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金利レポート
フィスコ金利レポート 米国金利見通し:2007年8月13日

2007年8月8日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)結果は、「全員一致でFF金利据え置き、インフレを主要関心事とするバイアスは変わらず」となりました。しかし、声明には最近のクレジット市場の混乱(「ボラタイル」(変動が激しいこと)・「家計・企業の信用状況は厳しくなっている」)にも目配りして、「景気下方リスクやや増大」とする内容が追加されました。これを「中立、その先の緩和への慎重ながらも一歩前進」とみるか、「予見できる将来にわたり政策は動かさないのを確認しただけ」とみるかは論者によって分かれています。どちらの陣営に属していようと自分に都合よく読める声明文とはいえるでしょう。

ここから先については、クレジット市場の混乱が収まっていないことがあり、利下げ圧力が強くかかるものとみています。例えばウォールストリート・ジャーナルなどで、サブプライムの波及が「プライム」(優良な借り手)の一部のローン、暗黙の政府保証のつく金額の上限を越えるものにも及んでいることを報じています。貸出金利の引き上げなどがプライムの領域にも及んでいることに注意すべきでしょう。近い将来住宅不況を加速させる可能性もあります。
もちろん、クレジット市場の動揺が収まれば、保証のないものにも投資家が戻ってくる平穏なシナリオを想定することも可能です。しかし、景気の上ブレ余地が限定された中、景気や信用リスクなど含めた全体的な環境が好転する可能性と、何らかのネガティブ・ショックから更に悪化する可能性が非対称になっていると思われます。しかも、住宅価格の低下から担保の回収価値も持続的に下がる中、これらの事態は資金を提供する投資家にもよく認識されているはずで、流動性の供給側は今後慎重さを増しやすいでしょう。
何故こういうことを申し上げるかというと、株式市場にはあまりないかもしれないクレジット市場の特性として、市場の需給のバランスこそがファンダメンタルズへ好ましい循環のカギだからです。つまり、クレジットの条件などの弛緩するサイクルでは、次に貸してくれる積極的な貸し手がいればデフォルト率の低下の好循環を生むのです。これとは正反対に、貸し手が慎重になれば、全く逆のことが起こる可能性が高い、つまりは日本も経験した「貸し渋り」という現象が市場全体で発生することになるのです。
オリジネート・アンド・ディストリビュート(貸出債権を創出して証券化などで転売)する米国型貸金業モデルの重要部分が投資家の反乱に直面して困難を迎えたのは確かなようで、中小の自分のバランス・シートでリスクを保有できない業者は大淘汰、少なくとも混乱の時期に入りそうです。この先、大手銀行が伝統的な商業銀行モデルに回帰するかは一つの大きな注目点となりそうです。もしそうなれば安定、少なくとも時間稼ぎはできるでしょう。
このようなクレジットの引き締まりから発生する金融機関の流動性供給能力低下の状況から進んで、経済成長が一段と脅かされるような事態になれば、Fed(連邦準備制度)は利下げで対応するものと考えます。これが市場を支えることが期待されます。

政策金利 :現行5.25% 1ヵ月後予想:5.00〜5.25%
2年国債利回り :現行4.45% 1ヵ月後予想:4.25〜4.75%
10年国債利回り :現行4.80% 1ヵ月後予想:4.50〜5.00%

株式会社フィスコ
田浦哲哉

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レポート提供:株式会社フィスコ

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