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金利レポート
フィスコ金利レポート 円金利見通し:2007年9月19日

19日の決定会合での追加利上げは見送り

9月18日から19日にかけて開催された日銀の金融政策決定会合では、8対1の賛成多数で8月に引き続き追加利上げは見送られました。米国経済による日本経済への影響は以前よりは小さく、米サブプライムローン(信用力の低い層を対象とした住宅ローン)問題に端を発した市場の混乱が落ち着けば利上げは可能とみられていましたが、18日に発表されたFRB(米連邦準備理事会)による政策金利の0.5%引き下げ、ECB(欧州中央銀行)やBOE(英国中央銀行)の追加利上げの見送りなどから、タイミングとしても日銀の追加利上げは難しくなったものと思われます。

<各国中央銀行の動き>
9月6日ECB:政策金利据え置き(4.00%)
9月6日BOE:政策金利据え置き(5.75%)
9月18日FRB:政策金利0.5%引き下げ(4.75%)

今回の米サブプライム問題によって、今後の米住宅市場が一層悪化したり、それに影響されて個人消費低迷に繋がる恐れはありますが、世界的な景気上昇トレンドが大きく変わるとまでは考えにくいと思われます。世界経済に占める米国経済の寄与度もひところに較べれば大きく低下しています。日本の輸出状況を見ても米国向けが減少しても、それを中国など他の地域向けが補っている状況に変化はありません。
内閣府が9月10日に発表した2007年4-6月期のGDP改定値は、物価変動の影響を除いた実質値で前期比0.3%減、年率換算で1.2%減と3四半期ぶりのマイナス成長となりましたが、設備投資の数字に特殊要因も働いた影響もあり、一時的なものとも見られています。

こういった環境にもかかわらず、長期金利である10年物国債の利回りが、9月10日に1.500%と量的緩和解除前の水準にまで低下したことは、米サブプライム問題に対して過剰反応と言わざるを得ません。2年国債の利回りも9月10日に0.770%に低下し、次の利上げを無視するような水準にまで買い進まれています。
今後の長期金利の動向については、この利回り低下の反動といったものがいずれ起こってくると見ています。9月末は決算期末ということで投資家も動きづらく10年債利回りは1.6%台に乗せてくる可能性が高いとみており、金融市場の落ち着きとともに景気への影響は限られるとの認識が強まれば、10月にかけて1.7%台への利回り上昇もありうると予想しています。ただし、市場の動揺が鎮まらないようであれば、債券には「質への逃避」といったかたちでの買いが入りやすくなり、米実態経済への悪影響が顕著になれば、長期金利がむしろ低位安定してくる可能性もないとは言えません。FRBも物価動向については引き続き慎重に見ています。

次回10月10日〜11日の金融政策決定会合では、政策委員が10月以降の景気動向を日銀短観などを踏まえてどのように判断するのか注目です。日銀による追加利上げのタイミングについては、年内は難しいと言い切るだけの材料が出ているわけではありません。7月の会合以降、3回連続して水野委員は利上げを主張しています。次回10月10日〜11日の会合では短観を確認したのち、引き続き現状維持が決定されると思われますが、年内に0.25%の追加利上げが行なわれる可能性はまだ十分にあると予想しています。

過去一年間の日銀金融政策の推移

2006年10月13日現状維持、全員一致
2006年10月31日現状維持、全員一致
2006年11月16日現状維持、全員一致
2006年12月19日現状維持、全員一致
2007年1月18日現状維持、賛成6反対3(反対は須田委員、水野委員、野田委員)
2007年2月21日無担保コールレート翌日物誘導目標値を0.5%に引き上げ、賛成8 反対1(反対は岩田委員)
基準貸付利子を0.75%に引き上げ、賛成8 反対1(反対は岩田委員)
2007年3月20日現状維持、全員一致
2007年4月10日現状維持、全員一致
2007年4月27日現状維持、全員一致
2007年5月17日現状維持、全員一致
2007年6月15日現状維持、全員一致
2007年7月12日現状維持、賛成8 反対1(反対は水野委員)
2007年8月23日現状維持、賛成8 反対1(反対は水野委員)
2007年9月19日現状維持、賛成8 反対1(反対は水野委員)

予想レンジ

 9月19日時点10月11日まで
無担保コール翌日物0.5%0.5%
ロンバート金利0.75%0.75%
2年国債利回り0.795%0.7%〜1.0%
5年国債利回り1.125%1.1%〜1.4%
10年国債利回り1.590%1.5%〜1.8%

株式会社フィスコ 久保田博幸

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レポート提供:株式会社フィスコ

http://www.fisco.co.jp/

株式会社フィスコは1995年5月に設立された日本では数少ない独立系の金融市場の調査機関として、機関投資家や個人投資家へリサーチサービスを提供しています。

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