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中国動向レポート
中国は、短期的には不動産、金融市場に対しての過熱感のコントロール、中長期的には『科学的発展観』をもとにした持続可能な経済成長シフトがポイントとなります。
政治
2007年10月の中国共産党第17回全国代表大会を経て胡錦濤書記長の2期目がスタートしています。
『科学的発展観』という持続可能な発展を目指す戦略を掲げ、2020年までに一人当たりのGDP(国内総生産)を2000年と比べて4倍に増やすという数値目標を表明しました。『科学的発展観』の内容は、『知的財産戦略の実施』、『消費の拡大による均衡の取れた経済成長』、『農村経済の発展』、『省エネ、環境保護』、『地域格差是正』、『国有企業改革』など多岐にわたるものとなっています。
政治局常務委員が選出され、江沢民派に配慮した人事内容となりましたが、世代交代も意識した人事となっており、胡錦濤体制が磐石なものとなっている事を示しています。今後も政治は安定的に推移すると考えられます。
経済
不動産関連や耐久消費財の好調な伸びに支えられ、実質GDP成長率は、2007年7―9月期で11.5%の高い伸びとなりました。一方、10月CPI(消費者物価指数)上昇率が6.5%となるなどインフレ懸念が強まっています。これは、バイオエタノールの原料となるトウモロコシの価格が高騰し、それをエサとする豚などの畜産価格が上昇するなど、商品価格の影響によるものです。
また、不動産、金融市場に対する投資の過熱に対して当局も警戒しており、2007年に入り11月現在で、利上げを5回、人民銀行手形の発行が3回、預金準備率の引き上げを9回(11月26日実施予定分を含め)行うなど、引き締めのペースとしてはかなり早いものとなっています。
- 中国のGDP成長率とインフレ率

注:2007年以降の数値については推定値とする。
出所:International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, October 2007
マーケットの見通し
インフレへの対策として、短期的には過剰融資の抑制、預金準備率の引き上げ、金利引き上げ、人民銀行手形の発行などによる金融引き締めが続くと予想されます。
また、株式市場においては、金融引き締めの一方、金融市場の開放がさらに進展することで、A株とH株の差が縮小、つまり香港H株市場が中国本土A株市場にサヤ寄せして上昇する展開が期待されています。
中国本土、香港、海外に分断されている中国株式市場を緩やかに開放する試みが始まっています。最も市場から期待されているのは港股直通車(本土の一般投資家による香港株投資)で、8月半ばから10月半ばまでの2ヶ月で香港H株指数は2倍となりました。今後、いかに過度な資産インフレを起こさずに市場に材料を提供していけるか、中国政府の手腕が注目されます。
(株)インド・ビジネス・センター
須貝信一
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