MONEYKitトップ > from MONEYKit > 為替・金利レポート > フィスコ為替市場レポート 2005年3月までの見通し
米ドル・円相場の現状分析と今後の見通し(2004年12月3日作成)
「米国の構造問題背景のドル先安観対本邦通貨当局の攻防」
期間予想レンジ:95円00銭〜108円00銭
<今年ここまでの動き>
2004年のドル・円相場の推移は、1月から3月までは地政学的リスクや大幅経常・財政赤字といった米国の構造問題に着目したドル売りと、本邦通貨当局の大規模ドル買い・円売り介入とがぶつかり合う状態になった。12月〜2月の米国雇用統計で期待外れの結果が連続、日本の10-12月期GDP速報値前期比年率+7.0%などを受けたドル売りに対し、当局の強いドル買い介入で105円が支えられ、その後112円までの押し上げ介入により112円34銭まで上昇。しかし、当局が3月16日を以って介入を終了したことから、ドル売りが勝り105円割れ、3月末に103円40銭まで下落した。1-3月期の介入額は14兆8314億円に上った。1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、超低金利政策の維持について「かなりの期間」が削除され、「解除するにあたり忍耐強くなり得る」に変更された。
4月から9月にかけては、米国の利上げ、日米景況感比較などにより高下する展開が続いていた。米国の3月非農業部門雇用者数(NFP)が30.8万人増となったことをきっかけに米国の早期利上げ観測が強まり、ドル買いが広がり、米国の4月NFP28.8万人増を受けて114円90銭まで上昇した。日本の1-3月期GDP速報前期比年率+5.6%、グリーンスパン議長の「利上げは慎重なペースで実施される」との発言などで107円02銭に反落した後は、110円挟みの動きが続いた。米FOMCは、6/30に0.25%の利上げを決定(2000年5月以来、FF金利1.25%へ)以降、8/10、9/21にも各0.25%の利上げを実施。米国NFP増加数は6月から低下、伸び悩みの状態になった。米貿易赤字は6月に大幅拡大(-558.2億ドル)、米Q2の経常赤字は過去最大を更新。日本の4-6月期GDP速報が前期比年率+1.7%と大幅低下。原油価格が50ドル台乗せとなった。
10月以降は、米大統領選挙を境に全般的なドル売り展開になっている。本邦輸出企業のオファーで111円50銭が押さえられ、米中首脳が柔軟な為替移行確認との一部報道などを材料にドル売りが優勢になった。原油先物価格が55台ドルまで上昇したが、米国の対米証券投資の低下(8月+590億ドル、2003年10月以来の低水準)や、米大統領選の先行き不透明感から海外勢がドル売りを強め、108円80銭を切ってからオプショントリガーをつけながら下落が加速。ブッシュ大統領再選で米経常赤字問題が改めて懸念され105円台に下落、米国の貿易赤字、財政赤字が縮小、米FOMC(11/10)での追加利上げ、12月も追加利上げ示唆で、一旦107円30銭まで反発も、G20財務相・中銀総裁会議に対する思惑的なドル売りに105円割れとなった。スノー米財務長官の「過去の為替市場への人為的な協調介入は報われたためしがない」との見解が出て104円割れとなり、グリーンスパン米FRB議長の「ある時点でドルに対する需要は減少する」との発言、中国が米債の保有を減らすとの一部報道もあり、101円83銭まで下落している。
- はじめに
- 米ドル・円相場の現状分析と今後の見通し(1)
- 米ドル・円相場の現状分析と今後の見通し(2)
- 米ドル・円相場の現状分析と今後の見通し(3)
- ユーロ・円相場の現状分析と今後の見通し(1)
- ユーロ・円相場の現状分析と今後の見通し(2)
- 英ポンド・円相場の現状分析と今後の見通し
- 豪ドル・円相場の現状分析と今後の見通し
- NZドル・円相場の現状分析と今後の見通し
- カナダドル・円相場の現状分析と今後の見通し
- ※なお、以上のレポートのなかでは、米ドルをドル、英ポンドをポンドと表記しています。

