ソニー銀行のサービスサイト「MONEYKit」

  • ログイン
  • 口座開設
サイト内検索

個人と資産運用のためのネットバンク「ソニー銀行」



from MONEYKit

MONEYKitトップ > from MONEYKit > 為替・金利レポート > 金利レポート > フィスコ金利レポート 円金利見通し:2007年8月23日

金利レポート
フィスコ金利レポート 円金利見通し:2007年8月23日

市場の動揺が沈静化すれば、日銀は9月にも追加利上げを実施か

米サブプライムローン(信用力の低い個人向けの住宅ローン)問題は、一部ヘッジファンドの破綻や欧米金融機関の資金繰りの問題に発展し、さらにヘッジファンドなどがリスクリダクション(保有リスクを縮小する動き)を加速させ、欧米やアジアの株式市場を直撃しました。

日経平均は7月9日の高値18,261.98円から8月17日までに3,000円近く下落。円キャリートレード(円を借りて金利の高い通貨で運用する取り引き)の巻き戻しになどにより、ドル円は直近のドルの高値6月22日につけた124円17銭から8月17日には111円57銭まで急落し、わずか2か月余りで12円以上もの円高となりました。

これを受けて長期金利は6月13日につけた1.985%から8月21日には1.540%へ0.4%以上もの利回り低下となりました。5年債利回りも6月13日の1.605%から8月17日には1.085%をつけ、わずかな間で0.5%以上もの利回り低下となりました。

今回の米サブプライムローン問題に端を発する信用収縮懸念は、日本の金融機関などへの影響は限定的とみられていますが、欧米の株式市場の下落や、円キャリートレードの巻き戻しなどによる円高などから、国内でも安全資産への資金シフトが生じたものとみられます。

米国でのコマーシャルペーパー(商業約束手形)からTB(財務省短期証券)への資金シフトについては、欧州の銀行などが、サブプライムローンを担保としたコマーシャルペーパーを発行して資金を得て、CDO(資産担保証券)などを購入していたことが影響していました。しかし、日本国内においてもコマーシャルペーパーや、レポ(債券貸借取引)レートの金利が上昇したことは、やや過剰とも言える反応でした。

日本における長期金利低下の背景には、8月22-23日の金融政策決定会合での追加利上げ見送り観測といったものも影響しました。市場の混乱が落ち着けば利上げは可能とみられていましたが、8月17日にはFRB(連邦準備制度理事会)は公定歩合を0.5%引き下げ、市場に資金を潤沢に供給するなどしており、タイミングとしても日銀の追加利上げは難しい状況となりました。

しかし、長期金利が1.540%と量的緩和解除前の水準にまで低下したことは、やはり過剰反応と言わざるを得ません。今回の米サブプライムローン問題は今後の米住宅市場のより一層の悪化や、それに影響されての消費低迷に繋がるおそれはあります。しかし、世界的な景気トレンドが大きく変わるとまでは考えにくいと思われます。世界経済に占める米国経済の寄与度もひところに較べれば大きく低下しています。日本の輸出をとって見ても、米国向けの減少を他の地域向けが補っている状況なのです。

米国経済が大きく低迷するようなことになれば、欧州やアジア経済全体への影響も少なからずあるため、その動向にも注意は必要ですが、やや懸念が先走りしすぎている感もありました。8月21日に米リッチモンド地区連銀総裁は講演で「最近の市場の混乱が消費支出を減速させる確率は比較的小さい」とも述べています。

信用収縮への懸念は引き続き予断は許さないものの、市場は次第に落ち着きを取り戻してくるとみられます。米公定歩合の引き下げに加え、8月21日にはバーナンキFRB議長が市場混乱の沈静に向けて確実に全ての手段を講じる姿勢を表明したと伝えられたことも市場では好感されました。

このように金融当局が本腰を入れて対策に乗り出す姿勢を明確にすることにより、漠然とした市場参加者の不安感や不信感は次第に後退すると思われます。この相場波乱に乗じて仕掛け的な動きをしていた市場参加者もいたことで、そういったポジションの巻き戻しといった動きも入りやすくなるでしょう。

しかし、サブプライムローンに代表される米国住宅ローンの問題がすぐに改善されるわけではなく、またCDOといった複雑な金融商品に対してのリスク評価や格付といった問題も残ります。

9月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)、もしくはそれ以前での政策金利の引き下げを期待する声も強いことも確かです。しかし、今回のようなリスクの所在がはっきりしない不透明な状況を利下げでは払拭はできません。FRBも物価動向については引き続き慎重に見ており、景気減速がはっきりと確認できない状況では利下げは難しいと思われます。米リッチモンド地区連銀総裁は講演で「市場の混乱だけで政策金利の変更が迫られることはない」とも発言しています。

日銀は今回、「市場の混乱だけで」利上げを見送らざるを得なくなりましたが、オーストラリア中銀のスティーブンス総裁の言にもあったように「日銀は金利を引き上げていくべき」という声も強いのです。そもそも、今回のリスクリダクションに伴う株価急落等、市場の混乱は、日銀の超低金利政策による影響も指摘されていました。つまり、低金利の円を借りてリスク資産へ投資する流れを作ってきたということです。実際に、円キャリートレードの巻き戻しといった動きも今回の混乱を加速させていました。

以上のことから、日銀は9月18日から19日にかけての金融政策決定会合であらためて追加利上げを模索してくるものとみられます。ただし、9月6日のECB(欧州中央銀行)理事会や9月18日のFOMC結果は、日銀の金融政策への影響を与える可能性があり注意が必要です。仮にECBでの追加利上げが見送られ、FOMCで利下げが実施された際には、日銀だけが利上げを行なうことは難しくなるからです。

もちろん、国内のファンダメンタルズを確認した上でのこととなりますが、ECBの利上げ、FOMCでの現状維持といった状況でなければ、日銀の追加利上げは難しいと見ています。(市場が落ち着きを取り戻せば、その限りではありません。)

こういった環境下、今後の長期金利の動向については、急激な金利低下の反動といったものが起こってくると見ています。時間の経過とともに、9月の追加利上げ観測が浮上してくると、大きく利回りが低下した中期ゾーンの利回りも上昇してくるでしょう。また、長期金利も低くなりすぎた金利の水準調整が行なわれ、10年債利回りはいったん1.7%台あたりまで上昇すると予想しています。ただ、市場の動揺が鎮まらないようであれば、引き続き債券には買いも入りやすく、米経済への悪影響が顕著になるとすれば、長期金利がむしろ低位安定してくる可能性もないとは言ないのも確かです。

過去一年間の日銀金融政策の推移

2006年9月8日現状維持、全員一致
2006年10月13日現状維持、全員一致
2006年10月31日現状維持、全員一致
2006年11月16日現状維持、全員一致
2006年12月19日現状維持、全員一致
2007年1月18日現状維持、賛成6反対3(反対は須田委員、水野委員、野田委員)
2007年2月21日無担保コールレート翌日物誘導目標値を0.5%に引き上げ、賛成8 反対1(反対は岩田委員)
基準貸付利子を0.75%に引き上げ、賛成8 反対1(反対は岩田委員)
2007年3月20日現状維持、全員一致
2007年4月10日現状維持、全員一致
2007年4月27日現状維持、全員一致
2007年5月17日現状維持、全員一致
2007年6月15日現状維持、全員一致
2007年7月12日現状維持、賛成8 反対1(反対は水野委員)
2007年8月23日現状維持、賛成8 反対1(反対は水野委員)

予想レンジ(8月23日現在)

 現状9月19日まで
無担保コール翌日物0.5%0.75%
ロンバート金利0.75%1.00%
2年国債利回り0.900%0.8%〜1.3%
5年国債利回り1.180%1.1%〜1.6%
10年国債利回り1.600%1.5%〜1.9%

株式会社フィスコ 久保田博幸

マーケットに関する用語はこちらから

  • 当レポートは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。投資対象・投資機会の選択などの投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようにお願いいたします。当レポートは、ソニー銀行株式会社の依頼に基づき、株式会社フィスコが独自に作成したものであり、ソニー銀行株式会社の見解や見通しを表すものではありません。当レポートは、株式会社フィスコが信頼できると判断した情報源をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、株式会社フィスコおよびソニー銀行株式会社は保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。当レポートの記載内容に関するご質問・ご照会などには一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。また、当レポートの記載内容は、予告なしに変更することがあります。
  • 本文、データなどに関しましては、著作権法などの法令、規制により知的所有権が保護されており、個人のかたの本来目的以外での使用や他人への譲渡、販売、コピーは認められていません(法令による例外規定は除く)。以上の点をご了承のうえ、ご利用ください。

レポート提供:株式会社フィスコ

http://www.fisco.co.jp/

株式会社フィスコは1995年5月に設立された日本では数少ない独立系の金融市場の調査機関として、機関投資家や個人投資家へリサーチサービスを提供しています。

ページの先頭へ


  • Message
    • ソニーバンクからのメッセージ 一覧へ
  • Products
    • 外資情報 一覧へ
    • ファンド紹介 一覧へ
    • ローン情報 一覧へ
  • Tips
    • 資産運用Tips 一覧へ
  • Report
    • 為替・金利レポート 一覧へ
    • セミナーレポート 一覧へ
    • 投信レポート 一覧へ
    • 環境について考える 一覧へ
    • 動画配信一覧へ
  • Interview
    • ファンドマネージャーインタビュー 一覧へ
    • スペシャルインタビュー 一覧へ
  • 閑話休題
    • 閑話休題 一覧へ

ソニー銀行株式会社

EN08090918