MONEYKitトップ > from MONEYKit > ファンドマネージャーインタビュー > ファンドマネージャー・インタビュー 佐藤紀行氏
現地での調査活動をベースにしたグローバル3極体制
米国と豪州を除くと、比較的歴史が浅いREIT(不動産投資信託)。欧州や日本といった先進国でもREIT市場は産声を上げて間もない市場が多く、今後一層の市場の成長が期待されています。興銀第一ライフ・アセットマネジメントの「DIAMワールド・リート・インカム・オープン(愛称:世界家主倶楽部)」を運用する佐藤紀行氏に、世界のリート市場の動向、魅力などを伺いました。(このインタビューは2007年6月28日に行われました。)
世界各地の情報収集に追われる毎日
- ――
- まず、1日の仕事の流れを教えてください。

毎朝午前6時ぐらいに起きてすぐに、ニューヨーク時代の友人からのメール、ウェブ情報、テレビなどで情報の収集に奔走します。米国市場の動向は、特に重要度が高く緊張感を持って収集にあたります。数年前までは世界中の7割ほどもあった米国REIT市場のシェアが、世界的にREIT市場が拡大してきたことでいまは5〜6割となってきているとはいうものの、依然として、米国市場の動向がREIT市場のみならず世界中の様々な市場に多大な影響を与えているからです。ですから、米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や経済指標の分析、それに応じた金融当局の動きには、最大の注意を払っています。
米国に比べ規模は小さいものの、REIT主要国として頭角を現してきた欧州各国の経済状況も、最近更に重要度を増しており、大きな関心を持って動向を日々見ています。なかでも、欧州中央銀行の動向に影響を及ぼしそうな主要国の経済指標には目を光らせています。
午前7時半〜8時半に出社した後も、引き続き情報収集とその整理を行いますので、朝方は非常にバタバタしていますね。
このように基本的には情報収集に追われている毎日です。また、銘柄調査を委託している米国のデービス・セレクテド・アドバイザーズ社(以下、デービス社)や、豪州のコロニアル・ファースト・ステート・アセット・マネジメント社(以下、コロニアル社)のリサーチ部隊が米国・シドニー・ロンドンに常駐しておりますので、常に連絡を取り合い、現地の生の情報も逐次仕入れています。時差の少ない豪州のコロニアル社とは日中に、時差の大きい米国のデービス社とは夕方以降に、電話やメールを通じて、現地の市場状況やそれによる投資判断への影響度合いを確認し合うこととしています。また、市場に変化が生じている場合には、必要に応じて調査を依頼するケースもあります。
また、不定期ではありますが、海外のアナリストやREIT会社IRから弊社への訪問を受けて、現地の市場の動向や個別REITの業況についてヒアリングも行っております。もちろん逆に、私自身も年に2〜3回程度ですが、時には1人で、時には米国デービス社・豪州コロニアル社のアナリストとともに、現地に赴いてREIT会社の役員に取材を行ったり、保有物件を視察に行ったりして、調査の精度を上げるよう努めています。
いずれにしても、通常時は、情報量が多いことに加えて、時差のある国とも情報のやり取りをしなくてはならないので、夜遅くまで対応に追われ、時には午後11時頃まで掛かることもあります。用事があるときは早めに仕事を切り上げますが、普段はあまり早く帰れないので、子どもたちとは平日はなるべく朝に顔を合わせ、話をするようにしていますが、顔を合わせずに出勤してしまうことも少なくありません。
- ――
- 運用体制はどうなっていますか?
投資判断を含め当ファンドの運用は、グローバルな3極体制で行っています。銘柄選択及び個別銘柄調査をデービス社とコロニアル社に委託する一方、各社からの現地での具体的な調査活動に基づいた情報をもとに、全体的なアセットアロケーションの組み立てや方向性を弊社で最終的に判断する仕組みを取っています。
弊社内においては、弊社運用部門の役員他、ファンドマネージャーやエコノミストが集まる月次のミーティングにおいて、運用の基本方針を決めます。このミーティングで株式や債券、REITといった各市場の方向性を確認した上、それを受け我々が運用方針を策定します。その月次の運用方針に対し、役員も同席する週次のミーティングを開き運用担当者が運用状況を報告することとしています。また、それとは別に、月次では、リスク管理セクションと運用部門の役員が同席した上で、運用経過やパフォーマンス報告といった運用状況の報告を行っています。もちろんこうした定期的に行われるフォーマルなミーティングのみならず、相場が大きく変動したような場合には必要に応じて関係者が集まり意見交換を行ったりしています。
世界の主なREIT市場

※データは2007年5月末現在のS&P/シティグループ・グローバル REITインデックス の構成国の数値です。ただし、日本のみ東証REIT指数構成銘柄の数値です。
出所:S&P社データ、東京証券取引所HPおよび社団法人不動産証券化協会よりDIAM作成
- 世界各地の情報収集に追われる毎日
- 3極体制で地道な調査活動を可能な限り実現
- 米国の買収劇が調整局面を招く
- 緩やかなインフレがREITの拡大を後押し
- パフォーマンスを上げることがみんなの幸せ
- インタビュー後記(from MONEYKit編集部より)


