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日本の金利引き上げは2008年以降か
増税と大量の国債借り換えが控える日本経済
ここからは日本の金融政策です。2003年に福井日銀総裁は、量的金融緩和解除の条件として「消費者物価指数が前年比ゼロ%以上を安定的に続けること」、「政策委員の多くが先行きをゼロ超と予想すること」、「経済・物価情勢を総合判断する」という3つの条件を掲げました。そろそろ日本の景気もよくなってきたことですし、福井さんとしては早く量的緩和を解除したいわけです。しかしながら政府与党あたりから圧力がかかっていますので、おそらく今の情勢を見ますと、3月の決算が終わった後の4月あたりに量的金融緩和を解除しますが、しばらくはゼロ金利政策のままでいくようです。
そうしますと先ほどから何度もいっていますように、ゼロ金利はデフレだといいんですが、インフレですとマイナス金利になってしまいます。お金を借りれば借りるほどいいということになりますので、円キャリートレードが活発化する可能性があります。
ゼロ金利解除は2000年の8月にもあったのですが、このときは円高にはいっていないんです。解除すれば円高だという人もいますが、他の要因もあったかと思いますが、この時は円高要因ではなかったということです。当時は、森首相、中川官房長官、現在は中川政調会長、首相は森派の小泉首相。因縁なのか、日銀の金融政策を巡る難しい時期に、同じようなメンバーでやっていらっしゃるわけです。
政府が利上げに消極的な理由は、増税による景気失速懸念があります。2006年は定率減税を廃止し、いずれ消費税率も上昇することが予想されています。そういう時に、金利を上げたのでは景気回復の足枷になりかねない、ということがありますので抑えつけようとしているわけです。もうひとつは、2008年に、小渕首相(当時)が大量に発行した国債の借り換え時期がくるわけです。その時に金利が高かったら、財政負担が大きくなるわけです。ですからなんとしても2008年ぐらいまで、消費税を上げて国債の借り換えが終るまで、金利上昇を抑えたいというのが政府の方針でしょう。日本は低金利が長く続くのではないかと予想されます。
次は日本の為替政策ですけれど、財務省も日銀も120円台の円安は容認しています。2005年121円まで円安が進んだ時は、円買い介入があるのではいわれましたが、過去125円以下では円買いはやっていません。そして日米の政策金利の差が2.5%以上ですとドル高傾向でした。2.5%未満ならドル安傾向です。ですから日本の金利がゼロ、あるいは低金利のままで推移し、アメリカの金利が4.5〜5.0%のままで上げ止まっていれば、日米金利差からいけばドル高・円安になります。2.5%と125円という分岐点となる数字を覚えておいてください。
原油高はドル・円相場ではドル高要因
次は原油価格です。
原油需給
- ■需要 : 経済成長率+1.0% ⇒ 50万バレル/日
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- 国際エネルギー機関(IEA)予測 : 8,520万バレル/日 (+2.2%)
- OPEC見通し :
- OPEC原油 2,870万バレル/日 (+13.4万バレル)
- 世界の原油 (+160万バレル +1.9%)
- 米国 : 2,112万バレル (+1.5%)
- 中国 : 708万バレル (+6.65%) 企業による海外の石油・ガス資源の開発
- 戦略石油備蓄 (SPR: 米国 7億バレル)
- 中国 (1億190万バレル 20日分) 2005年輸入 9.37億バレル
- インド (3700万バレル 15日分)
- ■供給
- 国際エネルギー機関(IEA)予測 :
- 非OPEC 5,160万バレル/日
- OPEC 2,850万バレル/日
- イラン (400万バレル OPECNO2、世界NO4) 経済制裁の可能性
- 国際エネルギー機関(IEA)予測 :
今問題なのが供給サイドであり、原油生産世界でナンバー4のイランと、ナンバー8のナイジェリアからの供給がもしかしたら減少する懸念が高まっています。2006年2月2〜3日に国際原子力機関(IAEA)の緊急理事会が開催され、イランを国連安保理に付託するか、否かが協議されます。もし国連安保理付託、経済制裁発動となれば、イランからの原油輸出が途絶える可能性が高まることになります。そうなれば、第3次石油ショックになりますから、そういった背景を盾にして、イランは強気に出ているわけです。
1975年の石油ショックの頃から去年まで30年間、日本の原油を輸入量はだいたい15億バレルで、ほとんど変わっていません。2004年は原油の輸入平均価格が37ドルだったので、原油輸入に6兆円を支払いました。2005年は輸入平均価格が51ドル、8.8兆円の支払い(ドル買い・円売り)となっています。輸入価格が80ドルになったら1,200億ドル(=15億バレルx80ドル)、大手米系証券会社の予想通り、もし原油価格が100ドル以上に高騰すれば、1,500億ドル(=15億バレルx100ドル)のドルを買うことになります。ドル円を110円で計算しても16兆5千億という金額になり、日本の貿易黒字は大幅に減少することになります。
日本の貿易黒字は、2004年が11.9兆円、2005年は8.8兆円です。原油価格が高騰した場合、貿易黒字が原油輸入だけで激減する可能性があるわけです。原油が高くなると、原油消費量が世界最大のアメリカの景気が悪くなるので、景況感ではドル安といえるのですが、日本の景気も悪くなります。しかも15億バレルの原油を輸入し続けるためには、外国為替市場でドルを買って、円を売る取引が行われますから、需給からいって原油高はドル高・円安要因になります。
- はじめに
- 2006年のドル・円・ユーロの変動要因の概要
- ドル・円相場を決定するアメリカの通貨政策
- 今年のシナリオは「ドル・円は高値反落」
- 月齢サイクルとドル・円相場の関係を見る
- 2010年に向かって注目のアメリカの株式
- 日本の金利引き上げは2008年以降か
- ユーロ・ドル、ユーロ・円の見方について
- 全体に漂う将来的な円売りの大きな動き

