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セミナーレポート
ソニーバンク投資信託セミナー:2005年7月15日 中国株投資の魅力2

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“ファンドマネージャーに訊く”
〜人民元切り上げによる今後の影響について〜

司馬毅 氏

当セミナーが開催されたのが、7月15日です。そのちょうど一週間後の7月21日、実際に人民元の切り上げが行われました。そこで、三井住友アセットマネジメントのファンドマネージャー司馬毅氏に、人民元切り上げの影響について語っていただきました。(8月2日実施)

今回の人民元切り上げの内容

7月21日、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は、中国の通貨人民元の対米ドル管理フロート相場(実質的な米ドル固定相場)を停止し、複数の通貨で構成する通貨バスケットに連動する制度(通貨バスケット参照管理フロート相場)に切り替えると発表しました。人民元の対米ドルレートは従来の1米ドル8.276元から8.11元に約2%の切り上げとなりました。

新旧制度比較
新制度旧制度
対米ドル1USD=8.11元(7/21)1USD=8.27−8.28
通貨制度通貨バスケット参照管理フロート相場
・バスケット内の通貨構成比は公表されず
管理フロート相場(事実上の米ドル固定相場)
通貨変動幅(1日の変動幅)米ドル:基準±0.3%
その他通貨:別途通知予定
米ドル:基準±0.3%
円・香港ドル・ユーロ:±1%
制度上の変動幅はあるが実際の運営は0.3%の乖離がとられていない。
中国経済への影響

今回の人民元切り上げによる中国経済への影響は現時点では限定的と考えています。特に、輸出産業へのマイナス影響が指摘されていますが2%程度の切り上げでは実際の影響は限定的と考えられます。通年での実質GDP(国内総生産)への影響は、▲0.4%〜▲0.5%程度と想定されます。

通貨切り上げによって、中国製品の輸出価格が多少上昇するとしても、競合関係となるアジア諸国の通貨も対米ドルで強含むことが想定され、その競争力が大幅に低下するとは思われません。逆に、原材料や部品などを輸入している鉄鋼、石化や自動車業界などにはプラスの影響が予想されます。

中国からの輸出製品の価格上昇は、むしろ米国の小売業者のマージン縮小という形で現れております。また、人民元が上昇したからといって、即座に生産拠点をより低コストの国へシフトさせることは困難だと考えられます。

中国 実質GDP成長見通し
実績予想
2001年2002年2003年2004年2005年
前年比7.5%8.3%9.5%9.5%8.4〜8.8%
三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドへの影響

当ファンドは、90%程度を香港市場に上場している中国企業に投資しています。これら香港市場上場の中国企業にとっては、人民元切り上げはプラスの評価になると予想しています。なぜなら、香港ドルは引き続き米ドルとの固定相場が維持されるため、人民元の上昇は香港ドルに換算した利益が上昇することを意味しています。また、今回の切り上げは中長期的に人民元が国際通貨としてデビューする第一歩との見方がもっぱらで、向こう1、2年間人民元がさらに上昇する予想が大半を占めています。

現在、人民元の更なる切り上げ期待を背景に、海外から香港や中国市場への資金流入が続いています。たとえば、QFII*によるA株投資額は、投資上限額に達するほどです。株式市場全体でみると、「人民元切り上げ→輸入価格の低下→インフレの抑制→利上げ懸念が後退」と言ったようにマーケットに資金が流れやすい状況にあります。香港市場では、人民元建て資産をもつ不動産銘柄や人民元建てキャッシュフローが潤沢の通信や保険株は7月22日以降大幅に上昇しています。H株指数は2004年1月につけた5400Pの高値に接近しています。更に、S&Pによる中国の外貨債務の格付けがBBB+からA−に引き上げられたことも中国株式を購入しやすくなった理由のひとつです。

今回の人民元制度の柔軟化は、マクロ経済での影響は限定的であり、当面資金フロー面からはファンドにとってはプラス材料とみています。

今後の需要という面から考えても、アメリカは移民を含め、人口の増加基調が続いていて、かつ相対的に高い経済成長が見込まれていますので、現時点では、今後の成長性も十分高い見込みであると考えています。

*QFII(Qualified Foreign Institutional Investors):適格海外機関投資家

外貨流入の規制を行っている国で、海外の金融機関による自国の証券市場への資金投入を認めるもの。
中国では、2002年12月からQFIIによる人民元建て中国本土株(上海A株、深センA株)の売買を条件付き(投資期間や投資上限額を設けるなど)で開放した。QFIIの対象は、投資信託会社、保険会社、証券会社、その他資産管理機関とされている。

最後にファンドとは直接関係ないのですが、一部のマーケット関係者の間では、水や食料を中国本土から購入している香港にとって人民元切り上げはインフレ懸念の材料となることから、香港ドルを現在の米ドル固定相場から人民元固定相場に切り替わるかもしれない、との話もあります。

 

 

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