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第2部:中国株投資の魅力

講師:三井住友アセットマネジメント株式会社
アジア中国運用グループ シニアファンドマネージャー 上原義信氏
消費、輸出、投資の成長エンジンが経済をけん引
中国経済は4年連続で10%以上のGDP(国内総生産)成長率を遂げています。当社のエコノミストの予測によると、2007年のGDP成長率は11%を超え、北京オリンピックが開かれる2008年も10%を上回る見通しです。生産人口(15〜65歳)比率が2010年代半ばまで上昇することや、高い貯蓄率による資本ストックの積み上げなどが期待できるため、2015年ぐらいまでは8-9%のGDP成長率が続くと思われます。
- 主要国の中で際立つ成長率
- 各国の実質GDP成長率比較

(出所)各国統計などを基に三井住友アセットマネジメント作成
中国のGDP規模は世界で4番目ですが、1、2年のうちにドイツを抜き去り、2010年代半ばまでには日本も抜き、米国に次ぐ経済大国になるのも時間の問題でしょう。
- 中国の経済規模は、既に先進国並みに
- 各国の名目GDP比較(2006年)

(注)為替レートは、1米ドル119.07円(2006年12月末)で換算。
(出所)IMF「World Economic Outlook」より三井住友アセットマネジメント作成
中国は世界経済における存在感を強めています。GDPは世界全体の約5%に留まりますが、原油消費量は7%強、石炭は30%以上、鉄鉱石は約30%、セメントは約40%で、中国抜きで世界経済を語れなくなっています。
一方、2008年の北京オリンピックで中国の経済成長は止まるという悲観論もあります。しかし、オリンピック開催による経済効果はGDPをわずか0.4%引き上げる程度しかありません。その理由は中国経済全体に占める北京経済のウェイトが中国経済全体のおよそ3.5%と非常に小さいからです。
中国の一人当たりのGDPは1970年代の日本程度の水準でまだまだ成長の余地があると考えています。以下に中国経済をけん引する3つの成長エンジンについてお話します。
- 中国1人当たりGDP
- 日本の1人当たりGDPとの比較

(注)点線枠は日本、実線枠は中国のイベント。
(出所)IMF、中国国家統計局、北京市、上海市、内閣府の資料等のデータより三井住友アセットマネジメント作成
ひとつ目が消費の拡大です。例えば、携帯電話の加入者数は日本をはるかに超えていますが、普及率は39.5%と日本の半分程度。自動車の販売台数は米国に次いで世界で2番目ですが、世帯普及率を見るとほんの数%です(日本は約140%)。不動産も今後大きな需要が見込めます。2005年から2015年までの10年間で、都市部に1億3千万人の人口が流入する見通しですし、国有企業から払い下げられたかつての社宅の建て替え需要も高まっています。
- 日本・中国携帯電話加入者数

(注)データは2007年9月末現在。普及率は、2006年時点の人口により算出。
(出所)Ministry of Information Industry、社団法人 電気通信事業者協会HP、世界人口白書2006年を基に三井住友アセットマネジメント作成
- 自動車販売台数の推移

(出所)中国汽車工業協会、日本自動車工業会、Ward’s Automotive Reportのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2つ目が輸出です。中国の貿易黒字は急速に増えています。この勢いは今後も止まらないでしょう。中国は、原材料を輸入し、加工してから輸出する加工貿易が多いですが、輸入していた部品などの中間財も国内で生産できるようになってきているため、貿易黒字がなかなか減りにくい構造になってきました。世界経済の混乱や人民元の大幅切り上げなどがない限り貿易黒字は減少しないものと見込まれます。
- 中国の貿易の伸びと貿易収支

(注)2007年は、10月までのデータ。
(出所)CEICデータより三井住友アセットマネジメント作成
3つ目がインフラ投資です。北京オリンピックや上海万博が終わったからといって投資が一段落するわけではありません。北京オリンピック関連投資は約2,800億元(日本円に換算すると4兆 3,000億円)。これに対し、2020年までに鉄道整備が2兆元、発電・送電は1兆 4,000億元です。特に都市部では最近、地下鉄やモノレールなど都市交通への投資(約8,000億元)が計画されているなど、インフラ整備でビッグプロジェクトがいくつも控えています。
- 中国経済のビッグプロジェクト

(注)1元=15.006円(2007年11月30日現在)として換算。
(出所)各種報道資料などより三井住友アセットマネジメント作成
金融引き締めは中長期的な経済成長に寄与
中国経済に対する懸念材料としては人民元の切り上げが挙げられます。人民元の水準訂正の必要性については異論の余地はないと思われますが、社会不安の誘発リスクや政治的なメンツを考えると、一挙に切り上げることはないでしょう。年率で7―10%ぐらいのペースで切り上げていくと思われます。
- 中国の為替制度
- 2005年7月21日に対米ドルで約2%の人民元切り上げを実施し、2007年5月21日から対米ドルの一日の変動幅をこれまでの±0.3%から±0.5%まで拡大しました。

(注)データは2005年1月1日〜2007年11月30日。
(出所)Bloombergデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
もうひとつの懸念材料は金融引き締めです。現在、中国政府はインフレ(6%程度)抑制と過剰流動性のコントロールの目的で金融引き締めを行っています。輸出超過の結果、中国国内に溜まった行き場のないお金が不動産や株式市場に向かい、バブルの温床になる可能性があるため、特に過剰流動性が問題視されており、引き締めの手を一気に緩めることは考えづらいと思います。
一般的には金融の引き締めは株式市場にとってマイナスですが、中国の場合は事情が異なります。今後も金融引き締めが続くからといって、必ずしも株式市場に対して弱気になる必要はありません。引き締めによって、11%を超えるGDP成長率を潜在成長率である8―9%程度に落ち着かせることは、むしろ持続的な成長のためには必要となります。
- 中国の政策金利

(注)データは1993年7月11日〜2007年11月30日。
(出所)中国人民銀行のデータを基に三井住友アセット マネジメント作成
- ソニーバンク投資信託セミナー:2007年12月20日「ブラジル・中国・インドの魅力に迫る!」(はじめに)
- 第1部:ブラジル株投資の魅力
- 第2部:中国株投資の魅力
- 消費、輸出、投資の成長エンジンが経済をけん引
- PERが20倍以上でも必ずしも割高とはいえない
- 第3部:インド株投資の魅力


