MONEYKitトップ > from MONEYKit > セミナーレポート > ソニーバンク投資信託セミナー インド株投資入門
株式会社インド・ビジネス・センター 島田卓氏

2005年2月14日の「PCAインド株式オープン」お取り扱い開始に合わせて、お客さまからの注目の高いインド株式をテーマに「ソニーバンク投資信託セミナー」がこのたび開催されました。講師にお迎えしたインド・ビジネス・センターの島田卓氏は、元インド駐在銀行マンとしての豊富なご経験と、変貌するインド市場のライブな情報をお持ちのインドビジネスの情報提供・市場調査の専門家です。経済のみならず歴史や国民性などの話題を交えながら多面的に“インドのいま”を解説していただきました。
- ※この基調講演は2005年2月16日、東京・丸の内コンファレンススクエア エムプラス『グランド』にて開催されたものです。基調講演の内容は一部抜粋して掲載しています。なお、講演内では、米ドルをドルと表記しています。
インドを見るには表と裏の両方を見る
インドは“遅々として変わる”
本日の講演は「インド株投資のためのインド入門」というテーマですが、まずは「インド株投資のための」まではカッコで括っていただいて、「インド入門」だと思ってお聞きいただければと思います。私は株式投資のことは専門ではありませんが、少しでもインドのことをみなさんに知っていただける機会が設けられたということで、これからお話をさせていただきます。
最初に、お手元の資料の表紙に写真がありますが、これはガンジス川の写真です。なぜガンジス川を冒頭に持ってきたかというと、これは要するに大河ですよね。美空ひばりさんの歌ではないですが、川の流れがゆったりと動いている。インドという国は、よくこういうふうに言います。「遅々として変わる」。変わらないのではなく、変わるんです。ただやっぱり図体が大きいですよね。ゆっくりゆっくり動いていて、ある一定期間経つと変わっていると。このへんのところをまずお知りいただきたいと思いました。
バランス感覚とフェアネスに富む国民性
国の概要について簡単に述べます。だいたい面積(328.7万Km2)も人口(10.3億人)も、日本と比べて”全部10倍”だと考えていただくと分かります。逆算するものもあって、たとえば物価は十分の一。どなたかにバラを贈りたいとしますと、日本でバラを1本買う金額でインドでは1ダースの花束が贈れる。こういう感じです。
言語の数は10倍では収まりません。日本は日本語だけですがインドの場合は3000とか4000、正確な数は分かりません(主な言語はヒンディー語+英語+15公用語)。よく私も「インド語ってあるんですか」と聞かれるのですが、インド語という言語はありません。知人のインド人が日本に来て初めて電車に乗った時、中吊り広告(の日本語)を見ても違和感がないといっていました。彼らは州を変わりますと全く言葉が通じないんです。
インドの通貨はルピーといいます。今は1ルピー=2.6円ぐらいですが、紙幣の表に英語とヒンディー語、ひっくり返して見ますと15もの言語で1ルピーと書いてあります。こういった紙幣からもイギリスがインドを植民地化して、英語社会にしたという過去の歴史が見えてくるわけです。そのため、イギリスの産業革命はインドがあってできたともいわれます。
第二次世界大戦の後、パール判事の「日本無罪論」というのがあります(※東京裁判の判事11名のうち、ただ一人インド人国際法学者・パール博士が日本無罪を主張した)。彼は日本を擁護したといわれてますが、私はそうではないと思います。インド人は変にフェアなんです。極東裁判でパール判事がおっしゃりたかったのは、勝った方が正義で負けた方が悪ということではなくて、法の真理の下には戦争を行った者は全部同罪。別にどちらかを擁護したわけではないと思います。
ただこれが、ちょっと日本人にはきついんですね。日本は「泣く子と地頭には勝てない」。この方が楽なわけです。でもインド人は泣く子にも地頭にも、理があれば刃向かっていく。そういう国民と付き合うというのは、なかなか気がぬけない仕事です。その代わり、いい人に巡り合えると強力な味方になります。私たちもインドを見るときは、表と裏の両面から見ることが重要です。そのへんのこともお分かりいただくと、もう少しインドという国を身近に感じていただけると思います。
先進国と経済格差も見方次第
ところでインドは年間の映画の制作本数が約800本と、世界でダントツです。当然のことながらアメリカが第2位。インド映画の都ムンバイ(旧ボンベイ)はハリウッドに擬して「ボリウッド」などといわれますが、世界最大の映画産業都市です。ボリウッドのトップスターといえば、男優はシャールク・カーン、女優はアイシュワリヤ・ライ。彼女は元ミス・ワールドで、非常に美しいかたです。今度ハリウッドでマイケル・ダグラスと共演しますが、彼女のギャラの相場は1本7500万円。シャールク・カーンが1億2500万円といったところです。
ではハリウッドのトップスターはどうかといいますと、ジュリア・ロバーツが21億円、ブラッド・ピットが25億円。この差をどう見るかということなんですね。
まだ私が若かりし頃、あるウイスキーのCMがありまして、ボトルの中身が半分なくなっているんです。招いた方からすると“もう半分空いた”。招かれた方からすると“まだ半分残っている”。表と裏で見方は全然違う。要するに先進国のレベルに達するまで相当楽しみがあると見るか、国を代表する産業でもこんなに格差があるようならだめだと見るか。これは皆さんのご判断にお任せしたいと思います。
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