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経済自由化からはじまったインド経済の成長ストーリー
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- インド経済がこれほど拡大した理由はなんでしょうか?
1991年の経済自由化が大きな分岐点といえます。インドが独立した1947年から1991年にかけてまかれたタネからようやく芽が出てきました。
1947年から1991年にかけては社会主義を導入するなど、この間に経済的にも政治的にもさまざまな試みが行われました。また、この期間にはパキスタンとの間に3度の干戈(かんか)を交えたほか、中国とも戦争を引き起こし、膨大な防衛費が国家財政を圧迫しました。
経済的にもまだ脆弱であり、産業の中心が農業主体の国でしたが、1991年の経済自由化を機に海外からの資金を受け入れるようになり、製造業やサービス主体の経済にシフトしていきました。
インドの株式指数のひとつであるSensex指数の推移を見ると、経済自由化に踏み切ったことが市場に好感されたのがよくわかります(図5)。1991年以降に指数が上昇。その後、1997年のアジア通貨危機にさらされたことで下落したものの、海外の大企業による評価が下がったわけではなく、むしろスズキやホンダなどの日本の大企業が進出してきました。

1990年代後半になると、インターネットの普及によってソフトウェア関連企業の米国向けの開発が活発になります。そして1998年から2000年にかけては2000年(Y2K)問題への対応として、ソフトの書き換えなどの特需がありました。この頃に「インフォシス・テクノロジーズ」や「ウィプロ」といったインドを代表するIT企業が世界的な大企業へと飛躍しています。
その後、ITバブルの崩壊や2001年の米国同時多発テロが発生したものの、第10次5カ年計画(2001〜2006年度)のスタートによっていくつかのビッグプロジェクトが立ち上がり、インド経済は回復します。ニューデリー、コルカタ、チェンナイ、ムンバイの主要4都市を高速道路で結ぶ「黄金の四角形」もビッグプロジェクトのひとつです。第10次5カ年計画では円に換算して20兆円ほどの資金が投入されました。
設備投資を通じてインフラが整い、企業業績が右肩上がりに上昇していくという成長のストーリーは、過去マレーシアやタイ、中国もたどってきました。1900年代初頭の米国もそうです。道路が整備され、自動車が一般的になっていく――。この流れで米国は農業主体の経済から工業主体の経済へとシフトしていきました。インド経済もいま、同じ道を歩もうとしています。
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- インド株式市場の今後の見通しはいかがでしょうか?
インド株式市場のPER(株価収益率)の推移を見ながら説明しましょう(図6)。2008年1月のPERは20倍前後です。株式の投資価値としては多少割高に映るかもしれません。しかし、長期的な視点で見ると、PERが20倍に達したことは過去にもありました。
PERがそれほど割高ではないといえる、もうひとつの理由がインド企業の利益成長率が高いこと。インド企業の利益成長率は現在、アジア域内で一番です。今後も多少のボラティリティ(変動率)をともないつつ堅調に成長していくでしょう。
また、株主資本利益率も非常に優れています。PERは割高なイメージがあるかもしれませんが、企業の利益成長率と株主資本利益率の高さを考えると、決してそうではないことがわかるでしょう。
逆にインド株式市場のリスク要因として挙げられるのは、外国人投資家の比率の高さです(図7)。なぜなら海外の投資家はグローバルな資金の流れとともに動いてしまう恐れがあるからです。仮にインド市場が好調なまま推移していても、アジアの株式市場が低調になったときに一斉に資金を引き上げてしまう可能性があります。
海外の投資家のほとんどは長期的な視点で投資していると思いますが、国内の機関投資家と比べてお金を引き上げやすいというのがリスクです。インド証券取引所委員会に登録している海外の投資家の数は急速に増えており、2006年には約800社程度だったところ、2007年には1,200社を超えました。
もうひとつのリスク要因は、利益成長率が優れていることによる期待値の高さです。インド企業の利益成長率は、ここ3年でなんと倍に上がっています。この勢いはまだしばらくは続いていくでしょう。ただし成長率が優れていると、その分期待値も高くなります。いくら堅調に成長していても、期待値に合わなければ評価が落ちることは免れないでしょう。
- 図5:Sensex指数の推移

出所:シティグループ
※グラフの数値は現時点のものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。- 図6:Sensex - 株価収益率(PER)の推移

出所:シティグループ
※グラフの数値は現時点のものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。- 図7:インド市場の資金流入

出所:シティグループ
※グラフの数値は現時点のものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。
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