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セミナーレポート
ソニーバンク外貨預金セミナー 2005年夏

必ずお読みください 外貨預金の重要事項

フィスコ為替市場レポート・セミナー編
〜テクニカル・ファンダメンタルズからみた2005年後半〜

講師:山下政比呂氏
株式会社フィスコ リサーチマネージャー

政策的にドル高を誘導するアメリカ

太陽黒点とドル・円相場

次は太陽黒点の11年周期と、ドル・円相場の不思議な関連について説明させていだたきます。太陽黒点の極大期前後に、ドル・円の天井圏がきて、極小期前後に、ドル・円の底値圏になるというパターンがあります。今年2005年というのは極小期ですから、2005年前後はドル・円は底値をつける可能性があったわけです。

信じられないかたもいらっしゃると思いますので、グラフを見ていただきます。

太陽黒点とドル・円相場

一番下の赤いグラフが太陽黒点の数です。ドル・円が黒のグラフです。太陽黒点が多いところの前後にドル・円のピークがきていて、少ないところの前後にボトムがきています。ですので、2005年というのは101円でひょっとしてボトムアウトして、2006年に向かって上がっていくかもしれない、それだけでなく、次の極大期2010年に向かってもっと上がるかもしれないというのがここからいえます。

それだけでは説得力がありませんので、CRB指数のグラフも参照してみました。ブルーのグラフです。CRB指数というのはアメリカの商品先物指数でして、モノの値段、インフレ先行指数として使われるものです。太陽黒点のグラフが上昇すると、モノの値段も上がっていることが分かると思います。

最後に、インフレに一番敏感なのは日米の10年債利回り格差です。しかしこれはとりあえず、あまり関連性は見えません。しかしながら赤とブルーと黒のグラフは、時間をずらせば非常に重なって見えます。ということは、太陽黒点が増えるということは、インフレ、モノの値段が上がる、すなわち原油が上がっていくということに整合性が出てくる。イメージとしては、2006年にはピークをつけて、2007、2008年に若干下がって、2010年に向かって上がっていくのではないかと、個人的には私は思っているわけです。とりあえずこれからドルは上がっていくだろうと予想させていただき、もし上がっていかなければ、私が皆さんの前に出るのは来年以降は無いかもしれません。(笑)

米大統領選の翌年は変動する

米国の大統領選挙の年は、皆さん感覚的にお分かりのように、為替はあまり動きません。誰が大統領になるか分からない、すなわち翌年のドル政策が不明だからです。変動相場制移行後、過去8回の米大統領選挙の年の変動率は平均で12.88%です。去年は107.32円で始まりましたから、推定変動幅は13.82円と予想したところ、実際は13.07円となり、見事に当たりました。

一方、大統領選の翌年の変動幅は、前年が動かなかった反動で動きやすくなります。過去8回の平均変動幅が20.25%ですので、今年の推定変動幅は20円程度。101.67円が今年の安値だと仮定すると、高値は120円以上が推定できるわけです。120円台の高値になれば、先ほどから何度もお話ししています長期下落トレンドを上抜いてくるという可能性が出てくるわけです。

ついでに知っておくてと便利ということで、「1月の法則」というのをご紹介します。これは「1月の月足と年足が約70%の確率で一致する」というものです。どういったことかといいますと、たとえば今年の1月は陽線でした。陽線というのは始値よりも終値の方が高いことです。1月が陽線であったら年足も陽線で終わる確率が高いということですから、7割の確率で、今年の始値102.55円よりも大晦日は高い終値になるということです。終値が103円でも陽線ですから、あまり役に立たないかもしれませんが、100円を割り込む確率が低いといえます。

同じようなもので「月曜の法則」というのが2つあります。第一の法則は月曜の日足が、7割の確率でその週の週足と一致するというものです。第二の法則は、月曜の高値・安値はその週の高値・安値になる可能性が7割ある、というものです。

また、ドル・円の歴史では、これほどドルが落ちてきているのに4年連続で陰線ということはありませんでした。去年まで3年連続陰線だったわけですから今年は陽線になる可能性は高いということです。

グリーンスパンの思惑と金利上昇

アメリカの通貨政策で、注目しなくてはならないのはグリーンスパン米FRB議長の言動です。グリーンスパンは来年1月末にFRB議長職を辞める予定ですが、自分が辞める前に、何のバイアスもない中立的な環境を後任に託したいと思っているようです。まず政策金利は、昨年前半のような1.00%というのは異常な水準から、現在までに3.25%(2005年7月現在、8月現在では3.50%)まで引き上げ、あと4回0.25%ずつ引き上げて、4.25%付近まで上げると予想されています。

いまアメリカで問題なのは、住宅市場のバブルです。このままもし住宅市場が崩壊すれば、個人破産が大量に発生したり個人消費が落ち込んで不景気になります。グリーンスパンは、そういった負の遺産への対応を自分の後任に託したくないはずです。そういった意図があって、景気が良くても悪くても、政策金利を「慎重なペース」で引き上げてきました。ただ、政策金利を上げてはいるのですが、長期金利はほとんど上がっていませんので、住宅ローン金利もほとんど上がっていないわけです。グリーンスパンはそれを「謎だ」といいながらも、とにかく金利を上げ続けて、住宅バブルを軟着陸させようとしています。

自分が辞める前に住宅バブルをなんとかするというのであれば、0.25%というペースではなくて、0.50%の引き上げにするかもしれません。彼は1987年のFRB議長就任草々、相方のベーカー財務長官がドル安発言をしたために、ブラックマンデーという株式市場の暴落に遭遇させられた苦い経験を持っている人です。あの時のような難事を後任にはさせたくないということで、さらなる利上げで住宅バブルを根絶する方策をとる可能性がないとはいえません。ただし、これはアメリカの景気を失速させるリスクも孕んでいます。

財政政策もドル高を誘導

次はアメリカの財政政策の話です。2004年会計年度の財政赤字は史上最大規模の4122億ドルになりました。今年は、財政赤字削減に取り組んでいますから、6月までの財政赤字は2500億ドルほどです。アメリカの会計年度は9月までですから、今年度はだいたい3000億ドル程度に減少すると予想されます。

ブッシュ政権の財政政策の大きなテーマは、社会保障、年金制度改革です。年金制度改革が議会でなかなか承認されないので、滞っていますけれど、年金制度の移行には莫大なお金が必要になります。そのためにはアメリカはお金がない国ですから、海外から借りてこなくてはいけないわけです。10年間で、1兆ドル〜2兆ドル程度、借りてこなければいけないと試算されています。

借りる米国がドル安政策をしたり、金利が低かったりでは、誰もお金を貸してくれません。「貸してください、その代わり金利は高くします」「貸してくれたドルは安くしないようにします」と、年金制度改革からドル高・高金利政策という必然性が出てきます。金融政策、財政政策、為替政策が一体となって、ブッシュ政権はドル高政策を本音ベースで採用している可能性があります。

 

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