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外貨情報
外貨預金活用ガイド

必ずお読みください 外貨預金の重要事項

vol.3 タイミングの分散化

そもそも「リスク」とは何か

投資の世界では「リスク分散」という言葉がよく登場しますが、そもそも「リスク」とは何のことか、皆さんはお分かりでしょうか? まずはそこからお話しして、頭を整理しましょう。

一般的に、日本人がイメージするリスクというのは「万一○○したら」といったものです。典型的なのが「万一元本が割れたらどうしよう」ですね。ところが投資におけるリスクというのは元本割れのことではなく、価格変動の大きさです。将来の収益に対する不確実性などといったりしますが、簡単にいえば儲けと損の川幅です。川幅が小さければ儲けも少ないが損も少ない。川幅が大きいと大きく儲けられるが損する時も大きい。そういった大きなブレがあった時でも損をできるだけ少なくするというのが、リスク分散の考え方です。

投資タイミングの分散

投資タイミングの分散は、そういった不確実なブレを補うためのひとつの方法です。外貨のような価格が変動する商品は、誰だって安い時に買いたいはず。でも、安値も高値も後になって分かるものであって、今日は分かりません。その具体的な分散方法として一般的なのが、「ドルコスト平均法」というものです。

ドルコスト平均法は、ある商品(外貨)に対して定期的に、同じ金額分(日本円)の投資を行うという簡単なものです。たとえば円高の時には米ドルが多く買えますし、円安なら買える米ドルは少しになります。その結果、毎月同じ米ドル額を買うよりも平均取得単価を抑えることができ、為替変動の不確実性を補うというものです。

ドルコスト平均法は長期的な投資計画に適した方法ですが、必ず儲けられる魔法ではありません。あくまで儲ける勝率を高める方法ですから、円安トレンドがずっと続くよう場合はあまり儲からないこともあります。リスク分散=絶対儲かると思われている方は、もう一度お話の最初に戻って、「リスクとは何か」を思い出してください。

“時間”を意識した外貨商品・投資方法の実践例

●外貨MMF・・・・・・外貨預金と相性のよい流動性の高さと好金利

プロの投資家が投資でもっとも重視するのが「流動性」。買いたい時、売りたい時にすぐ動けることです。為替収益のチャンスを逃さず、金利面でも普通預金以上が狙えるという点で、初心者の方でも外貨預金のパートナーにしやすいのが外貨MMFです。

 外貨MMFは、海外の短期公社債などを中心に運用される、外貨建て元本の維持(円換算した場合、為替リスクが生じます)や安定した収益を目指して運用される投資信託の一種です。その最大の利点は、いつでもペナルティーなしで換金することができ、かつ満期がないことです。つまりずっと預けて利子(分配金)を再投資して外貨を増やしてもいいし、為替の状況に応じて円貨に戻すことも容易ということですね。外貨資産をプールする場所として使いやすく、最近のアメリカの金利引き上げによって金利面でも優位性が高まっている商品です。

●指値取り引き・・・・・・売買価格を決め、自分の生活スタイルで外貨投資

「指値取り引き」というのは買いたい額(値段)を自分であらかじめ指定しておくという外貨預金の売買方法で、株式投資では一般的な方法です。誰だって少しでも安い時に外貨を買いたいですし、ネットバンクのおかげで24時間市場に張り付くこともできますが、資産運用というのは、本来のご自分の仕事の時間を侵してまでするものではありません。投資に生活時間をあまり振り回されたくないという方に向いた方法でしょう。

株価の世界では時に激しいV字型の上下動があり、流れに乗った売買が必要な局面も多々あります。しかし外貨の場合は、1日に3円も5円も上下するということはほとんどありません。今の市場でいくらが適正な指値かを皆さんがあまり考え込み過ぎる必要はないと思います。中長期のトレンドをおさえ、自分の考えで「ここで買いたい」という適正価格を決め、生活に無理なく外貨投資とお付き合いすればよいと思います。

図:指値取り引きの仕組み(ソニーバンクの場合)

●特約付外貨定期預金・・・・・・為替の不確実性か、確実な金利か

アメリカの金利水準が上がってきたことで、「為替の収益という不確実なものよりも、金利という目に見える利益をとる」といった考え方もできる状況になってきました。より有利な金利を望む方の選択肢になるのが、特約付外貨定期預金という商品です。ただしこの商品は仕組みがちょっと複雑ですので、「マーケットの動向が読める方向き」という但し書きがつきます。

「特約」の一般的な例は、満期日の元利金(元金+利息)の払い戻し通貨がその時の為替水準によって決まるというものです。あらかじめ決められていたレート(特約判定レート)と同じか円安の場合、元利金をその特約適用レートで円に交換します。一方、満期日のレートが特約判定レートより円高だった場合は、特約が消滅し、元利金は預け入れた外貨のまま外貨普通預金口座へ入金されるというものです。簡単にいえば、一定以上の為替利益という不確実なリターンを最初から放棄しているわけです。その交換条件として、確実なリターンとして「一般の定期預金よりも有利な金利」が特約付外貨定期預金にはつけられています。

特約付外貨定期預金は、開始日と満期日というピンポイント的な短期の値動きが大きく影響する商品です。「為替リスクと好金利」の交換条件をきちんと理解できる方、そしてやはりご自身の相場観をもって投資ができる方向きといえるでしょう。

図:特約付外貨定期預金の仕組み(ソニーバンク タイプ1の例)

長期投資は元本重視、短期投資は為替重視

外貨預金においては、短期投資で狙うのは為替差益、長期投資の目的は元本を増やすこと。これが基本的な考え方です。短期投資では、先ほどもお話ししました流動性、あるいは手数料といったコストを念頭に入れながら、ご自分に合った商品を活用して、資産の配分、ポートフォリオを考えていただければと思います。特にその際には、「より増やすため」の資産配分ではなく、「リスクを分散する(同じ特徴の値動きの商品を重複させない)」資産配分を心がけること。それが、“勝率”を上げることにも繋がるわけです。

長期投資には、長く持つことで有利な利息もつく商品、またそれによって為替リスクのリカバリーもしやすい商品が適しています。具体的には外貨定期預金の積立とか、長期で固定金利の外国債券などがリスクの面からも適した商品といえるでしょう。

ただし、金利と為替リスクは裏表で考えるものですから、金利面だけの条件を見るのではなく、その外貨の為替リスクが今どんな状態にあるかをよくチェックしてください。為替リスクと金利の関係については、次のセクションで詳しくお話をしたいと思います。

この記事はasahi.comに2005年6月27日から2005年8月31日まで掲載したものを収録したものです。
為替レートその他の数字、情報はすべて掲載当時のものです。

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