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豊富な天然資源がもつ安定した収益力
もうひとつ、先進諸国とBRIC'sの一人当たりのGDPをご覧いただきたいと思います。BRIC'sの話は皆さまよくご存じかと思いますが、2050年までに、ブラジル、ロシア、インド、中国といった国が、G6といわれる先進諸国を成長性において抜いていくという話があります。この成長性の高いBRIC'sの中で産油国でかつ石油の輸出を行っている国というのはロシアのみです。石油や天然ガスといったエネルギー資源を使って工業生産はされていくわけでして、資源というのは重要な成長のキーになっているわけですが、そういった意味ではロシアはインド、中国、ブラジルのすべてがお客さまということになります。当然のことながら先進国にも天然資源を輸出しています。
では、どの程度の天然資源を保有しているかといいますと、大きくは原油と天然ガスです。
原油
原油産出量(左)と輸出量(右)比較(2004年)
ロシアの原油輸出先国別内訳(2003年)
OPEC諸国との原油輸出構成推移
天然ガス
天然ガス生産量(2004年)
天然ガス確認可採埋蔵量シェア(2004年)
出所:OPEC、BP、BLACKWELL
まず原油産出量はサウジアラビアに次いで世界第2位(2004年現在)です。中国、メキシコ、イラン、そしてアメリカといった成長性が高く、かつ産油国という国もありますけれども、他国に輸出できるほど潤沢な産油量を有している国というのは意外に少なく、実はロシアというのは自国の成長をまかなうだけではなく、輸出もしているのです。そのグラフの下に、OPEC諸国の原油輸出の構成推移を載せておりますが、ちょっと前の1999年にはOPECの占める割合が半分以上でした。それが現在、OPEC以外の比率がだんだん拮抗してきています。これは全体の産油量が増えていることもあるのですが、天然資源には限りがありますので、古くから産出を続けているOPEC地域、それに比べて比較的最近産出を始めたロシアを含めたOPEC以外の地域ということで、産出量に差がでてきています。ですから今後10年、20年という長い話ではありますが、天然資源がこれから枯渇するということが叫ばれている中で、今後成長を続けていくために石油資源をどけだけ確保できるかといったことが、鍵となって来ています。
天然ガスにつきましては埋出量、産出量共に世界第1位(2004年現在)の規模を誇っております。この天然ガスは、石油に変わるエネルギーとして近年とみに需要が増しています。メディアなどでも報道されていますが、特に欧州の25カ国では、ロシアの天然ガスが全体の供給量の約半分を占めているということで、とても大きな影響力をもっています。世界的にみても天然ガスの需要は高まっており、その供給量、産出量が共に1位だということも、ロシアの将来の成長を占う上で非常に大きなものといえるかと思います。
さて、ロシアの石油の年間生産量は順調に増えてはいるのですが、使うところにきちっと輸送ができなければ収益が上がりません。石油をちゃんと各地に輸送ができるかというところが、ロシアのひとつの大きな課題です。こちらにはパイプラインの新規建設のルートを5つご紹介していますが、現在まだこれは全部つながった形にはなっておりません。

ロシアの石油年間生産量の推移
| 輸出能力 | 輸送量 | 稼働率(%) | |
|---|---|---|---|
| 積出港 | 80.0 | 70.5 | 89.2 |
| ドルージバ・パイプライン | 60.0 | 53.9 | 89.9 |
| 合計 | 140.0 | 124.4 | 88.9 |
単位:100万トン/日量
出所:BP、PlanEcon Energy Report Vol11
原油輸出パイプラインの建設プロジェクト
- バルチック・パイプライン・システム(既存パイプラインの延長)・・・6,200万トン/年まで引き上げ目標
- ブルガス〜アレクサンドロポリス・・・ボスポラス海峡を回避するルート
- ドルージバ〜アドリア(パイプラインの統合構想)・・・南欧・地中海向けに輸出
- 中国へ(大慶ルート)・・・3,000万トン/年
- アジア・太平洋地域へ(ナホトカルート)・・・5,000万トン/年
ですけれども、これが今後5年、10年の間に開通するようになりますと、まず成長性の高い中国や日本を含めたアジアに、図では大慶ルートなどと示されていますが、供給が安定的に行われるようになります。あるいは北欧方面にムルマンスクという不凍港がありまして、ここまでパイプラインをひくことで、アメリカへ安定的に輸出ができるようになります。このようにアジア、北米、欧州という3つのルートがきちっと確立されますと、ロシアの収益もなお一層大きくなることが期待できます
- はじめに
- BRIC's中でも比較的良好な格付け
- 豊富な天然資源がもつ安定した収益力
- 着々と進むインフラ整備と内需拡大
- EU経済圏の恩恵を受ける東欧諸国
- ロシア・東欧への投資で安定収益を狙う

