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ローン情報
よく分かる住宅ローン講座:選択編 後悔しない!新時代のローン選び

第1章 住宅ローンの最新情報をおさえよう
  1. Chapter 1
  2. Chapter 2
  3. Chapter 3
第2章 借入プランを立て、利用するローンを選ぼう
  1. Chapter 4
  2. Chapter 5
  3. Chapter 6

Chapter 2:さまざまな金利タイプの特性を知る

キャンペーン金利の魅力とリスク

現在、多くの銀行では、住宅ローンの金利を割り引く、金利優遇キャンペーンが行われています。

金利優遇キャンペーン

新規借入(借り換えを含む)の住宅ローン金利を割り引くサービス。給与振込口座に指定するなど、いくつかの条件を満たした場合に適用されるケースが一般的です。

なかでも金利のマイナス幅(金利優遇)が大きいのが、2年固定、3年固定といった短期固定型のローンで、中には1%、0.98%といったキャンペーン金利で借りられる金融機関もあります。金利が低い分、当初の返済負担はかなり抑えられますが、先々の金利上昇によって返済額が大きく増える危険性も潜んでいます。

3年固定は固定金利選択型のひとつで、選択した期間(3年固定なら3年)は金利が固定されます。固定金利期間終了時には原則として変動金利型になるのですが、利用者の申し出により再度固定金利選択型を選ぶことができます。いずれの場合もその時点の金利で返済額が再計算されます。変動金利型は半年ごとに金利が見直されるタイプで、返済額は5年ごとに再計算される(5年ルール)のが一般的です。*1

*1:ソニーバンクでは、5年ルールを適用していません。)

たとえば1%の3年固定で3,000万円を35年返済で借りた場合、当初の返済月額は8万4,685円ですが、仮に4年目の金利が4%になれば返済月額は12万8,551円となり、毎月約4万4,000円以上、年間で約53万円も増えてしまいます。また金利1%の時には返済額のうち利息負担が2万円台で済み、毎月、元金が6万円近く減っていくのに対し、4年目からは9万円以上が利息に回り、3万6,000円程度しか減っていきません。

返済額のアップに耐えられるかという大きな問題があるほかに、元金がなかなか減らないというデメリットも生じるわけです。

金利優遇は、マイナス幅の変化にも注意が必要です。金利優遇には、当初期間(3年固定なら3年間)大幅に金利を優遇し、それ以降はマイナス幅が縮小されるタイプと、全期間一定幅で優遇するタイプがあります。1%前後の3年固定はマイナス幅が変わるタイプで、仮に店頭金利が上がらなくてもマイナス幅が小さくなる分、適用される金利は高くなりますし、店頭金利が上がれば、マイナス幅の縮小分と金利上昇分のダブルで適用金利がアップすることになります。

10年程度で完済できるなら当初の優遇幅が大きいもののほうが有利になるケースもありますが、返済期間が20年以上の長期になる人は全期間一律の優遇を受けられるタイプが安心といえそうです。

図:3年後、金利が4%なら…

金利上昇リスクを数字で把握しよう

最近は「金利が上がれば返済額が増えることは分かるけれど、ピンとこない」、という方が増えています。とくにバブル期の高金利(住宅ローン金利は8%台にまで上昇)を経験していない20代〜30代前半の方にその傾向が強いようです。

過去25年間の住宅ローン金利の平均は公庫の基準金利が4.09%、民間の変動金利型が5.08%です。現在は1年固定から10年固定まで1〜2%台までの範囲に収まっていますが、これは日銀によるゼロ金利政策が継続されていることや、住宅ローンの「民営化」で金融機関が金利割引合戦を行っているためで、かなり特殊な状況といえるでしょう。

基準金利

公庫では物件の面積、構造、地域によって金利が異なり、最も低い水準で設定されているのが、基準金利。

ゼロ金利政策

日本銀行が金融市場に豊富な資金提供を行うため(景気回復のため)に行っている金融政策で、短期市場金利が実質ゼロ%近くまで抑えられています。

また「固定期間の終了時に金利が上がっていたら、他行の3年固定に借り替えて再度金利優遇を受けることで返済額が増えるのを避けられる」、と考える方もいらっしゃるようですが、これはかなり危険です。昨今の金利優遇キャンペーンは顧客獲得のための方策であり、永久に継続される保証はありません。借り換えを繰り返すことで大幅な金利割引を受け続けるというのは、非現実的といえるでしょう。金利水準そのものがアップする可能性も大です。

各金融機関では短期固定型のリスクを書面にして伝えているようですが、現在のところ、具体的に数字を出して説明している例は少ないようです。また、短期固定型は当初の返済負担が抑えられるため、購入者のためになると思って勧めている不動産業者もいると思います。

住宅ローンのセミナーで講師を務める際に具体的な数字を使って短期固定のリスクを説明すると、アンケートで「短期固定の利用はやめます」と書いてこられる方が大変多くいらっしゃいます。具体的な数字を見れば、リスクの大きさ、怖さが実感できると思います。

図:住宅ローン金利の推移(過去25年間)

金利タイプはリスク許容度で選ぶ

現在の超低金利がこの先もずっと続くとは考えにくいものの、低金利のメリットも享受したい。だからこそ住宅ローン選びは難しいといえます。

金利が上がり続けた場合や、このまま上がらない場合を想定し、「完済まで金利が変わらない安心感のある長期固定型と、超低金利で借りられる短期固定金利型ではどちらが有利か」といったシミュレーションをしている例もありますが、金利は上げ下げを繰り返していくものですし、将来の金利を予測することなど誰にもできませんから、シミュレーションにはあまり意味がないと思います。そのため私は、金利が上がって返済額が増えても返済できるかどうか、つまりリスク許容度に合わせて利用する住宅ローンを選ぶべきだと考えています。

固定金利選択型を利用した場合、固定期間が明ければ変動型を利用するか、再度、固定金利にするかを選ぶ必要があります。その際、最も金利が低いものを選んでも4%になってしまうという状況をイメージしてください。4%は過去の金利の平均から想定した水準で、金利がその水準に達したときに返済額のアップに耐えられるかどうか。この観点で利用する住宅ローンを選ぶわけです。

後の回で詳しくお話ししますが、専業主婦家庭で小さいお子さんがいる世帯などでは、返済額が増え家計を圧迫したからすぐに奥さんが働いて収入を得る、ということも難しいでしょう。このようなケースでは、ある程度、安全性を重視して住宅ローンを選ぶ必要があるわけです。

金利上昇による返済額の増え方は、住宅ローン残高が多いほど大きくなります。言い換えれば、金利上昇によるリスクを抑えるためにも、残高を確実に減らしていくことが重要です。

たとえば3,000万円を35年返済で借り入れた場合で考えてみましょう。1%の3年固定を利用し、4年目に金利が3.6%(4%から金利優遇で0.4%割引)になった場合、5年後の住宅ローン残高は約2,685万円です。対して1.3%の5年固定では、5年後の住宅ローン残高が約2,650万円。金利が固定される期間が長い分、5年固定のほうが残高が減っていることが分かります。目先の金利が低い1%ローンより、1.3%で5年間金利を固定する方が、安心ですね。さらに7年固定、10年固定など、固定期間が長いほど確実に残高は減ります。残高が減っている分、金利上昇による返済額のアップが抑えられ、許容できる金利上昇幅も広がっていきます。つまり固定期間が長いほど、安全性が高まる、というわけです。

図:残高を確実に減らすには、固定金利期間を長くする

金利の行方によって結果が違ってくるので、どの住宅ローン(金利タイプ)が得かは完済してみないと分かりません。まずは自分のリスク許容度をしっかりと確認すること。そして許容範囲内で住宅ローン(金利優遇の内容や金利タイプ)を選択する、というのが、多様化した住宅ローンを賢く活用するポイントです。

当初の大きな金利優遇より全期間一律で金利の割引を受けることで安心感を得るなど、自分の気持ちで選ぶしかしかない部分もあります。安定性を重視するほど当初の返済額は多くなりますが、利息という保険料を払って安心を得ている、という捉え方もできるのです。

まずは金利の仕組みやリスクをしっかりと理解しておきましょう。

 

この記事はアサヒ・コム広告特集として2005年8月22日から10月31日に掲載したものを収録したものです。金利その他の数字、情報はすべて掲載当時のものです。

第1章 住宅ローンの最新事情をおさえよう
第2章 借入プランを立て、利用するローンを選ぼう

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