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第2部「ファンド・マネージャーに訊く!中国経済」司馬毅氏
聞き手:ソニー銀行 証券企画部GP GPリーダー 岡田哲行
「産業の川上」の強さを維持していく中国経済
- 現在の中国のインフラ整備や、「世界の工場」といわれる製造業の活況については、和泉さんとのお話の中でもありました。その後の将来イメージについてうかがわせてください。北京オリンピック(2008年)、上海万博(2010年)、そのあたりまでは製造関係でいけると思うのですが、その後というのは、どういった業種を注目されていますか。
- 司馬
- 中国全体の経済の仕組みから考えますと、川下よりは川上が問題です。石油産業が典型的なのですが、圧倒的に稼いでいるのは川上です。つまり原油精製といったところです。川下の化学製品などになると、輸入製品との競争が待っています。川下に行くほど儲からない仕組みになっている。こういった経済構造というのは、今後も大きくは変わらないと思っています。
長い目で見れば、消費というのがこれからのテーマだと思います。日本でいえばスーパーですとかリテールの部分です。しかしこれらの分野では投資対象となる企業がまだ少ないです。やはりインフラ、資源といった川上の方が、これからも有望だと現時点では思います。
- つまりオリンピックや万博ということとは関係なしに、中国の「川上」産業の成長は持続していくということですか。
- 司馬
- ええ、直接的には関係ありません。オリンピックは大きなイベントではありますが、業績的にどれぐらいの影響があるかというと、マスコミ等でいわれるほどではないと思っています。少なくとも我々にはそう大きくは見えないですね。
政府の国有株放出はマーケットの好機
- 今後のことでもう一点うかがいたいのですが、中国政府が将来、国有企業の株をマーケットに放出していくということが考えられます。それをどうマーケットが吸収するか、あるいはマーケットに与える影響という点でのご意見をお聞かせください。
- 司馬
- これは一般的に考えますと、マイナスの影響になります。マーケットにもそういった事に対する懸念は確かにあります。しかしこれもまた二面性ももっていまして、いまは国有企業株を大量に政府が保有しているために、マーケット全体の流動性が乏しいともいえるわけです。
典型的なのが。対談の最後にご紹介したMSCIインデックスです。いまほとんどの日本の年金はこれに準じて投資されているわけですが、アメリカのウエイトは54%、日本のウエイトは9.5%、そして中国のウエイトは0.5ぐらいしかありません。いま中国のGDPはグローバルGDPの約4.8%です。あるいは輸出の全体では8%ぐらいを占めています。なぜMSCIインデックスの割合が経済の実態よりも低いかといえば、マーケットで流通している浮動株のボリュームで計算しているからです。これが国有株を中国政府等が放出すれば、MSCIインデックスの中に中国のウエイトが増えるし、同時に資金が中国市場に流入してくる可能性も高くなります。
- あらためて司馬さんのお仕事のお話に戻ります。「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」は現在約470億円の純資産高があるわけですが、司馬さんがご自分で運用されていて、ちょうどいいサイズの資産というのはどれぐらいだとお考えですか。
- 司馬
- そうですね。よく中国はマーケットサイズが小さいということがいわれますが、香港のマーケットサイズが約94兆円です。TOPIXが360兆円ぐらいですね。現時点で我々が考えているのは、1千億円サイズぐらいまででしたら、運用がしやすいと思っています。もちろんマーケットがいまものすごく拡張しているような状況ですから、それによっては許容度も広がっていくかと思います。
- 和泉さんとの対談と合わせて、本日は中国全体の見方からさまざまな興味深い話題まで、幅広いお話をお聞かせいただきました。長時間にわたってありがとうございました。
第1部・前半『中国株投資事始め』和泉昭子氏
第1部・後半『中国株投資の魅力』 対談:和泉昭子氏、司馬毅氏
第2部「ファンド・マネージャーに訊く!中国経済」司馬毅氏
- 業種に注目し、さらに優良企業を選別
- リスク度合いの低い、安定した運用実績を
- 「産業の川上」の強さを維持していく中国経済

