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新興国ファンドの選びかたの留意点
リスクとして挙げられるもの

新興国ファンドへ投資する際のリスクについて、もう少し見ていきましょう。新興国に限らず、投資する際のリスク要因としてはこれまで見てきました価格変動のリスクがまず考えられますが、ほかにその国独自の政情不安や地理的なものから来る地政学的リスク、カントリーリスク、インフレリスク、為替リスク、金利リスクなどがあります。
このうち、インフレリスクについては、先進国とBRICs及びVISTAの諸国の消費者物価指数を見ると、やはり新興国の消費者物価指数が高くなっています。これは、経済の成長過程にあれば、ある程度当然であり、インフレリスクというほどのものではないといえます。たとえば、日本が高度成長を遂げた1960年代から1980年代を見ても、消費者物価指数は5〜10%の間にありました(第1次石油危機のときは25%近くまで上昇しました)。新興国の中でも、数年前までは消費者物価指数が対前年比で数十%という国がありましたが、最近では10%以下で落ち着いているようです。
金利リスクについては、米国の金利情勢は、日本はじめ各国の株式市場に影響を与えます。米国の利上げは株式市場にはマイナスの影響となりますが、これは新興国に限るものではありません。むしろ、新興国市場特有の問題としては、その国の経常収支(国際収支ベース)で赤字が続くと、対外債務がリスク要因となります。内外要因としては、世界経済が急激に減速したりすると、資金調達の問題等がリスクとなって顕在化してきます。資本流出が通貨暴落につながり、経済危機に陥るというマイナス現象がスパイラルとなって発生するということになります。また、地政学的リスクとしては、政情不安のある地域などは、テロや戦争に巻き込まれる危険が常に付きまとうこともあります。さらに、国によっては外国人投資家に対する規制があるところもあり、投資した資金がすぐに流通しない流動リスクも伴うでしょう。
個別銘柄に投資する際のリスクのとらえかた
たとえば、ここでVISTAと呼ばれる新興国ファンドに投資する場合のリスク及び留意点について見て みましょう。
個別銘柄リスク
個別の銘柄リスクとしては、価格変動リスクがまずあげられます。つまりリターンに対するリスクです。
これについては前回説明したリスク・リターンと相関関係により、いくつかのファンドを組み合わせて、
分散して投資することである程度ヘッジ(回避)できます。
相場のファンダメンタル
輸出産業を中心に企業業績の進展、鉱工業生産指数の安定的な成長等、国全体のファンダメンタルズか安定した相場展開が続いているかを見ます。
割安感
バリュエーションの観点で先進諸国やBRICs、東欧諸国と比較して、株式市場には割安感があります。海外株式市場が上昇する局面では、上昇余地は大きいと予想されます。
為替リスク
原油価格下落、グローバル株式市場の回復等が要因となり、株式市場並びに為替市場が大幅上昇することがあります。
金利リスク
米国の利上げに伴い、景気が減速する懸念があります。
成長率
実質GDP成長率が低下し、減速感がある国もありますが、インフレ率低下により安定した経済成長が見込まれています。
政情不安
トルコでは2007年5月に大統領選挙が予定されています。安定政権が継続される見込みですが、軍部等の一部勢力が大統領選挙の動向に影響を与えるのではと若干懸念されています。
テロ、クーデター
2006年9月タイのクーデターを発端にエマージング市場全体の下落と米国の景気減速懸念等により株価が下落しました。
インフレリスク
2006年上期に原油価格高騰でインフレ率が急上昇しました。現在は、内需の抑制などにより、インフレ率の低下傾向が定着しています。
EU加盟
EU加盟によってその国の株式市場への資金流入が期待されます。
新興国市場の投資機会
ここまでで、新興国市場にはリスクがいっぱい、というふうに考えられたかもしれません。しかし、逆 に考えれば、こうしたもろもろのリスクが一つ一つクリアされていれば、新興国市場ほど魅力的なマーケ ットはないかもしれません。その魅力とは、まだあまり手をつけられていない市場だから、とも言えます。 つまり、投資機会における非効率性がそこに存在するからです。「非効率性」というのは、投資に関する情 報(有利・不利)がすぐに市場の投資家に広まらないということで、以下のように考えられます。
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アンダー・リサーチ(リサーチされていない銘柄の存在) アンダーバリュー(割安銘柄の存在) アンダー・オーンド(限定的な資金流入) |
つまり、新興国市場には割安の「お宝もの」がまだまだ埋もれているということです。では、こうした投資機会を前にして、個別銘柄を探すにはどうしたらいいでしょうか。
最良のファンドを見つける投資プロセス
個人投資家が新興国市場の個別株式や個別債券を探すのはたやすいことではありません。個人投資家が比較的簡単にできることは、まず新興国市場に投資しているファンド(投資信託)をいくつか選ぶことから始まります。その上で、そのファンドが投資している国がこれまで掲げたリスクをクリアしているか、そして、その国の地場の知識と現地での企業調査により割安銘柄を発掘しているか、特に組み入れている企業の経営のクオリティを重視しているかが重要となってくるでしょう。また、よく知られていない国であるからこそ、現地のスタッフ(アナリストやファンドマネジャー)をかかえた実績のある運用会社に運用を委託しているかどうかということも重要になってきます。
こうしたプロセスはネット社会の現在、個人でも簡単にできます。そのファンドを扱っている販売資料や目論見書で確認することで新興国市場への投資の一歩が踏み出せるでしょう。それによって、これから投資するポートフォリオの中に、新興国ファンドという新しいアイテムが加わることでしょう。
- 新興国の経済成長
- 新興国市場の投資環境
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- レポート提供:モーニングスター株式会社
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