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第2章 外国為替相場の仕組み
4. 顧客相場の決め方
第一章の第1章 外国為替の基礎知識の部分では外国為替市場にはインターバンク(銀行間)市場、対顧客市場があり、銀行同士や大口顧客に対する為替相場は最前線のインターバンクディーラーが直接建値をするという話をしました。それでは一般個人に対してはどのような為替相場が適用されるのでしょうか。銀行における米ドル/円の対顧客相場を例に挙げ、その詳細を解説してみましょう。
銀行はさまざまな顧客取引のために原則1日に1回対顧客相場を公示します。その中心となる相場を仲値(TTM)と呼びますが、午前10時頃の直物相場を基準に決定され、その仲値を中心値として各顧客相場の値決めがされます。【下記の表を参照】 特殊なケースとして、銀行間相場が仲値から1円以上変動した場合には1件10万米ドル以上の取引について市場連動性となり、その時々の銀行間相場に基づいて値決めされます。また2円以上変動すると仲値が再設定されることになります。
しかし最近では金融の自由化を受けて、上記のような旧来の形式ではなく、各金融機関は独自の基準で対顧客相場を設定するようになっています。たとえば、米ドル購入金額に応じて適用為替相場を優遇することはもちろんのこと、また通常は仲値に1円上乗せする(差し引く)為替売買手数料を50銭以下に優遇し、加えて原則1日1回公示する仲値も1日に数回変更する、もしくは直物相場を基に随時為替相場を提示する金融機関も見られます。
米ドルの現金を売買する時(Cash Selling/Buying)にはTTS/TTBにプラスして片道2円の手数料がかかりますが、それは海外からの米ドル現金を購入する輸送費、米ドル現金保管時の保険料、そして資金コスト(現金は利息を生まないため)などを含んでおりその手数料も高くなっています。米ドル以外の外貨については為替手数料、現金の売買における手数料は各々異なります。またトラベラーズ・チェック(TC)は購入する時にはTTSが適用されます(購入金額に対して紛失した時の保証を含めた1%の発行手数料が別途上乗せされます)。逆に海外旅行から持ち帰ったTC・外貨建て小切手を円に換える時は、発行銀行のものはTTBが、他行のものであればAt Sight Buying(一覧払い買い相場)が適用されます。このAt Sight Buyingとは、銀行が小切手を郵送するために必要な日数分の金利(*メール金利/Mail Interest)をTTBから差し引いた相場です。
*メール金利
外貨小切手を買い取る銀行は海外の支払い銀行に郵送してから現金を入金してもらうことになりますので、その郵便日数分(約12日分)の金利コストがかかります。それをメール金利と呼び、為替レートに換算されて手数料としてTTBから差し引かれます。


