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ベトナム動向レポート
ベトナムは実体経済に比べて株式市場が未整備で規模が小さいため、投資に当たっては長期的な金融市場改革がポイントとなります。
政治
2006年6月の第11期第9回国会にて就任したグエン・タン・ズン首相、グエン・ミン・チエット国家主席両者は、2007年7月の第12期国会において再任されるなど、政治状況は安定しています。
経済政策は、1986年から続くドイモイ(刷新)路線を継承し、株式市場の改革を含めた経済成長を重視した政策を取っています。また、2007年1月にはWTO(世界貿易機関)の加盟が承認された事からベトナム経済への注目は高まっています。
経済
直接投資の堅調な伸びを背景に、2007年1―9月期で鉱工業生産指数が14.5%の伸びになるなど高い経済成長が続いています。一方、貿易収支は、設備投資向けの機械輸入が拡大し、1―9月期で76.36億ドルの赤字となっています。
社会経済開発五ヶ年計画(2006年〜2010年)の目標値では平均実質GDP(国内総生産)成長率を7.5〜8.0%とし、インフラ整備に1,382億ドルを投じる計画となっています。一人あたりGDPは2005年の640ドルから2010年には1,050〜1,100ドルを目指しており、達成のためには資本市場の整備と拡大が急務となっています。
2000年に株式市場が出来たばかりですが、資本市場の規制緩和と共に株式上場が相次ぎ、ハノイ・ホーチミンの両証券取引所の上場企業数は2005年末の41社から2006年末で193社に増加するなど株式市場は成長しています。2006年から海外資金流入も進み、ベトナム株価指数は、2007年3月に1,137.8ポイントの高値を付けました。
- ベトナムのGDP成長率とインフレ率

注:2007年以降の数値については推定値とする。
出所:International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, October 2007
マーケットの見通し
足下の経済は高い経済成長が続いており、2007年第2四半期の実質GDP成長率は8.0%、政府発表では年末にかけてさらに成長が加速するとみており、2007年通期の実質GDP成長率見通しを五ヶ年計画達成水準の8.5%としています。
一方、2007年6月時点で7.8%だったCPI(消費者物価指数)上昇率は9月時点で8.8%と上昇傾向となっており、今後もインフレには注視が必要といえます。
政府は、2010年までに投資をGDP比で40%までに拡大する事を目標として掲げていますが、いかにインフレを抑制しながら投資を支えていくかが重要な課題です。過剰流動性を起こさずに、経済成長に必要な投資に資金供給していくためには株式市場による調達がなければ困難といえます。エマージング各国と比較しても、資本市場規模が小さく未熟であり、市場の拡大による様々な問題発生も想定できますが、これからも新規株式公開の増加によって資本市場は活性化していくと考えられます。今後もベトコムバンク(ベトナム外商銀行)などの大手企業の上場などが控え、IPOが市場を刺激していくと考えられます。
(株)インド・ビジネス・センター
須貝信一
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