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よく分かる住宅ローン講座:金利編 金利が分かると変わる住宅ローン選び

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Chapter 6:まとめ・住宅ローンの疑問にお答えします

まとめ

最終回となる今回は、これまで皆さんから寄せられたご質問にお答えします。たくさんのご質問をいただき、そのすべてにお答えすることができないのは申し訳ありませんが、金利に関することで代表的な内容を選んでみました。住宅ローン選びには様々な要素があり、資金やライフプラン、考え方によってふさわしい商品プランも違うため一律にこうしなさいという方程式がありませんが、今回はテーマを金利に絞ったことで、みなさんのご質問もより具体的で、理解が深まったことがうかがえます。

住宅ローンにさまざまな新商品やサービスが登場し、さらにこれだけの低金利が当分続くとなれば、やはり勉強をした人としなかった人とでは差が明確に出ます。この講座を今読まれた方は、金利に強くなるということが、利率という数字にだけとらわれることではないことが分かったと思います。金融機関の金利競争が進めば、金利自体はほとんど一緒になるでしょう。ですから入り口だけを気にしてみてもだめです。そこから先、いかにコストがかからず、便利に使える住宅ローンなのか、そういったポイントを見てほしいと思います。そのためには保証料や、繰り上げ返済や金利タイプの切り換え時の手数料などさまざまなコストを金利に換算してみることをお勧めします。

また、いま既に住宅ローンを借りていらっしゃる方も、返済額を抑えたいと思うのなら、面倒くさがらないことです。借り換えに必要なコストを考慮して含んでも、大雑把にいってローン残額が1千万円以上、返済期間が10年以上、現在の住宅ローンと比較して金利差が1%以上という3点セットが揃っていたら、ほとんどの場合で借り換えをしたほうが得なはずです。3つが揃っていなくても、検討の価値は十分あるでしょう。

ところで、皆さんのご家庭は、買い物に出かけた時、ご夫婦のどちらが時間をかけますか?

たくさんのお店を歩き回って、自分の欲しいもの納得いくまで探される方は、たいていの場合、奥様の方でしょう。一方男性の方は、いろいろ見て回るのが面倒になって、店員に勧められると「そういうなら、こっちがいいんだろう」と決めてしまう方が多いですよね。住宅ローンは分からなかった時や、まだ検討が足りないと感じたときは、一回ブレーキをかけるぐらいがちょうどいいんです。ご夫婦のどちらがお金を握っているかだけでなく、どちらの方がより慎重でねばり強い性格か、改めて考えてから検討にのぞんでください。きっといい結果が生まれると思いますよ。学べば、知れば、それだけ差がつく、住宅ローンはそういう時代になったんです。

住宅ローンの疑問にお答えします

現在の住宅ローン減税の制度について、簡単に教えてください。

住宅ローン減税(以下「住宅ローン控除」という)は、銀行や住宅金融公庫などから住宅ローンを借りてマイホームを購入した人、リフォームした人が一定の条件を満たすことができれば、住宅ローン控除(正式名称「住宅借入金等特別控除」)を受けることができます。

控除が利用できる主な要件は、住宅ローンの返済期間(契約時から完済時まで)は10年以上でなければならない。購入後6ヵ月以内に入居してから、その年(今年であれば平成17年12月末)まで住んでいなければならない。中古住宅の場合には、マンションなどの耐火建築物が25年以内、それ以外は20年以内の築年数であること。リフォームの場合には、工事費用が100万円超(年末のローン残高が100万円以下でも可)である、などとなっています。また収入面でも、年間所得が3,000万円以下でなければ住宅ローン控除を利用することはできません。

控除される期間は居住年から最大10年にわたり、控除される金額は平成17年中に入居した場合、年末のローン残高(控除対象のローン残高の上限は4,000万円)の1%、最高40万円(1年目から8年目)9年目及び10年目は残高の0.5%、最高20万円、合計360万円となっています。会社員なら1年目は確定申告をする必要がありますが、2年目以降は勤務先の年末調整でOKです。

なお、平成18年以降は段階的に控除額が縮小される予定です(下図参照)。

居住年平成17年平成18年平成19年平成20年
控除対象のローン残高の上限4,000万円3,000万円2,500万円2,000万円
控除率 1年〜8年目まで1%
9・10年目は0.5%
1年〜7年目まで1%
8年〜10年目は0.5%
1年〜6年目まで1%
7年〜10年目は0.5%
1年〜6年目まで1%
7年〜10年目は0.5%
最高控除額360万円255万円200万円160万円
控除対象期間居住年から最大10年間
ボーナス併用型ローンでボーナス返済分を繰り上げ返済し、月々の返済分が10年以上残っている場合は継続して減税は受けられますか?

住宅ローン控除を利用する場合の条件の1つに、「ローンの返済期間が10年以上でなければならない」というものがあります。今まで住宅ローン控除を利用していた人でも、それ以降、繰り上げ返済をして返済期間が10年を切ってしまうと、その年の所得税からは控除が受けられなくなります。ただし、返済期間が10年以上というのは、返済期間の残りが10年以上というわけではなく、「既に返済した期間とこれから返済する期間を足して10年以上ある」こととなっています。ご質問では、ボーナス返済分を繰り上げ返済で完済されて、月々の返済分が10年以上あるということですから、当然ながら住宅ローン控除を継続して受けることができます。

「繰り上げ返済」について

繰り上げ返済で支払期間を減らすことと、毎月の支払金額を減らすことがあると聞いたのですが、それぞれのメリットとデメリットを教えてください。

ご質問のように繰り上げ返済には支払期間を短くすることができる「期間短縮型」と毎月の支払金額を減らすことができる「返済額軽減型」の2つがあります(図参照)。繰り上げ返済は前倒しで元本を返済していくために、前倒しで返済した元本部分にかかる利息額を支払わなくて済むことになり、結果として総返済額を少なくする効果が得られます。期間短縮型は、繰り上げ返済をすることにより総返済期間が短くなることになります。返済期間は短くなりますが毎月の返済額は変わることはないため、返済がすべて終わったときに「意外と早く返済することができたな」と実感できるはずです。ただし、住宅金融公庫などの段階金利を採用している住宅ローンでは、期間短縮型を利用すると翌月の返済額が段階金利後の返済額となってしまい、翌月からの返済額がアップしてしまうこともあります。期間短縮型では翌月の返済額からすぐに効果が出るものではありません。預貯金の残高は減ったのに、毎月の住宅ローンの負担は変わらないという精神的な、あるいは毎月の収支バランスに軽減を望みにくいというデメリットがあります。

一方、返済額軽減型は速効性のある繰り上げ返済です。返済期間は変わることはありませんが、毎月の返済額が翌月から減ることになりますので月々の収支バランスの軽減効果が目に見える形で現れます。精神的、毎月の収支という点では、断然「返済額軽減型」の方がメリットを感じることでしょう。ただし、利息の軽減効果だけを見ると期間短縮型の方が、利息の軽減効果が高くなり総返済額を少なく済ませることができます。どちらの方法を利用するかは住宅ローンを借りている人の自由ですが、利息の軽減効果だけを見て期間短縮型を選ぶのは感心しません。毎月の収支バランスや将来のライフプランを見据えて、余裕があるのであれば期間短縮型を、収支バランスがギリギリ、あるいはややきつい方であれば返済額軽減型を選ばれるとよいはずです。

繰り上げ返済した場合の返済金額と返済期間の差

借り入れ年数は短いほど良いと思いますが、返済を考えると期間は長く設定しがちです。そこで早期に繰り上げ返済に必要な手数料もローンの選択肢の一つに加えるべきだと思いますが、いかがでしょうか?

住宅ローンを借りる場合には、どうしても金利や月々の返済額などに目が行きがちです。しかしながら住宅ローンは、借りるときだけではなく、返済が無事終了するまで気を抜くことができないものです。したがって、借りた後の見直しなどがしやすい、あるいは繰り上げ返済などの諸手数料が安いということも住宅ローンを選択するうえでの大切なポイントになります。

ご質問のように、今住宅ローンを借りるのであれば、頭金をたくさん入れて借入額を少なくし、返済期間を短くするのがセオリーになります。ところが、何らかの事情で今は頭金をたくさん入れることはできないが、1年あるいは2年後くらいには、まとまったお金が入るので繰り上げ返済に回すことができるというケースもありえます。

月々の返済額を増やしたくない場合には返済期間を長くするしかありませんが、予定通りまとまったお金が入れば、期間短縮型の繰り上げ返済をして返済期間を短くするという方法も考えられます。この方法だと、借り入れ当初から家計に無理のない返済額でマイホームを購入することができ、しかも繰り上げ返済により短い返済期間で借りたと同じ効果を得ることができるはずです。このような方法を取る場合には、ソニーバンクの住宅ローンのように繰り上げ返済のしやすさ、繰り上げ返済にかかる手数料の安さなども住宅ローンを選ぶ際の大切なポイントになります。

住宅ローンを二つ抱えています。残金350万円と2,000万円ですが、今回350万円くらいを繰り上げ返済しようと思っています。どちらに返そうか悩んでいます。350万円のほうは金利2.5%で残り4年くらい、2,000万円の方は2年固定の2%で残り13年くらいです。当然2,000万円のほうがいいと思うのですが、350万円のほうを完済すると、月々の支払いが減るので気持ちが楽になるような気もします。

本来であれば、金利は低くても残金が大きく、返済期間の長い2,000万円の契約を繰り上げ返済したほうが効果が高いはずです。住宅ローンの利息というのは残金に対してかかるため、350万円×2.5%÷12ヵ月=約7,291円、2,000万円×2%÷12ヵ月=約33,333円となり、1ヵ月あたりの返済額に対する利息部分は断然2,000万円のほうが大きくなります。セオリーから言えば、2,000万円のほうを繰り上げ返済したほうが利息軽減効果は高いと思われます。さらに2,000万円の契約は2年固定なので、2年後は金利が上昇することも考えられます。残金が多いほど金利上昇のリスクも高くなりますので、金利上昇リスクからも2,000万円の契約を繰り上げ返済したほうがよいでしょう。

ただし、精神的な負担を考えるのであれば、350万円の契約を完済してしまえば、1つの契約が終了したという達成感と、翌月からの返済額が減少する(家計の負担が軽くなる)という、目に見えた効果が実感できるはずです。ご質問からは今後のキャッシュフローが見えないのですが、もし家計の収支バランスがギリギリであれば、キュッシュフローの改善を優先させる350万円の契約を完済したほうがすっきりするかもしれませんね。

繰り返しますが、セオリーから言えば2,000万円の契約ですが、350万円の契約を完済させた後、さらに数年後にも繰り上げ返済ができるのであれば、今は精神的な満足感の高い350万円の完済でもよいと思われます。5年ぐらい先までのキャッシュフローを考えて、どちらがよいのか選ぶとよいでしょう。

「借り換え」について

2003年8月に長期金利が上がると思い、都市銀行の35年2.98%固定金利で住宅ローンを組みました。ところが、この低金利が今も続き、同銀行では、販売不動産業者が「提携なので特別に0.7%安くできる」といったサービスを現在もキャンペーン中です。
私は長期固定にしたことを後悔し、短期低金利に変更したいと問い合わせたところ、「同銀行ですでに借り入れをしている人の借り換えはできない」と断られてしまいました。他の銀行でもさらに安い金利で貸し出している広告を目にしますが、借り換えをしたほうが良い?

金利が将来的どう動くかを予想するのは、プロといえども常に的中させることは至難のワザです。長期金利が上昇すると思い、長期の固定金利で住宅ローンを組まれたことは、ベストの選択です。しかも、35年間で2.98%というのは、かなりうまい借り方をしたな!と筆者は感心しております。

確かに、ご質問の方が住宅ローンを借りた後に長期金利は上昇しましたが、再度低下してまた超低金利で横ばいが続いています。民間金融機関はこぞって低金利の住宅ローンを期間限定で取り扱っていますが、筆者は短期固定の低金利に借り換えるのはあまりお勧めしません。現在の住宅ローンの残金は分かりませんが、返済期間は残り33年あるはずです。33年間、現在の超低金利が続いてくれれば良いですが、その間に景気が良くなることがあれば当然ながら長期金利は高くなるはずです。短期固定の低金利は、目先は魅力的ですが、金利が一度上昇すると返済額にストレートに反映されてしまいます。その時に、子どもの教育費負担が重くなっていたり、収入が減っていたりなどというキャッシュフローが激変していたりすれば、あっという間に赤字家計にまっしぐらとなる可能性もあります。住宅ローンは目先の金利や返済額ではなく、完済するまでのキャッシュフローやライフイベントを鑑みたうえで選択するべきです。

少なくとも現在の住宅ローンは、完済まで月々の返済額が見えているため、返済プランが立てやすいはずです。しかも、長期金利の上昇などによる返済額が変更となるリスクはありません。金利が低下した場合には損をしてしまう可能性があるかもしれませんが、その時に長期固定(完済まで)の低金利住宅ローンがあれば、借り換えを考えればよいはずです。

今、短期固定の低金利住宅ローンに借り換えるのであれば、借り換えと同時、あるいは短期固定の金利が見直されるときに、かなりのまとまった額で繰り上げ返済ができるという条件を付けさせていただきたいです。または、完済時まで金利が変わらない長期固定金利住宅ローンで、借り換え手数料を支払っても総返済額が減少する住宅ローンがあれば借り換えをしてもよいでしょう。これらの条件があてはまらないのであれば、借り換えという冒険は慎んだほうがよい気がしてなりません。

「提携ローン」について

マンション購入にはマンション提携ローンしかだめだと言われていますが、それを受け入れるしかないのでしょうか? 個人的には提携ローンではなく「フラット35」を考えているのですが、アドバイスをいただけないでしょうか。

マンション購入では、マンション提携ローンしか利用できないわけではありません。全てのマンションに適用できるかは分かりませんが、筆者が調べたマンションなどは、提携ローン以外でも可能だと言われました。ただし、借り入れができる住宅ローンは自分で捜してくること、手続きなども全て自分でやる必要があるということです。また、新築マンションの場合には、購入代金(頭金、残金=住宅ローン)の支払い方法に販売業者のタイムスケジュールがあり、そのプランに合わせた借入れができるという条件も付け加えられるはずです。条件を満たして、手続きなどを行うのも苦にならないというのであれば、ご自身の納得のいく住宅ローンを借りたほうがよいと思われます。

ちなみに「フラット35」という住宅ローンの概要を述べさせていただくと、フラット35は、住宅金融公庫がバックアップする、民間金融機関の長期固定金利型住宅ローンのことです。返済期間は最長35年で、借り入れたときの金利が返済終了時まで変わることはありません。住宅の建設費用や購入費用の80%、最高5,000万円(8,000万円まで増額予定)まで借り入れることができます。借入期間は20年(15年に緩和予定)以上35年以内(1年単位)または、完済時の年齢が80歳となるまでの年数のいずれか短い期間となっています。通常の住宅ローンで必要になる保証料が必要なく、抵当権設定時の登録免許税も必要ありません。返済期間中の繰り上げ返済や契約条件の変更を行う場合の手数料も一切かかりません。取扱いは各金融機関となっていますが、金利については各金融機関が独自に設定することになっています。

 

深野康彦(ふかの やすひこ)

有限会社ワイズマネジメント取締役 日本ファイナンシャルプランナーズ協会認定講師。個人の資産運用に関するコンサルティングや各メディアへマネー情報や金融データなどを発信している。著書に「なぜか「お金に困らない人」40の習慣」など。ラジオNIKKEI「ファイナンシャルBOX」木曜日、「プレシャスマネーライフ」のパーソナリティーも務めている。

この記事はアサヒ・コム広告特集として2005年1月17日から3月31日に掲載したものを収録したものです。金利その他の数字、情報はすべて掲載当時のものです。

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