MONEYKitトップ > from MONEYKit > 為替・金利レポート > 金利レポート > フィスコ金利レポート 英国金利見通し:2007年10月9日
10月4日に発表された英国中央銀行(以下英中銀)は、5.75%の政策金利据え置きを決定しました。直前までは、米サブプライムローン(信用力の低い層を対象とした住宅ローン)問題の余波で資金調達難に陥っていた英ノーザンロック銀行で預金取り付けが発生した事態を重く見て、利下げの可能性も噂されていました。英中銀が利下げを見送った理由は、米国資本市場における信用収縮不安がひとまず後退したことや、英国のインフレ見通しについて英中銀が楽観的になれないためだとみられています。
利下げ見送りは妥当な判断だと思われますが、注意すべきは短期金融市場における資金調達コストが12月末にかけて再び上昇するのではないか?と懸念されていることです。9月末における資金繰りについては大きな問題はなかったようですが、今後の資金調達については現時点でも少なからず問題がある金融機関が存在するとみられており、英中銀が金融市場の流動性維持のために潤沢な資金供給を継続する可能性は高いと思われます。雇用やインフレ関連の指標が予想外に強い内容(金利上昇を連想させるような数字)でなければ、英中銀が利上げを検討する可能性はほとんどなくなったと言っても過言ではないでしょう。
現時点では英中銀の政策金利は11月も現状の5.75%を続けると予想されますが、市場参加者は、17日に発表予定の議事録の内容を点検する必要があります。英中銀金融政策委員会のメンバーの中で複数の委員が利下げを支持していた場合、市場関係者の間でも11月の会合での利下げ実施期待が高まることになりそうです。利下げを支持した委員がいなかった場合は、今後発表される英主要経済指標内容や各国の株式などの資本市場の動向次第となりそうです。利下げ支持者がいない場合は、英中銀が「第二のノーザンロック銀行」が出現する可能性は低いと考えている事を意味するかもしれません。少なくとも、英中銀は米FRBほど利下げの必要性を感じていないという見方は可能でしょう。
しかしながら、英中銀の金融政策の次の一手が利下げである可能性が高いことも否定できなくなっています。株式相場が不安定になった場合、安定しつつあった資本市場での信用収縮不安が再び台頭するリスクがあります。現時点ではインフレ見通しの悪化を示唆する証拠は特に見当たりませんが、9月消費者物価指数(16日:予想+1.9-2.0%、8月+1.9%)や9月小売売上高指数(18日:前月比予想+0.3%、8月+0.6%)と9月マネーサプライM4(前年比予想+13.5-13.7%、8月+13.5%)の内容が予想以上の上昇の場合は、市場の利下げ期待が後退し、その結果、株式市場などの資本市場が不安定さを増すおそれがあります。
市場関係者の多くは利下げ時期が先送りされることを警戒しているのではないかと思われます。米国市場における信用収縮不安はひとまず払拭された様子となっていますが、サブプライムローン利用者の資金返済能力が高まったわけではなく、年末にかけて利払いなどの延滞が多発する可能性は否定できないと思われます。最近の中古住宅などの販売状況を見る限り、米住宅市況の底打ちは未だに確認されていないようです。英銀大手行も米住宅ローン市場に深く関わっているとみられており、住宅市況の低迷が長期化した場合は英本国での銀行経営にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
米FRB(連邦準備理事会)は、10月末のFOMC(連邦公開市場委員会)では金融政策を変更しない可能性もありますが、12月の会合では年末の資金調達をにらんで追加利下げを実施する場合もあると思われます。英中銀は11月の会合で、利下げを見送った場合でも、米FRBと同じ理由で12月に利下げを実施する可能性があります。また、11月に利下げを行った場合でも、12月に連続利下げを行う可能性は否定できない状況だと思われます。
| 10月9日時点 | 1ヶ月後予想 | |
|---|---|---|
| 政策金利 | 5.75% | 5.50〜5.75% |
| 英国2年国債利回り | 5.09% | 5.00〜5.15% |
| 英国10年国債利回り | 4.95% | 4.85〜5.05% |
株式会社フィスコ
小瀬正毅
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レポート提供:株式会社フィスコ
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