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第2章 外国為替相場の仕組み
3. クロスレートとその計算方法とは
第1章 外国為替の基礎知識の第4回の「円安、円高とは」の部分では、外国為替市場では各通貨は対円で取引されているのではなく、1米ドル=120円、1ユーロ=1.20米ドル、1英ポンド=1.80米ドル、1豪ドル=0.70米ドルというように対米ドルで取引されるのが一般的であるとお話しました。しかし欧州ではユーロ/英ポンド、ユーロ/スイスフランなどのような米ドルを介さない通貨間の取引相場も存在しており、通貨間の為替相場は別途計算の上で建値がされています。このように対米ドルを介さない通貨間の為替相場のことをクロスレートと呼びます。日本では当たり前に使われている豪ドル/円、英ポンド/円、カナダドル/円相場などもクロス(円)レートであり、実際には米ドルを介した各取引通貨の為替相場から計算して建値がされているものです。ユーロ/円も米ドル/円と同様、世界の取引相場として確固たる地位を持っているようにも見えますが、実際にはユーロ/米ドル、米ドル/円の各相場から算出されている取引相場です。
さて、現在クロスレートはコンピュータによって表示されてしまっているのですが、実際にはどのように計算されるのでしょうか。ここではユーロ/円相場とカナダドル/円相場を例に挙げて、簡単に解説してみましょう。
ユーロ/円相場
・1米ドル= 110円10銭(買値/ビッド)−20銭(売値/オファー)
・1ユーロ= 1.2010米ドル(買い/ビッド)−20米ドル(売り/オファー)
⇒ 買値 1ユーロ=110円10銭×1.2010米ドル=132円23銭
⇒ 売値 1ユーロ=110円20銭×1.2020米ドル=132円46銭
★小数点第3位以下四捨五入
カナダドルは、1米ドル=何円という米ドル/円相場と同様、1米ドル=何カナダドルというように米ドルが基軸となっています。したがって、カナダドル/円相場の建値をするためには、下記の計算式のように米ドル/円の買値(売値)を米ドル/カナダドルの売値(買値)で割って算出します。そして上記の「掛け算通貨」に対して、割り算で算出する通貨を「割り算通貨」とも呼びます。カナダドル以外にスイスフランも「割り算通貨」となります。
カナダドル/円相場
・1米ドル= 110円10銭(買値/ビッド)−20銭(売値/オファー)
・1米ドル= 1.3010カナダドル(買値/ビッド)−20カナダドル(売値/オファー)
⇒ 買値 1カナダドル=110円10銭 ÷ 1.3020カナダドル=84円56銭
⇒ 売値 1カナダドル=110円20銭 ÷ 1.3010カナダドル=84円70銭
★小数点第3位以下四捨五入
欧州統一通貨ユーロ創設により、世界ではクロスレートを必要とする機会は確実に減っています。しかし、我々日本人としては、身近に使っている各通貨のクロス(円)レートが各通貨の対米ドル相場から算出され、そしてその変動も各通貨の対米ドル相場から大きな影響を受けるという第2章 外国為替相場の仕組みを知っておくことが重要です。
第1章 外国為替の基礎知識
第2章 外国為替相場の仕組み
- 1. 直物相場と先物相場
- 2. 直先スプレッド(スワップレート)、先物相場の算出方法
- 3. クロスレートとその計算方法とは
- 4. 顧客相場の決め方
- 5. 通貨オプションと通貨スワップ

