MONEYKitトップ > from MONEYKit > 為替・金利レポート > 金利レポート > フィスコ金利レポート 米国金利見通し:2008年3月24日
3月14日に米国五大証券の五番手であったベア・スターンズが事実上破綻し、JPモルガンチェースによって救済合併されることになったこと、しかもその価格が「1株=2ドル」と破格とも思える安値であったことから、金融システム不安が一気に高まりました。
そこで、3月16日にFRB(米国連邦準備理事会)はFRBと直接取引できる証券会社である「プライマリー・ディーラー」に対し、公定歩合での貸し出しをすると発表するとともに、公定歩合を0.25%緊急利下げしました。
3月18日の定例のFOMC(連邦公開市場委員会)で、市場は1%以上の利下げを見込んでいましたが、下げ幅を予想よりやや小幅の0.75%とし、フェデラル・ファンド(FF)金利を2.25%に、公定歩合を2.50%としました。
18日の声明のハイライトは、「米経済成長には依然下方リスクが存在」する。「金融市場はかなりの逼迫状況」にあり、「信用市場や住宅市場の収縮が経済成長を抑制」する可能性が高いと述べた点です。また「インフレ見通しに関する不透明さが上昇」しているため、引き続き「インフレ動向を綿密に監視」する必要があり、今回の政策措置は「成長、価格安定のためタイムリーな対応」であるとしています。
政策金利決定においては、1月の定例会合から投票メンバーに加わった、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が反対票を投じ、0.75%より小幅な緩和にするべきと主張しました。二人はともにインフレ・タカ派として知られており、物価の安定という見地から短期間での連続した大幅緩和には反対したようです。市場予想より小幅な緩和の背景には、インフレ・タカ派の意見が無視できなかった妥協の産物もあったようです。
しかし、今後の金融政策については、声明でも「成長、価格安定のためタイムリー」に対応すると述べ、これを受けて市場の緩和観測はまだ残っている形です。
バーナンキFRB議長は、『大恐慌の研究』という著書の中でも記載しているように、金融機関の貸し出し萎縮行動などが不況を恐慌に変えていったことを重視しているようです。自らの監督権限の及ばない証券会社にも中央銀行として「最後の貸し手」となって登場するなど、グリーンスパン前FRB議長が述べた「戦後最悪の金融危機」に対してかなり積極的に対処しています。
これらが奏功して米景気が早期に回復するかについては、市場は現時点ではまだ悲観的です。
| 3月24日時点 | 1ヶ月後予想 | |
|---|---|---|
| 政策金利 | 2.25% | 1.75〜2.25% |
| 2年債金利 | 1.60% | 1.40〜1.90% |
| 10年債金利 | 3.33% | 3.20〜3.60% |
株式会社フィスコ
田浦哲哉
※当レポートでは米ドルをドルと表記しています。
マーケットに関する用語はこちらから
- 当レポートは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。投資対象・投資機会の選択などの投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようにお願いいたします。当レポートは、ソニー銀行株式会社の依頼に基づき、株式会社フィスコが独自に作成したものであり、ソニー銀行株式会社の見解や見通しを表すものではありません。当レポートは、株式会社フィスコが信頼できると判断した情報源をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、株式会社フィスコおよびソニー銀行株式会社は保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。当レポートの記載内容に関するご質問・ご照会などには一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。また、当レポートの記載内容は、予告なしに変更することがあります。
- 本文、データなどに関しましては、著作権法などの法令、規制により知的所有権が保護されており、個人のかたの本来目的以外での使用や他人への譲渡、販売、コピーは認められていません(法令による例外規定は除く)。以上の点をご了承のうえ、ご利用ください。
レポート提供:株式会社フィスコ
株式会社フィスコは1995年5月に設立された日本では数少ない独立系の金融市場の調査機関として、機関投資家や個人投資家へリサーチサービスを提供しています。

