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モーニングスター分類に見る新興国ファンドとの付き合いかた
指数をはるかに上回るリターンが期待できる
前回で新興国の国別騰落率(リターン)を見てみましたが、では、こうした新興国への投資が、ほかのカテゴリーの投資と比べて、どういう位置にあるかを検討してみましょう。
2007年3月末現在、モーニングスターでは、過去3年間の国際株式ファンドと国際債券ファンドの主なピア・グループ(同分類グループ)平均のリターンを分布しています(図9)(図10)。
表では3年リターンをもとにランキングしていますが、国際株式ファンドでは上位に「中国」、「エマージング」(新興国)、「アジア・オセアニア」がランクされています。国際債券ファンドでも「エマージング」がランクトップにあります。しかも参考指数をはるかに上回るリターンとなっています。たとえば、外国株式 の参考指数は「MSCI コクサイ(ワールド除く日本)インデックス(円ベース)」で、3年間のリターン(年率)は17.35%です(図11)。「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」は32.10%ですから、そのリターンの高さが伺えます。
しかし、いくらハイリターンでも、リスクが高いのであれば、やはり新興国への投資には踏み切れません。 3年間のリターンとリスクの関係をカテゴリー別に見ると、確かに株式ファンドは「エマージング」と「アジア・オセアニア」がハイリスク・ハイリターンの位置にあります。債券ファンドのグループで見ても、同様のことが言えます(図12)。これでは、やはり個人投資家には「怖くて」手が出ないでしょう。成長率もリターンも魅力だし、注目されているにもかかわらず、黙って見過ごして、投資で遅れを取るしかない のでしょうか。




リスクを相殺する相関と分散の考えかた
新興国市場への投資がハイリスクだからといって、ハイリターンをあきらめることはありません。現代ポートフォリオ理論の最大の功績の一つは、リスクを調整していかにリターンをぶれさせずにリターンを得るかということにあります。これは、まさに新興国市場への投資にも言えることです。
過去3年間の相関関係を見てみましょう。(図13)の表で、「1」に近い数字で表示されているのがそれぞれの相関が高い、つまり互いの証券が同じように市場に対して反応することを意味します。逆に数字が小さくなるほど(「-1」に近づくほど)、互いの市場での動きが反対方向に動きます。相関係数が「-1」であれば、Aファンドが上昇した場合、Bファンドは下落するという具合に正反対の動きをするわけです。
この図で、「国際株式・エマージング」は、「国際株式・アジアオセアニア」、「国際株式・欧州」と相関が高くなっています。相関が低くなるのは「国内債券」、「J-REIT」ですから、これらのファンドとの組合せがリスクを減らす分散と考えられます。
債券については、「国際債券・エマージング」と相関が高いのは「国際債券・北米」、「国際債券・低格付」です。相関が低いのは「J-REIT」「国内債券」となり、これらとの組合せによりリスクを減らすことができます。

リスクを減らしてリターンを取る
リスクを減らしても、リターンが減っては何の意味がないという考えがあるでしょう。リスクを取った分、その見返りがほしいのが投資家の心情です。リスクに対してどれだけのリターンの見返りがあったかを表すのが「シャープレシオ」といわれるものです(図14)。
モーニングスターカテゴリーでこのシャープレシオを比較して見ますと、「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」(6位)、「国際株式・アジア・オセアニア(為替ヘッジなし)」(11位)、「国際債券・エマージング(為替ヘッジなし)」(12位)、「国際株式・エマージング」(13位)と、比較的上位にランクされて います。これは、新興国市場への投資が他のカテゴリーと比較しても何ら遜色がないということにほかありません。 なにしろ、日本国内の株式に投資するファンドでも下位にランクされているわけですから。
これまで見てきたように、新興国市場への投資でも、ファンドの分散投資により積極的にリスクを取りつつも、それを上回るリターンを得る投資が可能であるということです。

個別銘柄のコストリスクの確認
以上に加えて、個別銘柄を選択する場合に発生するリスクとしてコスト上のリスクをあげておきます。 ファンドのコストとしては信託報酬がかかります。信託報酬はファンドを保有している限りずっとかかっ てくるコストで、リターンから差し引いて考えなければならないものです。(図15)で見ると、新興国市 場のファンドには今のところ、比較的高い信託報酬がかかっています。同じカテゴリーの銘柄に投資する 場合は、こうしたコスト比較によってコスト低減を図るよう選択することが必要です。

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- レポート提供:モーニングスター株式会社
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