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スペシャルインタビュー
大使館インタビュー(ニュージーランド篇) フィリップ・ギブソン氏\\

フィリップ・ギブソン氏\\

ソニーバンクでは、6月7日からニュージーランドドル(NZドル)の取り扱いを開始しました。これにより、外貨預金のお取り扱い通貨が米ドル・ユーロ・英ポンド・豪ドル・カナダドル・NZドルの6通貨となり、お客さまの多様な外貨運用ニーズにお応えできる商品提供力がさらに充実しています。
高金利通貨ということでNZドルへの注目が集まる中一方で、経済の面のみならずニュージーランドという国そのものに対する関心が、お客さまの間で高まっているようです。知っているようでよく知らない、赤道をはさんで日本のちょうど反対にある島国、ニュージーランドとはどういった国か。特命全権大使のフィリップ・ギブソン氏にうかがいました。
(インタビューは2004年7月6日に行われたものです)

手つかずの自然に恵まれた島国

ニュージーランド国土地図

海に囲まれたニュージーランドは、地理的に日本と似ている面がありますね。

 

おっしゃるようにニュージーランドは島国で、オーストラリアの南東1,200kmの太平洋に位置しています。主に北島と南島という2つの大きな島があり、国土が南北に細長く延びていている点も、日本とよく似ているかもしれませんね。国土はイタリアとほぼ同じ面積、日本から北海道と四国を除いたぐらいなのですが、人口は約400万人と少ないです。また、ニュージーランドというと、美しい田園風景を思い浮かべるかたが多いと思いますが、85%の国民は都市部に住んでいます。最大の都市はオークランドで、人口100万人です。

国土が細長いということは、日本と同様に南北で気候がかなり違うということでしょうか。多様な風土は、日本文化の多様性の大きな背景なのですが。

私たちの国の気候は亜熱帯性気候といえると思います。北の方は暖かくて、南の方は結構寒く、南島の山は一年中雪に覆われています。北が暖かく、南が寒い。間違いではありませんよ(笑)。我々が非常にラッキーだと思うのは、自然の美しさに恵まれていることです。ビーチ、山、湖。とにかく自然の宝庫があり、手つかずの自然環境がそのまま残されている地域が非常に多いのです。ニュージーランドのキーワードは、クリーン、グリーン、そしてビューティフル。日本ほどお金持ちではないかもしれませんが、生活水準は全般に高く、ライフスタイルにおいても大自然を背景にした豊かな生活を享受しているといえると思います。

ナショナル・アイデンティティをもつ多民族国家へ

ニュージーランドの美しい自然は、日本人にも馴染み深いものです。一方、文化については、まだよくは知られていないかもしれません。

私たちには2つのカルチャー、2つの文化があります。ひとつはニュージーランドの先住民であるマオリのカルチャー。マオリ人は1200年頃にポリネシアの島から、数千キロという距離をワカという双胴船(カヌー)に乗って渡来した人々です。現在、大半のマオリの人々は都市部に住んでいますが、その多くは今も自分の部族と強い一体感をもち、伝説や神話、伝統的な芸術など豊かな歴史的に遺産を継承しています。そしてもうひとつが、18世紀以降に入植した、イギリス系の白人文化のカルチャーです。開拓初期の入植者たちは、強い意志や自立心、創造性をもって新しい国を築くことに努力しました。その精神はニュージーランドの国民性のひとつの基盤になっています。さらに最近ではサウスパシフィック、サモアや、アジアからもたくさんの移民のかたがいらっしゃっています。

写真

人口400万人の小さな国でありながら、多民族国家だということですね。

 

はい。ただし20年ほど前までのニュージーランドは、イギリスの文化、アングロサクソンの考え方の影響が色濃い国でした。たとえば私が子どものころは、食事といえば肉とポテトといった感じです。イギリス風の食生活だったのですね。ところが1970年にイギリスがECに加盟したことで、状況が少し変わったのです。イギリス文化だけではなく、マオリの文化が再認識されるようになりました。マオリの存在感が高まったということだけではなく、ニュージーランド人全体の中でマオリの文化が自分たちのアイデンティティの一部として受け入れられるようになったということだと思います。

民族的な課題は違いますが、日本もヨーロッパ的な価値観とアジア的な価値観の2つを有し、その融合の中でアイデンティティを見つけようとしています。

おっしゃるように、イギリスとマオリのバイ・カルチャーではなく、これからのニュージーランドにとって重要なことは、ナショナル・アイデンティティを築くことです。私たちはイギリス風でもないし、アジア風でもないし、ポリネシアン風というわけでもありません。ひとつのユニークなカルチャーを今つくろうとしているところなのです。

ニュージーランドは世界で初めて女性参政権を実現した国であり、現在のヘレン・クラーク首相も女性です。さまざまな違いを超えて、国民が協調した社会を作る能力に長けていると思いますが。

ありがとうございます。ただ男女の問題については、「差別をなくそう」などと意識することがないほど、自然なものとしてニュージーランド人は受け止めています。年齢や性別、もちろん民族によって差別がない社会というのは、むしろ当たり前のことなのですね。

 

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