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着々と進むインフラ整備と内需拡大

この天然資源のもつ魅力がどれほど大きいかといいますと、一例として、1998年のロシア危機のお話をいたします。8年前のことになりますが、その時ロシアは債務不履行つまり、借りたお金が返せないという状況に陥りました。格付でいいますと一番下のあたりですね。そういう時期は借金を返せないのですから、国として外貨準備高が当然マイナスという状態です。そうなってきますと、短期間のうちに格付を上げるということは難しいわけですが、ロシアの場合は輸出していた天然資源の価格上昇が大きかったわけですね。ロシア危機当時の石油価格は1バレルあたり20ドル前後といった水準でしたが、現在は67ドル程度まで上がっています。そして約7年間でこの時の対外債務の返済の手だてがほぼついたという状況になりました。天然資源をもつ魅力、収益力がいかに大きかったかということがおわかりいただけるかと思います。
またパイプラインの建設については、建設を行うための会社、その関連企業といったものも出てまいりますので、こういった設備投資も新たな成長のドライバーになっています。たとえばロシア最大の天然ガス企業にガスプロムという会社がありますが、この会社はパイプライン建設に1年間だけで約1兆2,000億円(2005年9月現在)の設備投資を行っています。これは当然のことながらガスプロム一社だけで行うものではなく、周辺の建設機械、資材を調達するための商社といったところにも資金が下りてくるわけです。あるいは天然ガスや石油や輸送を行う、ロシア鉄道では、今後線路の敷設などを行うという話も出ています。
こういった大規模な設備投資が、いまロシア国内の周辺産業に波及しているということですから、それに合わせてそこで働く人々の収入も上がってきています。そこで次は、国民の収入が上がることによる内需拡大という三点目の成長のドライバーです。
ロシアでは共産主義が崩壊した後、長らく混沌の時代が続いたということがありまして、富の蓄積がそれほど人々の間でされませんでした。ところが天然資源価格の上昇や周辺産業の勃興ということから人々に富が渡るようになってきて、非常に大きな富の蓄積が起こると同時に、個人にもお金が回ってきたということです。
また、今まではロシアの産業といいますと天然資源が中心だったわけですが、最近は内需を当て込んで、海外からの投資も増えていまして、サービス産業の増加も見込まれております。たとえば携帯電話、通信サービス業も非常に大きく拡大していて、日本ではすでにおなじみのiモードも2005年から試験導入が始まりました。人々の消費は、今までは生活必需品が中心でしたが、これからは付加価値の高いサービスに目が向けられていくことでしょう。
以上、ロシアの今後の成長性を占う三点をお話しいたしました。常にある安定的な収入基盤としての天然資源、その収入をさらに拡大していくためのインフラの整備、そしてインフラ整備がもたらした個人の収入増による内需の拡大、この3つがロシア成長のドライバーとして期待されています。
- はじめに
- BRIC's中でも比較的良好な格付け
- 豊富な天然資源がもつ安定した収益力
- 着々と進むインフラ整備と内需拡大
- EU経済圏の恩恵を受ける東欧諸国
- ロシア・東欧への投資で安定収益を狙う

