MONEYKitトップ > from MONEYKit > 為替・金利レポート > 金利レポート > フィスコ金利レポート 英国金利見通し:2007年11月9日
11月8日に発表された英国中央銀(以下、英中銀)の政策金利は5.75%で現状維持となりましたが、利下げを期待する声が一部でありました。英国の金融機関の資金調達は決して楽な状況ではないとの見方も少なくないだけに、英中銀はこれまで以上に多くの要素を考慮しながら、今後の金融政策のあり方を考える必要があります。
英中銀が11月も金融政策の現状維持を決めた主な理由は「もはや利上げを検討する状況ではない」ということだと思われます。短期金融市場における資金調達コストが12月末にかけて再び上昇するのではないか?との懸念は未だに払拭されておらず、ポンドLIBOR(ロンドン市場銀行間出し手レート)の1ヶ月金利は9月上旬に6.6%台に上昇し、11月以降は5.9%台に低下したものの、金利は高い水準で推移しています。
追加利上げの可能性がほとんどない状況での5.9%台の金利水準は妥当ではない(少々高い)との意見もありますが、市場関係者の一部では「調達コストは無視できないが、十分な資金量を確保することが先決」と考えているようです。しかし、問題となるのは年末にかけてこの金利水準が維持できるのかどうかという点です。11月21日に公表される英中銀金融政策委員会会合(11月会合分)の議事録で、英中銀関係者が金融機関の資金調達状況について強い懸念を共有していた場合は、短期金融市場に無用の不安感が広がる恐れもあります。
英中銀は12月も政策金利を現状の5.75%に据え置く可能性もあります。金利据え置きの必要条件は、1)インフレ見通しに変化がないこと、2)短期金利(特に1−3ヶ月物金利)の安定、の2点であると思われます。インフレ見通しについては、11月14日に公表する「四半期物価報告」の中で詳細に説明される予定ですが、現在の短期金利は潤沢な資金供給が当面続くことを前提としており、この前提条件が崩れた場合は、今後発表される英主要経済指標内容や各国資本市場の状況次第(例えば株式相場)で短期金利水準が大きく変動する可能性もあります。
10月の英中銀金融政策委員会会合では、ブランチフラワー委員が最近の経済情勢を考慮して利下げを主張しましたが、10月時点で市場関係者の多くが利下げを想定しなかったことや、早急な利下げ実施は市場関係者に対して誤ったメッセージを与える可能性があるとの意見もあり、結果的には8対1の賛成多数で金融政策の現状維持が決まりました。
しかし、11月の会合で複数の委員が現状維持に反対(利下げを支持)していた場合は、次回12月の会合で利下げの期待が高まることになります。ただし、米FRB(連邦準備理事会)が12月も利下げを実施する可能性が浮上している中で英中銀が12月も金融政策の現状維持を続けた場合、株式市場や短期金融市場が少々混乱する可能性がないとは言えないと思われます。今のところ、英中銀が金融市場に追随する形で利下げを決定することはないとみられていますが、英大手銀行の経営不安、資金調達力の低下なども含めて国内外の経済・金融情勢が予想以上に変化した場合は、インフレ率が現在と同じ状況でも12月に利下げを実施する可能性は高いと思われます。
その他、最近のポンド高(ポンド・ドル相場が26年ぶりの高値圏に上昇)やドル相場全般の動向も無視できない要因です。英中銀の「次の一手」が利下げとなる可能性は一層高まっています。
11月中に発表される主要経済指標では10月消費者物価指数(14日:予想+1.9%、9月+1.8%)や10月小売売上高指数(15日:前月比予想+0.0%、9月+0.6%)と10月マネーサプライM4(20日:前年比予想+13.0%、9月+12.8%)などが今回も注目されることになりそうです。
| 11月9日時点 | 1ヶ月後予想 | |
|---|---|---|
| 政策金利 | 5.75% | 5.50〜5.75% |
| 英国2年国債利回り | 4.74% | 4.55〜4.75% |
| 英国10年国債利回り | 4.73% | 4.60〜4.80% |
株式会社フィスコ
小瀬正毅
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レポート提供:株式会社フィスコ
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