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金利レポート
フィスコ金利レポート 英国金利見通し:2008年3月10日

3月5〜6日開催の英国中央銀行(以下、英中銀)の金融政策委員会会合で、政策金利は大方の予想通り年5.25%の据え置きで決定されました。2月の会合で0.25%の利下げが決まった際、金融政策委員の一人(ブランチフラワー委員)が0.5%の利下げを主張しており、市場関係者の一部は3月も0.25%の利下げが行われるものと予想していました。FRB(米国連邦準備理事会)がインフレリスクを意識しながらも、昨年より金融緩和を積極的に進めていることを考えた場合、似たような経済環境下にある英中銀が積極的に利下げを行うことは不自然ではないと思われます。

英中銀はドル安・ポンド高がある程度修正されたことや、失業や債務不履行が増加していない点を考慮して、2ヶ月連続で利下げを行う必要はないと判断したと思われます。住宅価格の上昇が鈍化しつつあることや、住宅ローン借り入れの申請件数が減少していることは注意すべき現象ですが、住宅価格の低下や、住宅市場全体の成長が大幅に鈍化することによって、個人消費の著しい低迷や債務不履行などの件数が増加するまでは、英中銀が積極的な金融緩和に動く可能性は低いと思われます。3月の金融政策委員会会合の内容については19日に公表される議事録内容を点検したいところです。

金融政策の当面の基本方針は、「慎重なペースでの利下げ継続」ではないかと思われます。生産、消費、物価、雇用に関する指標を丹念に点検しながら、同時に外部環境の変化に対する慎重な配慮が求められることになります。状況次第では金融緩和のペースに緩急をつけるケースもあると思われます。
ただ、雇用や消費の指標に大きな変化(悪化)が確認された時点で、実体経済の悪化は相当進んでおり、タイムリーな措置を講じることができない(あるいは対応が遅れる)可能性もあるため、注意が必要です。
この場合は、将来的に大幅な金融緩和を余儀なくされる可能性もありますが、金融当局が最も警戒すべき問題は、金融システム不安の台頭が過度の信用収縮を招くケースで、個人消費の大幅な減少や企業活動の停滞によって失業者が増える事などが想定されます。こうなった場合は、インフレが抑制されていない状況でも金利は大幅に低下することになります。

ここで、FRBやECB(欧州中央銀行)の金融政策と英中銀の金融政策との相違について考えてみたいと思います。足元のインフレリスクについてはFRBの軽視が目立ちます。英中銀やECBは、短期、中期のインフレ見通しについては決して楽観的ではないようです。金融市場の混乱についてはいずれの中銀とも大変神経質になっているようですが、ECBより英中銀のほうが強く意識しているようです。
短期金融市場(ロンドンでの銀行間取引)における流動性は一時期よりも改善しており、利下げによって資金調達コストも着実に低下していますが、「量の確保」については問題点もあるようです。英中銀は資金供給の面で補完的な役割を果たしていますが、この市場流動性供給の作業がいつまで続くのか、現時点では予測不可能であり、この点は大変気になります。
何らかの要因で英大手銀行の経営状況や収益見通しが大幅に悪化した場合、短期金融市場の市場流動性は大幅に低下する可能性があります。このような局面では、流動性供給の必要性が今以上に高まることになり、政策金利の大幅な低下は避けられないでしょう。

現時点では、英中銀は数ヶ月に一度の頻度で0.25%の利下げを行う可能性が高いと考えられますが、前述の雇用の悪化や個人消費の低迷が明らかとなった場合は0.5%の利下げを実行する可能性もあります。その場合は金融緩和による景気浮揚だけでなく金融システム不安の台頭に備えるという狙いが含まれているかもしれません。
なお、3月中に発表される英国の主要経済指標では、2月消費者物価指数(18日:1月+2.2%)、2月小売売上高指数(20日:1月+0.8%)、2月マネーサプライM4(20日:1月+13.1%)が注目されることになりそうです。

 3月10日時点1ヶ月後予想
政策金利5.25%5.00〜5.25%
英国2年国債利回り3.75%3.70〜4.00%
英国10年国債利回り4.33%4.20〜4.40%

株式会社フィスコ
小瀬正毅

※当レポートでは米ドルをドルと表記しています。

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レポート提供:株式会社フィスコ

http://www.fisco.co.jp/

株式会社フィスコは1995年5月に設立された日本では数少ない独立系の金融市場の調査機関として、機関投資家や個人投資家へリサーチサービスを提供しています。

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