあるんだね。2009年12月は+30,100人から−40,800人、2010年12月は+46,300人から−48,700人。2011年12月も+42,200人だったけど、2012年1月は帳消しになる可能性があるよ。
牛子:
民間部門の就業者数が、12月の+21.2万人から1月の予想は+19.3万人に減っているのは、そのせいなのね。

1月雇用統計の市場予想は?

牛子:
2月3日(金)日本時間午後10時30分に発表される、アメリカの1月失業率予想は8.5%、非農業部門雇用者数は17.0万人の増加が予想されているわね。
熊男:
アメリカの失業率は“非農業部門雇用者数が毎月12万人程度増えれば低下する”から、失業率は12月の8.5%から8.4%とかに低下する可能性もありだね。
 20122011
1月
予想
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
非農業部門
雇用者数(万人)
17.0 20.0 12.0 10.0 21.0 10.4 12.7 2.0 5.3 21.7 19.4 23.5 6.8
失業率(%) 8.5 8.5 8.7 8.9 9.0 9.1 9.1 9.1 9.0 9.0 8.9 9.0 9.1
  • ※失業率は2011年11月まで修正値が公表されたため更新済

結果を受けて市場はどうなるの?

牛子:
非農業部門雇用者数が予想通りに17.0万人程度増えたら、ドル買い材料になるわね。

≪予想を上回った場合≫

牛子:
非農業部門雇用者数が20万人以上増えたら、ドル・円も80円方向に向けて上昇するかもしれないわね。

≪ほぼ予想通りだった場合≫

牛子:
非農業部門雇用者数が予想通りだったとしても、ドルを売る材料ではないから、消極的なドル買い材料かな。

≪予想を下回った場合≫

熊男:
予想を下回った場合、ドル売り・円買い材料だね。
牛子:
どの位下回るかが問題ね。10万人を割り込んだら、ネガティブ・サプライズでドル売りだね。

今までの米雇用関連の指標を星取り表にすると????

アメリカの雇用関連指標「星取り表」 ○=改善、●=悪化

2012/1/21現在

米雇用関連指標

20122011
1月12月11月10月9月8月7月6月5月4月3月2月1月
※1 非農業部門雇用者数   -
失業率   -
※2 ISM製造業雇用指数 50% -
ISM非製造業雇用指数 25% -
ADP全米雇用報告 67% -
新規失業保険申請件数 50%
シカゴ地区購買部協会雇用指数 42% -
フィラデルフィア地区連銀業況指数(従業員数) 58%
NY連銀製造業業況指数(従業員数) 33%
消費者信頼感指数(職を得るのが困難) 58% -
米企業人員削減数(チャレンジャー) 58% -
モンスター雇用指数 50% -
  • ○●は、直近の発表がない場合は、カウントされません。
    的中率は、過去12ヶ月間、非農業部門雇用者数と同じ星(=的中)だったかどうかの割合です。
  • ※1の雇用統計は、※2の発表がほぼ終わってから発表されるので、雇用統計予測の目安にする傾向があります。
牛子:
1月の雇用統計の調査対象週の新規失業保険申請件数は、35.2万件。2008年2月以来の低水準でその時の失業率は、4.9%!

おまけ: 2012年1月雇用統計の修正ポイント

牛子:
2012年1月の雇用統計では、2つの修正点に要注意らしいわね。失業率を算出するための家計調査では、2010年の国勢調査の人口データが反映されるって聞いたけど、どういう影響があるの?
それから、非農業部門雇用者数を算出する事業所調査も、恒例のベンチマークの修正はあるのよね?
熊男:
そうなんだ。2011年12月の失業率が発表された時も、家計調査部分に関して、ちょっとした季節調整があったよ。たとえば2011年11月も、8.6%から8.7%へ修正されている。たびたび行われるんだよ。
牛子:
2010年の国勢調査の影響はどうなの?
熊男:
2012年1月の家計調査は、2010年の国勢調査の人口データが反映されることになっている。
極端なことを言えば、人口が1億人から3億人に増えた場合、同じ6万世帯のサンプル調査では、整合性がないことになるよね。でも、2011年以前の家計調査が遡及訂正されないから、2011年12月の家計調査と2012年1月の家計調査は、統計的に違った人口統計に基づいていることになる。
牛子:
ふーん、そうなんだ。でも、2011年12月の失業率が8.5%で、2012年1月の失業率の予想が8.5%ということは、統計上の非連続性はあっても、結果は、そう影響がないみたいね。
熊男:
そうなんだよね。10年前に同じように国勢調査の結果が調整されたんだけど、あまり影響なかったみたいだね。今回も、予想の8.5%付近で一喜一憂することになりそうだね。
牛子:
事業所調査のベンチマークの修正って?
熊男:
それは、以前説明したと思うけど、事業所の開業・廃業を考慮した修正だよ。事業所のサンプル調査に基づく過去の数字を、税関連のデータで調整した全事業所のデータで見直す修正だね。今回は、2011年3月時点の非農業部門雇用者数が、19.2万人引き上げられるらしいね。
牛子:
そうなんだ。でも、2011年の数字が上方修正されるだけで、2012年の数字には影響ないわけね。
熊男:
そうだね。だから、いつも通りに、発表される数字と予想との比較をすればいいのかもね。
牛子:
ということは、今回の対談の意味、なさそうね。
熊男:
そうだね。大幅に違った場合は、僕のことを思い出して欲しいな。

米国雇用統計とは?

米国の雇用統計とは、米国の労働省労働統計局が、原則として毎月第一金曜日の米国東部時間午前8時30分に発表する、米国の労働市場の統計です。
調査対象期間は、毎月12日を含む1週間です。

家計調査としての「失業率」と事業所調査の「非農業部門雇用者数」があります。

《家計調査ベース(Household survey)》
  • 就業者:農業労働者、自営業、無給家族従業者
  • 失業率=失業者÷労働力人口x100  (約6万世帯の調査対象)

労働力人口(16歳以上の働く意志を持つ人)のうち失業者(調査期間中に労働に従事していないが働くことは可能で、過去4週間以内に求職活動を行った人)の占める割合です。

《事業所調査ベース(Establishment survey)》
  • 非農業部門雇用者数(Non-farm Payroll):非農業部門に属する事業所(対象事業所:約40万社、従業員4,700万人:全米の約1/3を網羅)の給与支払い帳簿(payroll)をもとに集計。自営業、農業従事者は含みません(兼業者はダブルカウント)。
    毎月15万人程度の増加が、労働市場における景気回復の目安となります。
  • 平均労働時間の増減によって、次の(1)〜(3)の状況がわかります。
    • (1)産業の生産性と個人所得の指標
    • (2)労働市場の状況
    • (3)賃金インフレ率の動向
  • 非農業部門雇用者数の修正について
    米国労働省は毎月12日を含んだ週を対象に、約40万社の事業所を調査します。調査結果は通常、翌月の第一金曜日に発表されますが、調査週から2週間程度しか期間がありませんので、すべての調査対象事業所がデータを提出できません。そこで、翌々月の雇用統計発表時に、最初の発表日に間にあわなかったデータをあわせて、より正確なデータが修正値として発表されるわけです。

どうしてこの指標が重要なの?

米連邦準備制度理事会(FRB)は政策目標で「物価の安定」と「雇用の最大化」を掲げています。
すなわち、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策は、米国のインフレ指標だけでなく、雇用指標からも影響を受けることになります。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策は、米国の雇用情勢が改善した場合は金融引き締め気味のスタンスとなり、雇用情勢が悪化した場合は、金融緩和気味のスタンスとなります。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を見極める意味でも、米国の雇用統計は重要です。
また、雇用情勢が改善した場合は、米国の企業業績が好調で、個人消費も好調となりますので、米国の景気回復を確認することになります。
悪化した場合は、米国の企業業績が低調で、個人消費も低調となりますので、米国の景気減速を確認することになります。

  • ※本資料のご利用については、必ずディスクレーマー(免責条項)をお読みください。

レポート提供:株式会社フィスコ

http://www.fisco.co.jp/

株式会社フィスコは1995年5月に設立された日本では数少ない独立系の金融市場の調査機関として、機関投資家や個人投資家へリサーチサービスを提供しています。

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本レポートを含む、フィスコが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
また、ソニー銀行の見解や見通しを表すものではありません。





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