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第1章 外国為替の基礎知識
2. 市場には誰が参加しているのか、また外国為替ディーラーとは?
前回は外国為替市場についてのお話をさせていただきました。今回はその市場参加者とは誰なのか、また外国為替ディーラーとはどのような人たちなのかについて解説したいと思います。
金融ビッグバンのフロントランナーとされる1998年4月の新外為法施行によって外国為替業務が自由化され、個人も含め、さまざまな人たちが間接的にでも外国為替市場に参入することが可能となりました。もちろんその中の主役は外貨決済業務が可能な国内外の銀行であることには変わりがありません。顧客サイドとしては、外貨決済を必要とする輸出入企業/商社、巨額の外債投資や為替ヘッジ取引をする生命保険会社を代表とする機関投資家、企業間の資本取引や最近では個人向け外債/外貨建てMMF販売からの外貨売買が急増している証券会社などが主な参加者として挙げられます。そして最近は少しおとなしくなっているようですが、ヘッジファンドのようなスペキュレーター(投機筋)、特殊なところで、最近巨額介入を行った日本銀行なども大口の市場参加者と言うことができます。
それでは、外国為替ディーラーとはどのような人たちのことを指すのでしょうか。新外為法施行以前は外国為替取引を行なう際には必ず外国為替公認銀行制度で認可された外国為替銀行を通さなければならないという「為銀制度」があり、プロフェッショナルの市場と位置づけられている1)インターバンク(銀行間)市場と、2)対顧客取引市場とが明確に分かれていました。したがって、直接インターバンク市場に参加できる銀行のディーラー、そしてその中でも外資系銀行・日系銀行などでプロとして為替取引に従事している一握りの人たちのことを外国為替ディーラーと呼ぶのが一般的でした。しかし、最近では、自由化の波を受けてか、銀行間の仲介業務を行っている為替ブローカー、個人向けの外国為替証拠金取引に携わっている人たちなども含めて、広義に外国為替ディーラーと呼ぶようになっているようです。
さて、銀行の外国為替ディーリングチームは、主にインターバンク、顧客担当、ポジションテーカー(プロップトレーダー)、フォワード部門などに分かれています。インターバンクディーラーはデイトレーダーとも揶揄されますが、チームの中では最前線に位置し、顧客だけでなく、銀行間の直接取引/支店からの売買注文/取引をすべて引き受けることになります。プロとしての技かつスピードも要求され、また非常に激職であるために年齢的には35歳程度が限界といわれています。顧客担当為替ディーラーは名前の通り、直接大口顧客に相場などの情報を提供し、売買注文を受けます。また大口顧客からだけでなく、各支店から上がってくる個人の外貨売買もこの部門を通してインターバンクチームにつなぐことになります。それ以外にポジションテーカーというアウトロー的なディーラーがおり、自己勘定の通貨売買を繰り返すことによって収益を上げるのが日課となります。また今回は詳しく説明しませんが、フォワードディーラー、また最近では脚光を浴びている通貨オプション/スワップを担当するデリバティブ担当のディーラーもチームの一員となっており、これら全員が一丸となって、チームの収益目標を達成するために戦いを演じることになります。しかし、1999年の欧州統一通貨ユーロの創設による世界的な為替取引高の低下の影響もあり、1990年代には90行以上あった在日外資系銀行も日本撤退、合併などを繰り返し、外国為替取引を行っている銀行も数えるほどしか残っていません。かつては花形職と言われ、ピーク時には2,000人ほどいた銀行の外国為替ディーラーの数も激減してしまっているのが現状です。
第1章 外国為替の基礎知識
- 1. 外国為替市場とは
- 2. 市場には誰が参加しているのか、また外国為替ディーラーとは?
- 3. 現場の外国為替(取引)ディーリングとは?
- 4. 円高、円安とは?

