MONEYKitトップ > from MONEYKit > スペシャルインタビュー > 大使館インタビュー(ニュージーランド篇) フィリップ・ギブソン氏
豊かな自然と先進的なテクノロジーによる高い安全性を誇る農業生産
ニュージーランドは、農業に国の補助金を支給していない数少ない先進国のひとつです。農産物の輸出大国としての強さの秘密は何でしょう。
確かに第一次産業はニュージーランド経済の大きな原動力であり、農業部門は輸出収益の半分以上を支えています。農地面積は1,650万ヘクタールを上回り、国土の3分の2は牧場。約4,500万頭の羊と、約900万頭の牛が飼育されています。それと共に、私たちが質の高い農業を行っている大きな理由は、教育水準の高さです。ニュージーランドは識字率も進学率も非常に高い国です。農業の豊かさと、教育水準の高さが重ね合わさり、新しい技術を生かした創造的な農業の発達が可能になりました。

農業のビジネスのやり方そのものが変わってきたわけですね。
昔は大量生産中心で、コモディティな品質の農産物を提供していました。しかし最近ではマーケットの要望が細やかになったため、輸出先のニーズを見ながら生産しています。たとえばニュージーランドの輸出総額の半分以上を占める畜産物の場合、以前であれば冷凍肉を塊で送るといったような貿易が主流だったわけです。しかし近年は品質や鮮度に細心の注意を払い、チルド冷凍で保存し、非常に繊細にカットした状態で輸出しています。国内には日本マーケットのためだけに牛肉を生産している牧場もあり、日本人の味の好みにより合うような努力が払われています。
ニュージーランド産の農産物の特徴とは何でしょう。
ニュージーランドは産業国である一方で、まだ手つかずの自然が広大に残っており、そのことが国民の自然環境に対する高い意識に繋がっています。私たちは環境保全のためにありとあらゆる努力をしています。食品に対する安全性が重要視されている昨今ですが、食の安全は我々が常に強調している点です。
環境保全の意識の高い国民性と、さきほども申し上げたクリーンでビューティフルな環境という両者の上に立って作られているからこそ、食の安全が保たれているといえるでしょう。
近年注目が高まっている農産物としては、どのようなものがあるでしょう。日本ではニュージーランド産のキウイフルーツが有名です。
ニュージーランドはキウイフルーツを商品化し、世界中に普及させました。今では世界の総生産の4分の1を占めています。またチーズも以前から重要な輸出品目のひとつです。ニュージーランドの乳製品輸出では世界全体の4分の1を占めており、輸出量は1960年に比べてほぼ3倍に増えています。それと、もうひとつ特にお話しておきたいのは、ワインの生産ですね。ワイン作りは1970年代に定着し、80年代後半には、高級ワインが次々と海外で賞を受賞しました。ニュージーランド産ワインは、安全性を含めて世界で高い価値が認められるようになっています。「ワインといえばフランスかイタリア」とおっしゃるかたにこそ、ぜひ試していただきたいと思っています。
大自然を背景に人生の質を追求する生き方
ニュージーランドの恵まれた自然環境は、アクティブなスポーツの愛好家や観光者にとっても大きな魅力ですね。
ニュージーランド人は、非常にリラックスした人生観を持っています。人生の質を追求する生きかたをしているといいましょうか。お金を稼ぐということだけに興味があるわけではなく、仕事と自分や家族の時間とのバランスがとれた、楽しい生活をおくりたいと思っています。ですからニュージーランド人はスポーツが大好きです。ラグビー、ヨット、ホッケー、クリケット、スカッシュ、ゴルフ………。中でも人気が高いのはラグビーで、私もラガーマンでしたよ。
ニュージーランドのラグビーといえば、「オール・ブラックス」が日本でも有名です。
「オール・ブラックス」はニュージーランドの代表チームであり、私たちの大きな誇りです。ニュージーランドは小さな国ですが、彼らはラグビーの世界のトップクラスであり続けているわけですから、子どもたちは皆、憧れるのですね。「オール・ブラックス」は試合の前に「ハカ」という踊りでチームの志気を高め、相手を威嚇します。これはマオリの戦士が、戦いの前に行った踊りなのです。

有名な観光地やレクリエーションとしては、どのような場所がありますか。
北島には、古くから人を集めているロトルア温泉地帯、マオリの文化に触れられるウェリントンの国立博物館テ・パバなどがあります。南島のクィーンズタウンはバンジージャンプの発祥地であり、ラフティング、ジェットボート、パラグライダーなどさまざまなレクリエーションが楽しめます。また東岸のカイコウラは、ホエール・ウオッチングの名所です。レジャー活動としては、狩猟、射撃、魚釣りなどが楽しめ、毎年海外から200万人の観光客がニュージーランドを訪れています。
ただし、緑に恵まれ人口の少ないニュージーランドは、自然と向き合い静かでリラックスした時間を過ごせることが何よりの魅力だと思います。ほっと心が安まる場所を、ご自分で見つけていただきたいですね。
- 大使館インタビュー(ニュージーランド篇) フィリップ・ギブソン氏(1)
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