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為替・金利レポート
市場を読む 為替マーケット講座

第2章 外国為替相場の仕組み

1. 直物相場と先物相場

新聞の経済欄や外国為替関連記事などでは『直物(じきもの)』、『先物(さきもの)』という用語を良く目にします。テレビ、新聞では「ロンドン市場では米ドル円相場は1米ドル=110円10〜20銭で推移している」などと報道されますが、その為替レートは銀行間で取引されている直物相場であり、これは「私(うちの銀行)は1米ドルを110円10銭で買いますよ、110円20銭で売りますよ」ということを意味しています。一般的にはテレビ、新聞紙上で使われる為替相場は直物相場です。それでは直物、先物などは一体どのような基準で分類されているのでしょうか。

日本経済新聞紙上の外国為替市場欄でも、直物相場、そして何月渡しと表示されている対顧客米ドル円の先物相場の売り値/買い値が掲載されています。それらは外国為替取引の契約が成された日(Contract date)から起算して、いつ通貨の受け渡し(円と外貨の交換)が行なわれるかによって分類されます。

契約日から2営業日目に受け渡しするものを直物(スポット/Spot)と呼び、それに対して、2営業日目以降の受け渡しをするもの、たとえば2営業日から起算して何日、何週間、何ヵ月後というように先の受け渡しをするものを先物(フォワード/Forward)と呼びます。通常、先物相場は1ヶ月物、6ヶ月物などのように月単位の参考価格が提示されていますが、実際には顧客の必要に応じて受け渡し日を自由(土、日、祝祭日以外)に設定することが可能であり、適用される為替相場は受け渡し日によって異なります。そしてその為替レートは取引の契約日に確定し、受け渡し日までは資金が移動することはありません。

また、直物、先物以外の特別なものとして、契約日の当日に受け渡しするものを当日物(とうじつもの)、翌日に受け渡しするものは翌日物(よくじつもの)があります。ちなみに銀行の店頭でTTS/TTBを使った個人顧客との通貨売買などは直物受け渡しとして処理されていることもありますが、厳密には契約日の即日取引として当日物となります。また、本為替マーケット基礎講座第三回目の「現場の外国為替取引(ディーリング)とは」の<参考>の注釈でも触れましたが、受け渡し日のことをバリューデート(Value date)と呼ぶことも覚えておいた方が良いでしょう。

さて、最近は企業の外貨建て決済においてだけでなく、個人が購入する外貨預金や外貨建て投資信託商品の商品説明のパンフレットにも、*為替ヘッジあり・なし、為替(先物)予約という用語を頻繁に目にします。為替ヘッジをするひとつの手法が為替(先物)予約ですが、これは将来外貨建て債務、債権が発生する決済日を受け渡し日として為替(先物)取引すること、すなわち輸入企業であれば将来の決済日に円売り/外貨買い、また輸出企業であれば将来の決済日に円買い/外貨売りをして為替変動リスクを回避する取引です。為替先物取引は一部では投機的な取引として利用されていますが、通貨オプション・通貨スワップ取引同様に、輸出(輸入)企業が将来の外貨決済時期における為替変動リスクを避ける手段として重要な役割を果たしています。その先物相場の決め方については次回詳しく説明したいと思います。

*為替ヘッジ
英語では「Hedge」は垣根のことを指しますが、ここでの為替ヘッジとは為替変動リスクに対して壁を作る、つまり為替損失を防ぐと意味で使われています。

 

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