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第3章 為替相場の変動の仕組みとその要因
9. 外国為替相場の決定理論(1)購買力平価説
今まではより具体的な出来事から為替の変動について説明してきました。そして理屈だけでは為替相場は変動しないということが充分理解できたかと思います。しかし、外国為替市場変遷の歴史の中では為替相場の動きを理論付けるために数多くの為替決定理論が唱えられてきました。これらは古典派理論とも呼ばれ、実際には現実とのギャップも大きくなっており、相場予想としては利用しづらくなっているのも事実です。しかしながら、為替相場を理解するためにも必要な理論です。主なものとしてまずは購買力平価説を採り上げてみましょう。
「購買力平価説」は最近でも学説的なリポートや一部政治家の発言でたびたび引き合いに出されますが、外国為替相場は2国間の購買力の比率によって決定されるという説です。起源は1921年にスウェーデンの経済学者カッセルが発表したものであり、第一次世界大戦から戦後にかけて各国の物価が大きく変動したことが1920年代の外国為替相場に決定的な影響を与えたとし、購買力平価(PPP −Purchasing Power Parity)の概念を使って提唱した理論です。
また購買力平価にもいろいろあり、各々の算出の基準によって価格も異なってきます。
【絶対的購買力平価】
取引が自由に行なわれる市場では、同じ商品の価格は1つに決まる(一物一価の法則)を前提に、国内でも海外でも同じ商品の価格は同じ価格で取引されるので、2国間の為替相場は2国間の同じ商品を同じ価格にするように動き、均衡するという考え方です。たとえば、日本と米国の例を挙げると、米国の物価が日本より安ければ米国の製品を買う人が増え、お金の流れとしては日本から米ドルにお金が流れる(円安)、そしてその逆(円高)もあり得るということです。つまり、日本で100円である商品が米国で1米ドルであれば、1米ドル=100円で釣り合うという考え方です。
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【相対的購買力平価】
上記の絶対的購買平価説の基準となる一時点の絶対的な価値(購買力)を把握するのは難しいということから出てきた説で、現在ではこの算出方法が主流となっています。外国為替相場は2国における物価水準の変化率に連動するという考え方であり、正常な自由貿易が行なわれてきたときの外国為替相場を基準にして、その後の物価上昇率の変化から算出します。基準時点については(日米の場合)日米とも経常収支が均衡し、政治圧力もなく自然に外国為替取引が行なわれていたとされる1973年が選ばれることが多くなっています(1米ドル=約265円)。
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【ビッグマック指数】
このビッグマック指数という言葉をよく耳にしますが、これはイギリスの経済誌エコノミストが発表したことから始まったものです。マクドナルドが販売しているビッグマックの価格で各国の購買力を比較し、算出した購買力平価です。最近ではスターバックス指数、コカコーラマップなどの指数も発表されています。
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ちなみにGDPをベースとする絶対的購買力平価を採用しているOECDが発表した2004年の購買力平価は1米ドル=135円となっています。(2004年9月発表のOECDの対ドルの購買力平価から)

