MONEYKitトップ > from MONEYKit > ファンドマネージャーインタビュー > ファンドマネージャー・インタビュー Curt M.Burns氏 > サブプライムショックから立ち直ろうとしている米国経済
サブプライムショックから立ち直ろうとしている米国経済
- ――
- 市場関係者や一般の投資家にとって、今後考えられるリスク要因は何ですか。
サブプライムローン問題の影響で、現在の資本市場は信用不安が高まっており、資金の流動性が緩慢になっています。一連の問題はテクニカルな要因ではありますが、仮に不安が大きくなるようであれば、やがてファンダメンタルズな要因となり、経済全体が悪化する可能性も否定できません。そのため、慎重に今後の推移を見守る必要はあります。
しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月18日、最重要の政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を0.5%引き下げました。この決定は市場関係者に大きな驚きをもたらしましたが、FRBが資金の流動性を高め、不安を積極的に解消しようという姿勢は、希望を持って迎えられました。また、3.8%の米GDP成長率を見れば、今後の米国の景気見通しは悲観的にはならないだろうと思われます。
- ――
- サブプライムローン問題による市場の混乱局面において、ファンドの運用はどのような対応を迫られましたか。

カート・バーンズ氏(左)とインタビューで通訳をしていただいたPPM AMERICA 山川氏(右)
私が運用を担当する「PCA米国高利回り社債オープン」は、業種別配分、組入銘柄銘は基本的にそのままです。
PPMアメリカには、私のようなアセット・ポートフォリオマネージャーのほか、クオンツ・アナリスト(計量分析を行うアナリスト)やトレーダー、クレジット・アナリスト(信用リスクを調査するアナリスト)など、さまざまな専門家がいます。サブプライムローン問題が表面化した8月も、彼らの調査・分析情報を収集し、議論を交わしながら問題の本質を見極めていきました。
その結果、サブプライムローン問題はテクニカルな問題に過ぎず、ファンダメンタルズも大きく変化していないため、ポジションを変更する必要はないと判断したのは前述の通りです。
- ――
- ポートフォリオを変更しなかった、というのは意外ですね。
たしかに8月には一時的に影響を受けたものの、ハイ・イールド社債のリターンはマイナスにはなりませんでした(図表3)。その後、現在にいたるまで、堅調にパフォーマンスは回復を遂げています。これは、ポートフォリオを変えなかったことで、資本市場の回復をダイレクトにとらえることができたからに他なりません。
もし、テクニカルかファンダメンタルズかの見極めを十分にせず、慌ててポートフォリオを組み替えていたとしたら、おそらく現在のような回復は見込めなかったでしょう。逆に、ファンダメンタルズな要因であると判断した場合は、迷うことなくポートフォリオを然るべき形に組み替え、経済環境の推移に対応したと思います。
- ――
- 個人投資家は、今回の問題からどのような教訓を学べるでしょうか。
投資には、さまざまな報道や情報を頼りにする場面があります。しかし時には、たとえ他人が間違っていると言っても、自分が正しいと思うものに徹底的にこだわる勇気も必要です。私の場合は、歴史書を読むのが好きということもあり、過去のデータと経験が大きな頼りとなりました。市場の良いときも、悪いときも知っていますから、決して慌てるようなこともありませんでした。
今回のサブプライムローン問題は、自分なりの判断基準やポリシーを持ち、一貫した投資を行う重要性を、改めて示したのではないでしょうか。
2007年アセットクラス別パフォーマンス

出所:リーマン・ブラザーズ

Curt M. Burns(カート・バーンズ)氏
所属: ピーピーエムアメリカインク、
マネージング・ダイレクター ハイ・イールド・ポートフォリオ・マネージャー
経歴:ノースキャロライナ大学生物学部卒業、エモリー大学経営学修士(MBA) 。メリルリンチ・アセットマネジメント、サンアメリカ、メトロポリタンウェスト・アセットマネジメントにて、社債のポートフォリオマネージャーやクレジットアナリストを歴任し、2003年3月よりピーピーエムアメリカインク入社、現在に至る。投資業務に17年携わる。
米国公認証券アナリスト(CFA)
(このインタビューは2007年10月10日に行われました。)
- テクニカル要因か、ファンダメンタルズ要因か
- 1998年と類似する、現在のハイ・イールド社債市場
- サブプライムショックから立ち直ろうとしている米国経済
- インタビュー後記(from MONEYKit編集部より)


