MONEYKitトップ > from MONEYKit > 為替・金利レポート > 金利レポート > フィスコ金利レポート ユーロ金利見通し:2007年10月9日
10月4日のECB(欧州中央銀行)定例理事会は、市場の予想通り政策金利を据え置き、7月の利上げ以降、4ヶ月連続で4.0%としました。
ユーロ圏の景気は、米サブプライムローン(信用力の低い層を対象とした住宅ローン)問題の波及や、これまでの金融引き締め政策による景気の抑制効果、ユーロ高による輸出競争力の減少などから、やや踊り場的状況にあります。また、振幅の激しい独ZEW景気期待指数が大幅なマイナス圏に入り、より信頼性が高いとされる独IFO景況感指数もじわじわと低下してきています。また、ユーロ圏の鉱工業受注統計も弱含み、小売統計も予想を下回ってきています。
ECB定例理事会後の記者会見でトリシェ総裁は、「インフレリスクは依然上向き」としながらも、前回9月会見ではあった「インフレ警戒」や「金融政策は緩和的」といった言葉を使用せず、「見通しに不透明感が強まった」、「金利決定には更なる情報が必要」と述べており、市場の混乱による経済への影響についてはっきりと様子見姿勢を打ち出しました。
ECBは引き続きインフレを警戒しています。9月のユーロ圏の消費者物価指数は、原油価格の上昇などを背景として前年同月比2.1%増とECBが参照しているインフレ率2%を越えてきており、この高止まりはおおむね来年2月まで続く見込みです。
こうした中、ECBはIKB事件(ドイツIKB産業銀行がサブプライム問題で多額の損失を計上し、ドイツ復興金融公庫(KFW)が資金支援を行った)以降、インターバンク(銀行間)市場におけるリスク許容度の低下問題にも直面しています。実体経済への波及を見極めるには時間がかかりますが、この波及の度合いを見る一つのヒントとされるのが間もなく公表されるユーロ圏銀行の融資担当者の「貸出態度」調査です。この調査結果で、仮に貸出態度が大幅に厳格化していると示されれば、金融政策が一定でも金融環境は引き締まっていることを示しますから、先々の景気にマイナス要因となるはずです。フォーワード・ルッキングなスタンスで臨む中央銀行なら、一定の反応をすべきところでしょう。
このように、ECBは、景気、金融市場、インフレという三つのリスクバランスをとることに軸足をシフトしています。そして間もなく開催されるG7(財務相・中央銀行総裁会議)を控え、政界、産業界からユーロ高是正の声は非常に強くなりつつあるものの、当面様子見を決め込むことが予想されます。
過去にECB当局者は「金融政策との整合性のない介入は効果が持続しない」と述べています。つまり、金融引締めをしているのに、その通貨の売り介入をしても無意味だということです。ECBが比較的早い時期に金融緩和に踏み切るかどうかは現時点では五分五分の確率以上にはならないでしょう。
| 10月9日時点 | 1ヶ月後予想 | |
|---|---|---|
| 政策金利 | 4.00% | 4.00% |
| 2年国債利回り | 4.02% | 3.75〜4.25% |
| 10年国債利回り | 4.35% | 4.00〜4.50% |
株式会社フィスコ
田浦哲哉
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