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金利レポート
フィスコ金利レポート ユーロ金利見通し:2007年11月9日

11月8日のECB(欧州中央銀行)定例理事会では、大方の市場予想通り、政策金利を4.0%と据え置きとしました。

定例理事会後の記者会見で、トリシェ総裁は、「2008年に再び鈍化するまでインフレは向こう数ヶ月2%越えが続く」、「ECBは物価安定への上振れリスクに対処する」ため、「常に警戒態勢、行動の用意がある」、と述べています。
一方で、「金融市場の混乱は見通しが更に不透明となったことを意味し、不透明感の水準は1ヶ月前と同水準」と述べました。また、「成長に関するリスクバランスは下向き」と景気下振れリスクを認めており、結果的に「ECBは全ての展開を綿密に監視」する、と引き続き様子見の姿勢をとりました。

ユーロ圏の景気は、製造業の景況感が踊り場入りしていることに加え、金融市場ではサブプライム(信用力の低い層を対象とした住宅ローン)問題の影響で、貸し出しなどに関する金融機関のリスク許容度など信用の状況が引き締まっています。これは、10月公表のECBによるユーロ圏の金融機関に対する調査で判明したのですが、企業金融においてまだ間接金融の影響力が大きいユーロ圏では気がかりなシグナルです。
また、製造業の景況感についてはユーロ高が響き9月のドイツの製造業受注は資本財中心に落ち込みが見られました。更に、インフレの昂進で、消費者心理も悪化しています。インフレについては、エネルギー価格が少々上がろうとも他のモノの幅広い需要減退と同時に起こっているなら、支出の内訳の変更となり、全体のインフレは案外落ち着いたものとなりますが、需要サイドでは、エネルギー価格のみならず食料品の顕著な値上がりも観察されています。インフレがモノと貨幣の相対関係である点からは、貨幣の供給面、つまりマネーサプライの伸びに関しては、9月のM3の伸びが11.3%と低下したとはいえまだまだ高くなっており、マネーサプライを重要視するECBにとっては、将来のインフレ圧力は無視できない水準です。またユーロ建て金価格が上昇していることも懸念すべき点です。

メインシナリオは、金融市場の混乱、米景気下方屈折リスク、ユーロ高などの短中期の実体経済の下振れリスクを重視するか、中長期的インフレリスクを重視するかというジレンマにおいて、ECBは恐らく「政治的安全策」として、当面現状維持を貫く可能性が高いと見られます。
ECBは、Fed(米連邦準備理事会)のように「雇用の安定」と「物価の安定」という二兎を追うことを政策目標として義務付けられていないだけに、今後よほど域内の金融機関による信用の劇的・持続的な引き締まりが観察されない限り、中央銀行の中では一番金融緩和が遅れるでしょう。

リスクシナリオは、インフレファイターといわれたブンデスバンク(ドイツの中央銀行)の意思を引き継いでいるECBが、「物価の番人」の地位から早い時期に離れてしまうリスクです。万一、ECBが金融緩和に踏み切ってマネーの供給増を通じて域内の景気てこ入れを図った場合は、1970年代の高インフレ並みとは行かないまでも、グローバルなインフレの急激な上昇に我々は備えなければなりません。

 11月9日時点1ヶ月後予想
政策金利現行4.00%4.00%
2年国債利回り3.81%3.65〜4.10%
10年国債利回り4.09%3.90〜4.35%

株式会社フィスコ
田浦哲哉

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レポート提供:株式会社フィスコ

http://www.fisco.co.jp/

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