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セミナーレポート
ソニーバンク外貨預金セミナー 2005年夏

必ずお読みください 外貨預金の重要事項

フィスコ為替市場レポート・セミナー編
〜テクニカル・ファンダメンタルズからみた2005年後半〜

講師:山下政比呂氏
株式会社フィスコ リサーチマネージャー

ドルの長期下落トレンドが終わる可能性

ドル・円相場の長中期トレンド

株式会社フィスコで、為替のアナリストをさせていただいております山下と申します。今日の内容ですが、まずドル・円相場の俯瞰ということで長期的なドル・円の歴史を振り返りまして、その中で「アメリカの通貨政策」と「原油」の2つをポイントにします。その後で中国人民元、ユーロ、豪ドルなどその他の通貨の話をしたいと思います。

まず下のチャートを見ていただきますが、

ドル・円相場 長期

ドル・円相場は360円からの長期下落トレンドが継続中です。つまり変動相場制移行後、ずっとドル売りの時代が続いているわけです。この長期ドル下落トレンドラインを上抜ければ、ドルは上昇トレンドに転換する可能性が出てきます。長期トレンドラインは毎月57銭ずつ下っていまして、今月(2005年7月)の位置は1ドル=123.72円です。1ヶ月で57銭ですから1年間で6.80円の下落、来年の7月は116.92円に下りてきます。このトレンドラインを上抜けてくると、「ドル安トレンド」という今までの常識とは違った相場展開になる可能性が出てきます。

次は中期的なトレンドです。

ドル・円相場 中期

ここに三尊天井(ヘッド&ショルダーズ)と呼ばれる形状ができていて、2003年9月、ドバイで開催されたG-7財務相・中央銀行総裁会合をきっかけに115円を下抜けて売りの時代に入っています。この115円を下抜けた理由が、まさに中国人民元です。ドバイG-7で、ドルに固定されていた中国人民元への切り上げ圧力、「柔軟性」を求める声が高まり、ドル・円も円売り介入で「柔軟性」に欠けていましたので円高圧力が高まり、115円を下抜けて101円まで下落しました。115円の壁を上抜けていくには、中国人民元が為替市場でのドル売りの材料でなくなった時だといえます。

以上のように長期的にドル売り、中期的にもドル売りトレンドにあり、短期的にも135円から101円まで売られてきていますので、ドルは依然として売られている局面にあるということです。この大きなドル売りのきっかけになっていたのは、アメリカの通貨政策です。

過去切り下げで、常にドルは半分に

ドルというのはアメリカの通貨ですから、アメリカが強いドルを望む、あるいは、弱いドルを望むという通貨政策が、大きな影響を及ぼしてきました。1月の外貨預金セミナーでもお話したように、アメリカは過去3回ドルの切り下げをしています。そして3回ともドル・円相場は半分になりました。

1回目は1971年8月15日のニクソンショックでした。日本への警告的な意味を込めて、終戦記念日を選んだわけです。この時は360円から半分の175.50円まで下落しました。そしてドル安が進み過ぎますと、インフレとか、いろいろ弊害が出て来ますので、カーター大統領がドル防衛に乗り出し、ドルは下げ止まり、レーガン大統領のドル高政策により278円まで上昇しました。

2回目は1985年のプラザ合意です。対日貿易赤字是正を目的にドルが切り下げられ、ドル・円は240.00円から半分の120.25円まで下落しました。そしてまたドルを下げ過ぎるとインフレ懸念、株式市場が暴落する恐れが出てきたため、1987年2月のルーブル合意でドル下落を止めようとしましたが、間に合わずにその年の10月にブラックマンデーと呼ばれる株式市場の大暴落が起きるわけです。その後、ドル・円は120円台で下げ止まり、160円まで反転して行きました。

3回目はブッシュ(父)大統領の時です。1990年にドル・円が160.35円まで上昇した時、これ以上の円安は日米貿易不均衡を拡大させる恐れがあるとして、ブッシュ(父)大統領とクリントン第一次政権でドル安誘導を行いました。この時のドル・円も160.35円から半分の79.75円になり、ドル下落の弊害として、ドルを大量に保有していた中東諸国、アジア諸国の中銀あたりから「ドル離れ」の警告を受けたため、ルービン財務長官とグリーンスパンFRB議長の二人がクリントン大統領にドル高政策を進言しました。ドル・円は、79.75円を底値に、147円台まで反転して行きました。米国のドル政策は、このように、米国の貿易赤字削減を目指してドル安誘導を始め、インフレ懸念からドル安阻止に動き、ドル高政策に終る、といった「下げて、止めて、上げる」を繰り返し、ドル・円はその都度半分になってきた歴史があります。

今回、ドル・円が135円から101円まで下がりましたが、これはアメリカが積極的にドル安誘導をやったからではありません。2001年9月の米国同時多発テロをきっかけにアメリカの地政学的リスクが高まり、テロとの戦いで「双子の赤字」が史上最大規模に増大し、ドル離れが始まり、アメリカはそのドル離れを黙認してきたからです。

アメリカは、昨年までは「強いドル政策」をとる、と言いつつも、「ドルの価値は市場で決定される」として、市場でのドル売りを黙認してきたわけです。

安値を切ると、その幅だけ落ちる

ここで「安値を切ると、それまでの幅だけ落ちる」というテクニカルの基本的なパターンをご紹介します。ドル・円長期チャートの1978年10月から1982年10月までに注目してください。175.50円の安値から278.50円の高値まで103円上昇しています。そして1986年あたりで175.50円を下抜けていますが、こういった場合、175.50円から103円幅下落する可能性がある、ということです。

すなわち、175.50円−103円=72円程度までの下落が想定されたわけで、実際は79.75円まで下落しました。

次は120.25円(1988年1月)から160.35円(1990年4月)まで、40.10円幅上昇しているところを見てください。そして120.25円を下抜けた1992年あたりから、さらに40円幅で下がることが想定できますから、「120.25円-40.10=80.15円程度までの下落が想定され、実際は1995年4月に79.75円まで下落しました。

 

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