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為替・金利レポート
市場を読む 為替マーケット講座

第3章 為替相場の変動の仕組みとその要因

7. 為替相場の決定要因となるその他の出来事

前々回、前回と為替相場の決定要因として経済指標を中心に解説をしてきました。しかし、為替相場を動かすのは経済的な要因だけではありません。突発的な出来事、つまり「サプライズ」が相場を大きく動かすことがたびたび起こります。その中で「選挙」「有事と戦争」「うわさ」「投機と仕掛け」などについて説明します。このような「サプライズ」状況下では予想外の乱高下も多く、プロの間でも特に「戦争」「選挙」相場には手を出すなとも言われます。

【選挙】

今年は米国大統領選挙の年でもあり、その前後の為替の動きも注目されています。「選挙」においては現職が勝てばその国の通貨買い、逆に負ければ通貨売りとなるのが一般的な市場の反応です。但し、当事者である党、政権の経済・為替政策を注目する必要があります。たとえば、今回の米国大統領選挙ではケリー陣営のホームページを見ると『日本は中国と並んで為替を操作している国』と指摘しており、ケリー政権は財政赤字の削減を図りつつ、経常赤字の是正を狙って米ドル安の容認に踏み切る可能性もあると読むこともできます。それに対して、ブッシュ現政権は日本との外交・安全保障を最重視しており、当面は極端な円高圧力をかけないのではと推測することができます。事前の情報収集が重要となります。

【有事と戦争】

さて、「戦争」などの有事が起こった時の市場の反応はどうでしょうか。かつての為替ディーラー達は「有事の米ドル買い」で反射的に反応していました。たとえば、1990年6月の天安門事件では隣国日本も中国の内乱の影響を受けるとの読みから円が対米ドルで急落しました。また、その後の1991年8月に旧ソ連のゴルバチョフ大統領が軟禁されたとの報道があった時には、ソ連の政変により国境を接しているドイツに影響が及ぶとして、ドイツマルクが対米ドルで急落しました。またその煽りを受け、円も対米ドルで弱含みとなりましたが、ドイツマルクほどではありませんでした。これらの動きを見てみると「有事の米ドル買い」ではなく、「(危険に直面している)当時国の通貨売り」とした方が正しいと言えます。2001年9月のニューヨークテロ事件、2003年3月のイラク戦争勃発時にも当事国である米国の米ドルが対ユーロなどで急落したのを見てもお分かりでしょう。

【うわさ】

相場の格言にも『BUY ON THE RUMOUR, SELL ON THE FACT (うわさで買って、事実確認で売れ)』とありますが、まさに「先んずれば人を制す」そのものです。「うわさ」で通貨が買われたり、売られたりする時は一般の個人投資家にとっては注意が必要です。情報を入手した時には既に相場が終わっている、つまり『織り込み済み』とされることがほとんどです。

【投機と仕掛け】

「投機と仕掛け」とは相場を煽り、巨額の資金によって人為的に市場を動かすことです。ヘッジファンドなどの投機筋は市場の取引高が減った時、多くの市場関係者の相場観が一致して持ち高が傾いた時、損切りの注文(ストップロス・オーダー)がある時を狙い、通貨オプションなどによってレバレッジを利かした巨額の資金を投じて相場を動かします。そして皆がパニックになって投げ売り、飛びつき買いとなった時に手仕舞う取引手法です。

いずれにせよこのような中では恐怖感が先行し、予想外に市場が乱高下することも多いため、よほどしっかりした相場勘を持っていなければ市場に飲み込まれてしまうことになります。

 

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