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金利レポート
フィスコ金利レポート 英国金利見通し:2007年8月3日

8月2日の英国中央銀行(以下英中銀)の政策金利は、予想通り、現状維持の5.75%と決定されました。
7月の会合において、9名の金融委員(英中銀総裁、副総裁を含めて)の中で6名が利上げ賛成、3名が反対(現状維持を支持)という状況で利上げが実施されたため、7月の会合結果が判明した時点で8月の利上げはまずないという見方が広がっており、今回の決定は事前の予想に沿った結果であるとみられています。
8月の会合結果については15日に発表される会合議事録(どのような事が議論され、最終的にどのような結果で金融政策の現状維持が決まったのか?)の内容が注目されるでしょう。仮に、9名の政策委員が全員一致で金融政策の現状維持を決めていた場合、9月も(政策金利)現状維持が予想されることになります。

今後の金融政策の見通しを予想するためには、大きな材料が3点あります。
先ず、英中銀が8日に提出する四半期物価報告において英中銀は今年後半から来年にかけての消費者物価上昇率をどのように予想しているのか。2%前後で安定する可能性が高いと見ているのか、そうでもないと考えているのか、ここが重要なポイントです。安定推移を予想しているのであれば、当面政策金利は据え置かれるでしょう。
次に、米国のサブプライムローン(低所得者向けの住宅ローン)の不良債権化問題に対する英中銀の金融政策委員の姿勢です。
英中銀が昨年から今年にかけて英中銀が政策金利を引き上げてきた主な理由は消費者物価上昇率が意図する水準を上回っているからですが、もうひとつの理由は、国内住宅価格の継続した上昇です。
債務増加に歯止めをかけることによって個人などが債務不履行に陥るリスクを軽減し、資産価格の上昇を落ち着かせることを目的としてきました。英国内の住宅価格の上昇率は鈍化の兆しを見せており、現時点では7月に行なった利上げの効果を査定している段階です。
最後に、ECB(欧州中央銀行)の金融政策が及ぼす影響についても注意が必要でしょう。ECBトリシェ総裁は、8月2日に予定外の記者会見を行い、インフレ加速を抑えるために近い将来における追加利上げの必要性を示唆しています。資本市場で信用収縮懸念が台頭している中で、ECBが追加利上げの可能性に言及することに対して驚きを隠せない市場関係者も少なからずいるようですが、同じような警戒感は英中銀のキング総裁も抱いている可能性があります。英国のマネーサプライが年率12%台の高い伸びを続けているため、毎月の消費者物価上昇率がある程度鈍化しても、借り入れの減少や個人消費の減退を期待することは難しいとの見方もあります。
現時点で英国内における債務不履行が急増しているわけではありませんが、借り入れの増大に歯止めがかからない場合は、利払い負担の増加に耐えられないケースが増えてくる可能性があります。消費者物価上昇率の今後の動向次第となりますが、英国のマネーサプライが10%前後の伸びに落ち着くまでは、英中銀が利上げを継続する可能性を排除することはできないと思われます。

何らかの要因で世界の資本市場で信用不安が急速に台頭することでもない限り、英中銀の政策金利が低下に向かう可能性は当面低いと予想されます。なお、ポンド高については、インフレ抑制効果を持つということで、国内景気に悪影響を及ぼす懸念がないとは言えませんが、現時点では特に問題視されていないと思われます。ポンド高を意識して利上げを見送ることは当面ないと考えてよいでしょう。

金融政策決定の判断材料となる8月のその他経済指標

14日発表 7月英消費者物価(前年同月比予想+2.5%、6月+2.4%)
16日発表 7月英小売売上高指数(前月比予想+0.2%、6月+0.2%)
20日発表 7月マネーサプライ速報値(前年同月比予想12.5%、6月12.9%)
24日発表 4-6月期英GDP(前期比予想+0.8%、前回+0.8%)
  現行 1ヵ月後予想
政策金利 5.75% 5.75%-6.00%
2年国債利回り 5.63% 5.6-5.7%
10年国債利回り 5.21% 5.10-5.30%

株式会社フィスコ
小瀬正毅

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レポート提供:株式会社フィスコ

http://www.fisco.co.jp/

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