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金利レポート
フィスコ金利レポート 英国金利見通し:2008年4月14日

4月9〜10日開催の英国中央銀行(以下、英中銀)金融政策委員会会合で政策金利を0.25%引き下げて年5.00%とすることが決まりました。3月の会合では2名の金融政策委員(ブランチフラワー委員とギーブ委員)が利下げを支持していたことが判明しており、4月の会合で追加利下げが実施されても不思議ではないとの見方もありました。金融当局(英中銀)は金融市場の混乱が続いていることや銀行の資金調達コストの上昇を懸念していますが、インフレ悪化と景気後退の可能性は同程度と考えているようです。4月の会合時点でインフレリスクを強く意識していた場合、政策金利は据え置きとなった可能性があります。4月の利下げ実施は金融機関の資金調達コストを引き下げる狙いもあったと思われますが、景気後退のリスクが一段と高まっていることを英中銀が認めたからではないかと思われます。4月11日にはワシントンでG7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が開催されましたが、英中銀の利下げはこの会合を意識した可能性もあるとみられています。

4月の会合終了後に発表された声明では、エネルギーと食品価格の持続的な上昇や、最近のポンド安による更なるインフレ率上昇の可能性が指摘されていますが、インフレ率の低下につながるような景気減速の可能性もあると予測していることが今回の金利引き下げの主な理由となっています。英中銀はポンド安によってインフレ率が上昇することはやはり好ましくないと見ているようですが、ポンド安は輸出促進を支援する側面もあります。為替レートが過度に変動しない限り、多少のポンド安は容認するとの見方が増えています。また、英国企業は需要増加に応じて生産・供給能力の引き上げを図っていますが、経済成長率の鈍化に連れて需要も減退した場合は供給・生産能力に余剰が生じることになり、結果的にインフレ圧力の低下につながるとみられています。今のところは国内外で需要の大幅な落ち込みが確認されているわけではありませんが、金融市場の混乱や信用収縮が短期間で終息しない可能性もあることから、金融当局の予想よりも早い時点で供給・生産能力に余剰が生じることも考えられます。こうした動きは賃金上昇の抑制や人員削減(失業率上昇)を伴うケースが多いだけに、金融政策の変更を促すきっかけにもなります。

また、金融機関の資金調達コスト(ロンドン市場における銀行間取引金利など)が高止まりしている点については資金の出し手側のリスク許容度が著しく低下していることが主な要因とされていますが、英系大手金融機関が更なる資本増強を図るまでは問題の根本的な解決は望めないとの厳しい見方もあります。資金調達コストの上昇はローン金利全般の上昇を招く可能性があり、借り手の債務状況の悪化を招く場合もあります。英中銀を含めた欧米の主要中央銀行は流動性維持のために積極的な資金供給を続けていますが、大半の金融機関は政策金利の引き下げに見合った金利で貸出を行っていないようです。安全資産である国債(英国債)の利回り水準は潤沢な資金供給によってやや低下していますが、短期金融市場は正常に機能していないとみられています。大手金融機関の資本増強が実現すれば銀行間取引金利や法人顧客などに対する貸出金利も低下するものと予想されていますが、これには時間がかかりそうです。

英中銀が景気後退のリスクを強く意識していることから、市場関係者の間では今後も何度かの利下げを実施することが確実視されています。英消費者物価指数は前年比2%台の上昇を続けていますが、これが3%台に上昇しない限り、数ヵ月に一度のペースで利下げを検討することになりそうです。利下げのペースはこれまでと変わらない可能性もありますが、ある時点で経済活動が全般的に大きく低下した場合は一度に0.5%以上の利下げを実施することも考えられます。注意すべき点は3月中の英住宅価格の上昇率(前年比)が消費者物価上昇率を下回っている事です。市場関係者の間では2000年以降における英住宅価格の上昇はアメリカ以上との見方が少なくないようです。一部地域では住宅価格がすでに前年比マイナスとなっている模様ですが、年末までに住宅価格が前年比10%以上の低下となった場合は住宅抵当証券の市場価格の低下によって評価損が生じることになり、最終的には金融機関の自己資本が毀損する可能性もあります。英中銀が最も警戒しているのが金融システム不安の台頭や大規模な信用収縮発生だとみられています。こうなった場合(最悪のケース)はポンド安やインフレリスクを黙認して政策金利を大幅に引き下げることも考えられます。

なお、4月中に発表される英国の主要経済指標では3月消費者物価指数(15日:2月前年比+2.5%)、3月マネーサプライ(18日:2月前年比+12.4%)、3月小売売上高指数(24日:2月前月比+1.0%)が注目されそうです。英中銀金融政策委員会会合議事録(4月会合分)は4月23日に公表予定となっています。

 4月14日時点1ヶ月後予想
政策金利5.00%4.75〜5.00%
英国2年国債利回り3.93%3.80〜4.00%
英国10年国債利回り4.41%4.30〜4.50%

株式会社フィスコ
小瀬正毅

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レポート提供:株式会社フィスコ

http://www.fisco.co.jp/

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