MONEYKitトップ > from MONEYKit > ローン情報 > よく分かる住宅ローン講座:金利編 金利が分かると変わる住宅ローン選び
Chapter 5:リスクの分散化
複数の金利をミックスする
いまの金利水準は非常に低いですから、目先のことだけを考えれば変動金利はとても得に思えます。しかしその一方で、将来、金利が上がった場合には返済額が増えるというリスクがあります。そのリスクをできるだけ防ぐにはどうしたらいいか。今回注目していただきたいのは、金利タイプの違うローンをミックスして利用することで、リスクを分散するという方法です。
変動金利と固定金利がもつ、それぞれのメリットとデメリットをおさらいしましょう。変動金利型はいまの低金利状況が続けば相対的に有利ですが、この先もし市場金利が上がれば返済額が増えてしまいます。その反対に固定金利型は、固定期間中に市場金利が上がってもその影響は受けず返済額は変わりませんが、もし市場金利が下がってもそのメリットを受けられません。このような性格の異なる金利タイプを組み合わせることで、将来の市場変動が及ぼすかもしれないリスクを分散することができるわけです。
これまで複数金利のミックスといえば、住宅金融公庫などの長期固定金利型の公庫ローンを軸として利用し、その借入限度枠を超えた部分で変動金利型あるいは短期固定金利型の民間ローンを組み合わせる方法が一般的でした。ただし、Chapter 1でも触れたとおり、住宅金融公庫は2006年度末までに廃止され、業務を引き継ぐ新しい独立行政法人が直接融資を続けるかどうかはこれからの論議となっています。
次に、金利タイプの違う2つの民間ローンを利用するというという方法があります。最近は信用金庫や民間の銀行などから、長期固定金利の住宅ローンが登場しており、利用者の選択肢が増えました。複数の住宅ローンを組む場合は、手数料などの諸費用がトータルでどれぐらいかかるかをしっかり計算しなくてはなりませんし、手続きに面倒な部分もありますが、やはりその方が有利だというなら、労を惜しむのは損です。たとえばソニー銀行からはひとつの住宅ローンの金利を複数の金利タイプや、複数の固定金利期間でミックスできる「部分固定金利特約」というサービスが登場するなど、戦略的で多様なリスクヘッジができるようになっています。

変動金利、運用のアドバイス

金利タイプのミックスでリスクをヘッジするなら、変動金利と固定金利をフィフティ・フィフティで分けることが基本の考え方です。
リスク分散の効果というのは、性格の違うものの組み合わせで出てきます。ですから変動が5割、固定が5割でも、固定金利の期間が2年ではあまりヘッジにはなっていません。リスク分散をはかるなら、固定金利は10年以上のなるべく長期にしてください。リスク分散は分ければ分けるほどいいと思っていらっしゃる方がいますが、それではかえって効果が期待できません。

基本が定まったら、さあそこからは各自の戦略です。その際の考え方は大きく二つ。第一に、この先の景気をどう見るか。第二に、家族のキャッシュフローがどう動く予定か。
もし景気がよくならない、つまり金利が上がらないと思ったらたとえば金利動向に連動している変動金利を7、固定金利を3にしてみるという考え方もできますよね。また、これまでは共働きだったけれど、奥さんが仕事を辞めるのでキャッシュフローが減るというのであれば、金利動向に左右されない固定金利の割合を増やして金利変動のリスクを減らした方がいいでしょう。キャッシュフローをみる場合は、収入面だけではなく、社会保険料の値上がりや減税措置の廃止など家計から引かれるものの影響の変化にも気を配ってください。
ソニーバンクの場合、固定金利を3タイプまでミックスすることができます。このサービスを使ってさらに戦略的な借り方ができます。ベースは長期の固定金利、これはあまり動かさないものです。もうひとつの固定金利は、キャシュフローの変化に対応するための短期のタイプです。たとえば奥さんが産休を取るけれど、3年後には会社に復帰する予定だとします。3年後にはまたキャッシュフローが増えて金利の対応能力も増えるはずですから、固定金利の何割かを3年の短期にしておいて、3年後の金利水準を見てその分を変動金利にスイッチできるようにしておく。こんな戦略も考えられます。
ところで金利というのは、実際に上がった場合、どこまで上がるのかが見えないというのが不安なところですよね。でも借り入れ金利が上がった場合は、運用金利も上がっています。預金があればその分の利息で、ある程度は相殺できます。借り入れもあるけれどストックもあるはずですから、むやみに心配をせず、収支全体でどれだけリスクをこうむるかを冷静に考えてください。
固定金利型の人のメンテナンス
さて次は、一度決めたミックスの割合をどう動かして、どうメンテナンスしていくかです。まず景気の見方、今後の金利状況がどうなるかの見方です。変動金利のベースである短期金利は日本銀行の金融政策に帰属していますから、そこに注視しておけば当座はいいですね。いまの日本銀行の金利政策は簡単にいえばゼロ金利政策、消費者物価が恒常的にゼロ%以上にならなくては金利は上がらない。だから消費者物価の推移や、新聞などで日銀総裁の会見内容をチェックしておけばいいということです。これについてはChapter2で詳しくお話したので、改めて読み返してみてください。
次に皆さんご自身のライフプランやキャッシュフローのチェックです。今回は住宅ローンをマラソンに例えましたが、マラソンだって給水ポイントが1kmごとにあるわけではありません。メンテナンスといっても、5年ごとぐらいの大きなスパンで見直せばいいと思います。あとは我が家に何か大きなイベントがあった場合ですね。たとえばお子さんが大学を卒業されて教育費がかからなくなるとか、旦那さんが転職して収入が大きく変化するとか。そういった場合には、もちろん見直した方がいいですが、あまりこまめにやる必要はありません。きっと皆さんが考えているよりは、簡単なはずです。
この記事はアサヒ・コム広告特集として2005年1月17日から3月31日に掲載したものを収録したものです。金利その他の数字、情報はすべて掲載当時のものです。
- Chapter 1:住宅ローンを取り巻く環境
- Chapter 2:金利に強くなろう(1)
- Chapter 3:金利に強くなろう(2)
- Chapter 4:金利の上昇にどう対応するのか
- Chapter 5:リスクの分散化
- Chapter 6:まとめ・住宅ローンの疑問にお答えします

