MONEYKitトップ > from MONEYKit > 投信レポート > モーニングスター投資信託レポート 高成長を続ける新興国市場の魅力
新興国市場の魅力について
エマージング市場に投資する債券ファンドも2002年以降、大幅に上昇
モーニングスターが独自に分類した国際債券型ファンド(為替ヘッジあり)内で、過去5年間のトータルリターンを比較すると、BBB格以上でグローバルに分散投資する「グローバル」が年率2.8%だったのに対し、新興国などエマージング市場に分散投資する「エマージング」は8.6%と高いリターンをあげており、2002年後半以降、大幅に上昇しています。それまでは、1998年夏のロシア経済危機(※1)、2000年後半の通信・IT企業の業績悪化懸念、2001年9月の同時多発テロ、2002年半ばの企業会計不信(エンロンやワールドコム等)を受けて、信用力または格付の高い債券へ資金が逃避する現象「質への逃避(flight to quality)」の影響で、エマージング債市場は低迷しました。
しかし2002年後半以降は、景気回復に伴うデフォルト率(倒産リスク)の低下によって信用スプレッドが急速に縮小するなど、回復傾向にあります。とりわけ2003年は、米国の低金利政策、景気回復、企業財務の改善、デフォルト率の低下などにより、エマージング債市場は急騰しました。2004年4〜5月は米国金利の大幅な上昇を受け低迷しましたが、企業収益が依然として改善傾向にあることから、その後は再び上昇基調にあります。
- (※1)ロシア経済危機
ロシア政府は1998年8月、ルーブルの目標圏を大幅に引き下げ、民間銀行の対外債務の支払いを90日間凍結、年内に返済期限の来るルーブル建ての短期国債を新規国債に切り替える等の方針を一方的に打ち出しました。これをきっかけにして、世界的な金融危機が始まったとされています。
図(3)国際債券型ファンド(為替ヘッジあり)の平均値
中国への一極集中から他の新興諸国へ分散の兆候
直近の様々なデータを基にBRICs 内の相対評価(表A)をすると、GDP規模で現在、他の3カ国を合計した規模と同水準にある中国の優位性が目立ちます。実体経済でも突出した中国に資金が大量流入した2003年、香港H株は152.2%高(約2.5倍)と他を圧倒するパフォーマンスをあげました。しかしその後は、景気過熱感から他の主要市場に比べ低迷している一方、2004年はEU加盟に沸く東欧地域のほか、ブラジルやインドに資金が流れるなど、株式市場の関心は中国への一極集中から他の新興諸国へ分散しているようです(表B)。
なお、表AはあくまでBRICs内の相対評価であり、国民一人当たりの識字率や進学率を基にした「平均的教育水準」で最下位のインドの場合、ある特定層に限っては数学やIT関連分野では世界トップレベルの水準にあります。
| ブラジル | ロシア | インド | 中国 | |
|---|---|---|---|---|
| 格付け(国債) | × | 〇 | △ | ◎ |
| 政治の安定性 | △ | 〇 | × | ◎ |
| マクロ経済(物価・為替・財政) | × | 〇 | △ | ◎ |
| 貿易の自由化(関税障壁) | 〇 | ◎ | × | △ |
| 海外からの直接投資 | 〇 | × | △ | ◎ |
| エネルギー供給の安定性 | 〇 | ◎ | × | △ |
| 貯蓄率 | × | 〇 | △ | ◎ |
| 平均教育水準(識字・進学率) | 〇 | ◎ | × | △ |
| 潜在的技術力(研究者・論文・特許) | △ | ◎ | × | 〇 |
| 長期経済成長率 | × | △ | 〇 | ◎ |
| 人口増加 | 〇 | × | ◎ | △ |
| 労働生産性 | × | 〇 | △ | ◎ |
Moody', S&P, R&I, World Bank(World Development Indicators 2004), Goldman Sachs(Dreaming With BRICs: The Path to 2050)を参考にモーニングスター作成
表B BRICs及び主要株式市場の年間リターン
この情報は、モーニングスター社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
- 新興国市場の魅力について(1)
- 新興国市場の魅力について(2)
- 新興国市場の魅力について(3)
- 第二の巨大市場、インドへ投資
- 新興国のフロントランナー、中国へ投資
- 新興国へ分散投資

