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スペシャルインタビュー
アナリスト・インタビュー 藤原延介氏 リッパー・ジャパン マーケット・アナリスト

新興国だけでなく、バランスをもった投資スタンスを

――
お話をうかがっていると、一言でBRICsといっても、情報開示の進みかたも、見るポイントも大きく違うようですね。
藤原氏

やはり違う投資対象として分けたほうがいいと思います。現時点での1人当たりGDPであるとか、そういったところの水準が大きく違いますし、これから国全体として盛り上がっていこうという国と、ちょっと無理をしてでも先進諸国に追いついていこうという国との大きな違いもあるのではないでしょうか。

人口の問題も大きいと思います。中国の人口もいずれ減ってきますけれど、2030年までは一応安心してみていられるでしょう。インドの人口に関しては2050年まで増加する見通しです。そのなかで3億人、4億人といわれる人たちが先進国に近い生活水準を確保していくだろうというシナリオがあるんですけれど、ロシアとブラジルの場合はまた違うのかなと思いますね。やはり新興国というのはリスクが大きいというのは間違いないことだと思います。それでも中国にかけたいとか、インドの将来性に対して強い信念があるという場合はインド株ファンド、中国株ファンドでいいと思います。その一方で、4ヶ国どれも多少は違った特徴を持っているのでよくわからないけれど、全体として将来性を感じているというのであれば、投資を分散してみるといったことになるのではないでしょうか。

――
BRICs以外の新興国で、注目国はありますか。
藤原氏

今いくつか出てきている国の中で言えば、ベトナム、イスラエルですね。

ただその中で先進国に対する分散投資という考えかたが抜けている気がします。アメリカは投資に関して言えば残高はすごく少ないですし、ヨーロッパだってもっと少ないですよね。債券では先進国中心にオーストラリアやカナダとかいろいろな国に行ってると思うんですけど、株に関してはそのへんが完全に抜け落ちてしまっています。注目が集まりやすい派手ものだけでなく、ミドルリスク・ミドルリターンというものにも、もう少し目を配ってもいいのではと思います。

――
毎回お話をうかがっているかたにお聞きしているのですが、藤原さんにとって仕事に欠かせない「七つ道具」とはなんですか。
藤原氏

藤原氏

仕事に関するものでよろしければ、経済統計です。統計を読むのって、おそらく誰もがやりたくない部分だと思うんですよね。チャートの方が楽ですし。それでも特に為替をやっているかたは、アメリカの経済統計をしっかり勉強したいっていうかたもいらっしゃると思います。

私の座右の書を一冊だけ紹介しますと、住友信託銀行さんがお書きになった『投資家のための金融マーケット予測ハンドブック』(住友信託銀行マーケット資金事業部門著・NHK出版)は、色あせない価値のある本だと思います。たとえば消費者信頼感指数がこうなったから米ドルがこうなった、というときに、それってどういうことなんだろうって見ると非常にわかりやすく書いてあると思います。

――

お好きな「投資格言」があれば教えてください。

藤原氏

格言というほど大げさなものではないですけど、「相場に王道はない」ということでしょうか。投資のスタイルは個人個人違うものだと思いますし、仮に同じ目的の人がいたとしても、失敗した時にどうやって納得するかっていうのはそれぞれ違います。ですから、いろんな情報を見て、自分なりの相場観を作って、自分が納得できる方法でやっていくしかないのかなと思っています。

――

ご自身の投資スタイルについて、教えていだたけますか。

藤原氏

株はほとんどやっていません。当社は401Kを採用している会社ですし、投信評価会社なのでできるだけ投信にしています。でも、やはり外債が中心ですね。それは為替が円安になるっていう予想を持っているとか、持っていないといった相場観の話ではなくて、為替だったら負けても納得できるかなというところですね。

――

最後にソニー銀行に何か要望やメッセージがあればお願いします。

藤原氏

実は、リッパー・マーケットにとってソニー銀行は銀行として初めて採用していただいた金融機関なんです。お客さまの投資判断にかかわる情報を提供するのは、結構神経を使うことだと思います。証券会社さんは積極的にリッパー・マーケットを検討してくれるんですが、銀行さんの場合はなかなか慎重です。その中でソニー銀行さんに採用いただけたということは、情報収集に対する意欲の旺盛なお客さまのニーズがあってこそだと思います

藤原延介氏

藤原延介(ふじわら のぶゆき)氏
ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン) マーケット・アナリスト

慶応大学経済学部卒業後、三菱信託銀行で国内・海外のマクロ経済調査や株式運用を担当。

その後、ロイター・ジャパンでクォンツ定量分析や企業財務分析などを担当し現職。

「ウォールストリートジャーナル(WSJ)」、「ダイヤモンド・マネー」ほか、マネー誌などへコメント提供・寄稿多数。

 

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