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スペシャルインタビュー
人生通帳スタート記念連続インタビュー第1弾 アジャイル・メディア・ネットワーク徳力基彦氏に聞く Webサービスの達人からみた「人生通帳」

第1回 パーソナライズというキーに則った「人生通帳」

Webサービスのトレンドは“パーソナライズ”

――
今回リリースした「人生通帳」もWebサービスの一つです。そこで早速ですが、最近のWebサービスのトレンドについて教えていただけますか?

ウェブサービスの進化の仕方は、三段階あると思います。
最初はとりあえず自動化できる、安くできる、人の代わりに機械が対応してくれるというものです。これが第一段階目で、オンラインショッピングサービスなどがそうですね。金融はまだここで止まっている気がします。

二段階目になると、サービスとか業界の壁がなくなります。たとえば、オンラインブックストアだったAmazonが、今では楽曲やアパレルなども販売する総合オンラインショッピングサイトになりました。金融も次にはそうなっていくだろうと思っています。ソニー銀行はそこに行こうとしているのが興味深いですね。

三段階目は、パーソナライズによりユーザーがさらに賢くなれる状態です。Amazonが商品をレコメンド(おすすめ)してくれることなどがこれに当たります。金融も今後、情報をネットに預けておくことでユーザーにぴったりな情報をアドバイスしてくれるようになるのではないでしょうか。

――
なるほど、パーソナライズが今後のキーになるのですね。

今は、「マス」から「パーソナル」に戻ってきている時代だと思います。マーケティングの世界でも、これまではテレビコマーシャルなどマスマーケティングだけでした。しかし、インターネット上ではマスマーケティングが効きにくいため、企業と顧客の信頼関係やクチコミの世界に注目が戻ってきています。まぁ、逆に言うとテレビなどのマスメディアが登場する前は、そもそもクチコミがマーケティングの中心だったわけですから、長い目で見ると、マスの時代の方が特殊だったということになるのかもしれません。マスメディア全盛の時代ならお金さえあればテレビコマーシャルでモノが売れるという傾向がありましたが、今はいくらコマーシャルを流してもクチコミサイトで評判がダメだったら誰も買わないということがありえます。製品の善し悪しという基本に戻ってきているのだと思います。


人生通帳 ライフプランシミュレーター
家族構成や収入・支出などの生活情報、金融資産などの情報から将来設計をアドバイス。

金融の世界も同様ではないでしょうか。銀行が誰にでも画一的に同じサービスを提供していた時代から、個人ベースのサービスに行くようになるかもしれません。たとえば「人生通帳」を使えば、ソニー銀行の口座に10万円預けておくだけで、ファイナンシャルプランナーに相談しているのと同じことになります。

時事通信社編集委員で、ブロガーでも著名な湯川鶴章さんの言葉ですが、これは「アニメ『サザエさん』における三河屋さん」だと思います。御用聞きの三河屋さんは、サザエさん一家の生態をすべて把握していて、誕生日やお祝いごとがいつあるのかも分かっている。そこで、お祝いにこれはどうか、前回はあれを頼んだから次回はこれにしてはどうかとおすすめしてくれます。昔は人と人のつながりがメインでしたが、それがなくなり画一化してしまっていました。それがまた復活して、三河屋さんの世界が戻ってきて、利用者にとって便利な方向にいくだろうというのです。僕もなるだろうしなってほしいと思っているので、非常に期待しています。

お金とWebサービスは相性抜群

――
お金にまつわるWebサービスはどんなものがあるのでしょうか?

金融系サービスは、インターネットと相性がいいと思っています。物理的なモノが動かないで情報だけが動くからです。日本の金融業界は規制が厳しく、保守的でサービスがあまり進んでいない状態ですが、インターネットが入ったら一番変化する可能性のある業界ではないでしょうか。たとえば証券業界はインターネットが入ったことで大きく変わりました。銀行も、今は窓口で相談を受けつけていますが、今後オンラインサービスが入ることによって大きく変化する可能性が高いでしょう。

海外の例で言うと、信用ある借り手と金利が低い貸し手による個人間金融仲介サイト「Zopa(ゾーパ)」など、ソーシャルレンディングという利用者同士が直接お金の貸し借りをするサービスが注目されています。面白いのは、そういったサービスの中には海外のアントレプレナー(企業家)に直接融資ができるようなサービスがあることです。つまり金融は既に国境を越えている。そういうことができる時代になっているのです。日本は言語や規制の壁に囲まれている国ですが、そういう時代に生きていることは意識しないといけないと思います。

一方で、中途半端な知識を持っている人たちを狙うサービスもあるので、自己防衛していかないといけません。金融リテラシーが必要とされる時代なので、「人生通帳」のようなサービスでお金の勉強をしておくといいですね。

お金管理ソフトで人生が変わる

――
「人生通帳」のようなサービスを使ったことはありますか?

実は個人マネー管理ソフトの「Microsoft Money」のヘビーユーザーで、もう10年くらい使っています。グラフが右肩上がりに上がっていく(お金が増えていく)のが楽しくて仕方がないという、一種の家計簿マニアですね(笑)。こういうサービスがなぜオンラインでできないのかと思っていたので、「人生通帳」は待ってましたという感じです。

「Microsoft Money」を初めて使った時は衝撃を受けました。「ITを使えば家計簿や口座の(これまであった)限界を超えられる」と感じたのです。このままいくと何歳でいくら貯まるとか、子供ができたらどのくらいお金が要るとかまで分かってしまう。

東京に出てきてから購入したのですが、名古屋にいた頃は家計簿をつけず自転車操業状態で、いつの間にかお金がなくなっていました。ところがこのソフトを使い、収入と支出をデータ化したことで、何にいくらお金をかけていたのかが見えるようになりました。それによって、お金をどこに使いすぎているのかが分かるようになったのです。こうすれば、人生やお金に関する手綱を自分で握れるようになり、コントロール可能になります。

僕は、お金を管理するようになって出費がかなり減りました。結果、それまでは余裕がないと思っていたのに、海外旅行にあちこち出かけられるようになりました。支出をコントロールできるようになったため、まとまったお金も問題なく捻出できるようになったのです。

お金の使い方を意識するのにこういうツールは役立つでしょう。データ化してお金を色々な軸で見られるのは面白いですね。マイクロソフトにもウェブ型のサービスがあるようなのですがあまり使い勝手がよくないので、「人生通帳」には期待しています。

第2回「Webサービスの達人から見た「人生通帳」の活用法」に続く)

インタビュー後記(from MONEYKit編集部より)

ウェブサービスの発展段階と最新事情をわかりやすく、しかもさらっと語ってくれた徳力さん。さすがITの達人と改めて感心しました。さて、後編となる次回は「人生通帳」の各機能により突っ込んだ話が展開されます。これを読めば、「人生通帳」の便利な使い方がマスターできるかも?それではお楽しみに。

 

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