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セミナーレポート
ソニーバンク外貨セミナー「2007年 年内為替相場の見通し」

必ずお読みください 外貨預金の重要事項

2007年 年内の為替相場見通し 講師:山下政比呂氏(株式会社フィスコ リサーチマネージャー)

中国人民元 長期

対外不均衡是正圧力

1ドル200円以上のとき、アメリカの貿易赤字の約40%が対日赤字でした。そこで、アメリカは円高誘導により貿易赤字を解消しようとしました。しかし、200円を100円にしても、実際の対日貿易赤字は殆ど減ることはありませんでした。為替調節(ドル安・円高)によって、貿易赤字を解消することは困難であることが分かります。

中国人民元 長期

しかし現在、民主党主導の議会の圧力もあり、アメリカの通貨当局は円と同じように何とか人民元を切り上げさせたいと考えています。元は1ドル3元の時代から8元台まで元安が進み、昨今ようやく7元台になっています。アメリカとしてはまだまだ、元の切り上げ余地はあると考えています。
しかし、中国は2008年の北京オリンピック成功のため、急激な人民元切り上げや金利上昇は避けたいと考えています。また、アメリカも中東問題などで中国に安保理等で協力してほしい、北朝鮮問題では中国に頼る部分が大きいと考えています。アメリカは相殺関税をかけたり、WTO(世界貿易機関)に提訴したり、対中制裁法案なども提出して、人民元の切り上げを迫っていますが、本気ではないと思います。
米国と中国は戦略的経済対話を通じて、戦略的、長期的に話し合っていくのではないでしょうか。

中国の株式市場
上海 A株 中国人民元 中国国内投資家専用
B株 米ドル 国外投資家専用 → 国内投資家
深セン A株 中国人民元 中国国内投資家専用
B株 香港ドル 国外投資家専用 → 国内投資家
  国内総生産(GDP) 2006年 株式市場時価総額 軍事費
中国 2兆7,030億ドル 2兆2,000億ドル (4) 495億ドル
日本 4兆3,654億ドル 4兆7,000億ドル(1) (5) 437億ドル
米国 13兆2,466億ドル 15兆4,000億ドル(1) (1) 5,827億ドル

中国はGDP2兆7,030億ドル、株式市場時価総額が2兆2,000億ドルであるのに対して預金は2兆1,900億ドルと預金より株式の方が多い状況です。1年物の定期預金金利が約3%、源泉利子20%ですから、税引き後利息は2.4%です。一方中国のインフレ率は現在3.4%ですから、銀行に預けていたら実質的に目減りします。ですから、国民の株式取引口座が1億を突破して、株式市場に殺到しています。この状況を逆転させるための利上げが実施されれば、上海株式市場の下落や円キャリー取引の解消から円高の可能性もあります。しかし、この場合の円高は一過性のものだと思われますから、そこは絶好のドル買い機会になると思います。

ユーロ・円

ユーロ・円 長期

ユーロ・円 長期

ユーロ・円は、長期チャートでは下落トレンドを上抜いて、逆ヘッド&ショルダー(逆三尊)を形成しつつ、166円まで上昇しています。逆ヘッド&ショルダーからみた目標値は200円。また、285.56円の高値から半値戻しから見ると187円です。また、エリオット波動から算出した目標値は167.43円(7月に到達)、192.21円、200.93円となります。しかし、ユーロは第5波動を推移しているので、相場下落への注意も必要です。
また、ファンダメンタルズから見ると、欧州中銀はインフレリスクへの対応として、年末にかけて4.5%程度まで金融引き締めを行うと予想されています。ユーロの金利上昇により、対ドル、対円でユーロ高が進むものと思われます。

ポンド・円

ポンド・円 長期

ポンド・円 長期

ポンド・円も、1970年代からの長期下落トレンドを上抜いてきており、更に三角保ち合いも上抜いています。目標値としては現在をエリオット波動の第3波動と見た場合、259.94円です。
また、欧州中銀同様に、イギリス中銀もインフレリスクを警戒していますので、イギリスの金利も上昇する可能性が高いと思います。

豪ドル・円

豪ドル・円 長期

豪ドル・円 長期

豪ドル・円のチャートも、同様です。長期下落トレンドを上抜けした後、1995年に再安値の55円をつけ、三角保ち合いを上抜けて推移し、バブル期の123円を目指していると考えられます。ちなみに、エリオット波動から計算した目標値は107円10銭となります。
オーストラリアはコモディティ(資源国)通貨ですから、中国やインドの資源需要により豪ドルは上昇せざるを得ない状況となっています。

NZドル・円

NZドル・円 長期

NZドル・円 長期

ニュージーランドドル・円も長期的な下落トレンドを上抜け、三角保ち合いも上抜けしています。
ニュージーランド準備銀行は2007年6月7日にインフレ懸念への対応として、政策金利を8%に引き上げました。しかし、6月11日と18日にはNZドル売り介入を実施しています。インフレは通貨の価値が落ちて、物の価値が上がるわけですから、通貨の価値を上げなければいけません。政策的に矛盾があり、NZドルの下落は限定的となりました。今後もインフレ懸念から追加利上げの可能性があります。

最後に

2007年6月22日、ドル・円は124.14円まで上昇し、日本の通貨当局が「為替は好調な日本経済のファンダメンタルを反映すべき。」と円安牽制発言をしました。理由は、このまま更に円安が進んだ場合の、外国人投資家の日本売りを懸念したものです。円が売られて、株が売られた状態での参議院選挙突入は非常にイメージが悪いわけです。
2007年後半に注意したいのは、金融政策よりもヘッジファンド破綻などの金融システムリスクです。1998年も8月に147.64円までドル高・円安に推移した後、ロシア金融危機が勃発し、大手ヘッジファンドのLTCMが破綻した結果、世界中のリスク許容度が低下し、一気に円キャリー取引が解消され、111円台までの円高になりました。今後、同様の事が発生しないとは限りませんので、まさかの時のために、常日頃より注意深く為替相場をご覧いただきたいと思います。

 

 

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