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セミナーレポート
モーニングスターセミナー:2008年1月18日「インデックスファンドで基本ポートフォリオを構築しよう」/第1部:インデックスファンドで基本ポートフォリオを構築しよう/第2部:インデックスファンドによる資産運用〜ポイントとその検証〜

  • 必ずお読みください 投資信託の重要事項

第1部:インデックスファンドで基本ポートフォリオを構築しよう

朝倉智也氏

講師:モーニングスター株式会社
代表取締役COO 朝倉智也氏

2008年初からの世界同時株安で、特に国内株が下がっています。金利は低下し、その反対に国内外の債券の価格は上昇しています。このような局面での基本ポートフォリオの構築には、バランスという考え方が有効になってきます。
「ディカップリング理論」というのをお聞きになったことがあるかと思います。「カップル」は組み合わせを意味しますので、「ディカップル」というのは、組み合わせでない、非連動だということを意味します。具体的には、アメリカの経済・景気が悪くても、中国や新興国の株・景気は左右されないということですが、表の数字を見ていただければわかる通り、中国も含めて新興国の経済・景気というのは欧米の先進国の景気に頼っているので、ディカップリング理論というのは成り立たない、と考えています。
2006年5月からはじまった世界同時株安はこの2年間で4回起こっています。2007年2月は上海株の暴落が引き金となり、8月はサブプライムローン(信用力の低い層を対象とした住宅ローン)の暴落が発端となっています。そして2008年初もサブプライム問題の先行き不透明感による株安が発生しています。不透明な時代に入ってきており、ひとつの資産、ひとつの地域に相場を張っていくということは非常に難しくなっているということだと思います。

年初からの世界の株式と債券の騰落率
年初からの世界の株式と債券の騰落率
算出期間は初年来から1月15日
国内株式:TOPIX、米国株式:SP500、欧州株式:SP欧州350種、中国株式:香港ハンセン総合、
国内債券:NOMURA-BPI(総合)、海外債券:シティグループ世界国債指数(除く日本、現地通貨ベース)

運用コストに加えて取引の執行コストも低いインデックスファンド

インデックスファンドとは、TOPIXや日経225などのインデックス(ベンチマーク)と連動した運用をするファンドのことです。逆にインデックスを上回る運用を目指すのがアクティブファンドです。

インデックスファンドの魅力には、アクティブファンドよりも運用コストが低いことが挙げられます。国内株式型のファンドは500本を超えていますが、アクティブファンドが圧倒的に多く、491本あります。(2007年11月末基準)。アクティブファンドの平均信託報酬は1.38%ですが、一方のインデックスファンドは日経225連動型インデックスが0.64%、TOPIX連動型インデックスが0.56%と、いずれも運用コストが低くなっています。

国内株式型のアクティブファンドとインデックスファンドの信託報酬の比較
ファンドのタイプ ファンド数 信託報酬(%)
アクティブ型 491 1.38
日経225連動型インデックス 36 0.64
TOPIX連動型 39 0.56
  • データは2007年11月末基準。
  • 信託報酬は税抜き。
  • アクティブ型は投資信託協会の大分類国内株式型に属するファンドのうち、確定拠出年金専用、SMA専用、ラップロ座専用ファンドを除いたファンド。
  • 日経225連動型インデックス、TOPIX連動型インデックスはモーニングスターのピア・グループ分類に属するファンド。

また、インデックスファンドはアクティブファンドと比べて売買回転率が低く、取引の執行コストが抑えられています。売買回転率とは、どの程度の頻度でポートフォリオにある銘柄を売買しているかという数値です。この数値が高ければ高いほど、売買を繰り返していることになるため、その分の手数料が高くなります。「中央三井日本株式インデックスファンド」の回転率は0.24と、それ以外のファンドと比べて低くなっています。合併や統合などによって日経225といった指数の対象銘柄が、入れ替わったときぐらいしか売買しないからです。

国内株式型の主要アクティブファンドとインデックスファンドの売買回転率
ファンド名 純資産額(百万円) 売買回転率
Aファンド 262,419 0.49
Bファンド 193,209 0.81
Cファンド 112,170 1.60
中央三井日本株式インデックスファンド 2,400 0.24
  • データは2007年11月末基準。
  • 売買回転率は各ファンドの直近の運用報告書から計算。売買回転率は決算期における期中の平均組入株式時価総額に対する株式売買金額(売買金額のいずれか低いほうの金額、ファミリーファンド方式の場合はマザーファンドベース)の比率で算出。

インデックスファンドは、パフォーマンスが長期的に安定しているという点も魅力です。実際の市場では2003年から2005年以前は小型株、その後は大型株が上回るなど、大きく勝ったり負けたりを繰り返していました。一方のTOPIXは大きく変動することはなく、安定的なパフォーマンスのまま推移しています。

国内株式ファンドのカテゴリー別の年間リターン順位
国内株式ファンドのカテゴリー別の年間リターン順位
  • 各カテゴリーのリターンは、モーニングスターのカテゴリー・インデックスを使用。
  • 各年の年初来から当年末のリターンを算出。ただし2007年は年初来から11月末。

もうひとつの魅力が資産規模の制約を受けないことです。アクティブファンドは資産規模が大きくなっていくに連れて、パフォーマンスの優位性が落ちていきます。なぜなら資産規模が小さい方が機動性があるからです。例えば773億円を100銘柄に投資した場合、1銘柄につき7億7,000万円ずつになります。ところが、2,600億円のときに1銘柄につき7億7,000万円ずつ投資しようとすると、計400銘柄に投資しなければなりません。銘柄数を増やした分、アナリストなどの数を増員しなければならず、コストが上がります。

  2004年11月末(1年リターン:%) 2007年11月末(1年リターン:%)
Aファンド 15.94 -1.26
TOPIX 9.91 -4.44
対TOPIX 6.03 3.18
Aファンドの純資産の推移と対TOPIXのパフォーマンス
Aファンドの純資産の推移と対TOPIXのパフォーマンス

アクティブファンドに投資する人たちは成長性を求めているケースが多く、ひとたび相場環境が悪化すると売却してしまいます。資金の流出入が多いため、運用を担当するファンドマネージャーはなかなか自分の水準で売買できません。結果的に運用パフォーマンスの棄損が起こります。一方のインデックスファンドは資金の流出入が少ないため、運用が安定しています。

国内株式型の主要アクティブファンドとインデックスファンドの3年間の資金純流入額
  純資産額(百万円) 設定額(百万円) 解約額(百万円) 資金純流入額(百万円)
Aファンド 262,419 59,277 302,346 -243,069
Bファンド 193,209 102,276 326,710 -224,434
Cファンド 112,170 12,019 97,312 -85,293
中央三井日本株式インデックスファンド 2,400 3,899 4,053 -154
  • 純資産額は2007年11月末基準。
  • 設定額、解約額、純資金流入額は、2004年11月末〜2007年11月末までの3年間の数字。

広範囲な分散投資が図られるのもインデックスファンドの大きな強みです。例えば、アクティブファンドの「Aファンド」、「Bファンド」、「Cファンド」の銘柄数は100から300銘柄ぐらいで、アクティブファンドのなかでも銘柄数の多い方ですが、「中央三井日本株式インデックスファンド」の銘柄数は1,600以上もあります。分散化が図られているため、1銘柄に対する影響力は少なくなり、大きく勝つことも負けることもありません。もちろん上位10銘柄への集中度も20.5%と低く、業種の分散も図られています。

ファンド名 純資産額(百万円) 銘柄数 上位10銘柄の集中度(%)
Aファンド 262,419 303 25.1
Bファンド 193,209 241 30.7
Cファンド 112,170 105 27.9
中央三井日本株式インデックスファンド 2,400 1,657 20.5
  • データは2007年11月末基準。
  • 銘柄数および上位10銘柄の集中度は各ファンドの2007年12月の月報(データは11月末)。
  • Bファンドのみ12月21日の週報。

 

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